新・狐尾幻想樹海紀行X その24

本当はほかにネタがあったかも知れないけど騒ぐほどのことでもないので世界樹ログです(´ - ` )
ひっさーつ、ちくわの穴から生クリーム光線だよっ!
ドグシャァバリバリドッカージュジュゴバァチチクワー(」*゚ロ゚)」*゚ロ゚)」


この辺元と時系列がわりとごっちゃになっていますがあまり気にしないように。いつものことなので
なんにしても胡散臭い奴が胡散臭いことを隠さずに胡散臭いことをしだすので、ここから全体としては後半戦になるんでしょうか。順当にレベル上げてれば普通のRPGならとっくにラスボス倒してるレベルですよ。マジでなっげえなこのゲーム。

あとまりりの属性って一般的なイメージからすればなんなんでしょうね。
主人公ポジションだと光か炎が鉄板だと思うんだけど、さて。


君はこの先を読み進めてもいいし、チョモランマちくわパフェの異様を恐れて引き返しても構わない。















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♪BGM 「戦場 そびえ立つ双つ」♪

「これは…エンリーカ王女。
こんなところで再び相まみえる事になるとは」
「全滅した先遣隊、同行していたアーテリンデは、何者かに操られた状態で戻ってきたわ。
けど…あなたはそうではないようね…!」

薄笑いを浮かべながらも、冷酷な視線のブロートへ、既に何かを察している様子のエンリーカが、険しい表情のまま問いかける。

「なに、私もただ、私独自の理由で「探索」しているだけですよ。
…ただ、私の目的の上において、貴女方「海の一族」が用済みになった…ただそれだけのこと。
貴女も、この島に眠る「秘宝」を得るために、その者達と手を組んだのでしょう?」
「用済み…ですって…!」

内心から湧き上がる怒りを押さえつけるかのように、歯がみするエンリーカ目がけて数体のベビーが飛びかかってくる。
すんでの所でつぐみがその間へ飛び込み、巫術を纏った刃でベビーを切り払い、その傍らに立って巫剣の切っ先をブロートへ突きつけた。

「馬脚を現すとしたらそろそろだと思ってたよ。
目的は何?
それに…行方不明になっている狐尾(わたしたち)の仲間の居場所…知ってるよね…!」

巫剣の切っ先が、つぐみの静かな怒気を含んだ言葉と共に光を放つと、ブロートの足下に現れた方陣が光の鎖を解き放つ。
だが…ブロートはそれすらも解っていたかのように空へ飛び、その方陣をかき消して姿を見せた巨大な魔物の上へ着地する。


それは、一舞と明夜が死闘を繰り広げるサラマンドラよりも、更に一回り大きい…赤熱し火を噴く鱗に覆われた魔獣。
つぐみにも見覚えのある灼熱洞の主、ホムラミズチ。


ブロートは懐から、ハンドベルのような呪器を取り出し、一振りする。
それと共に短い呪詛が紡がれ、ホムラミズチと…更に、サラマンドラやそのベビー達の瞳が、禍々しい深紅に染まる。

「お前達のおかげで大分計画が狂わされてしまった。
最早、最後の手段を使わざるを得なくなってしまったぞ…もっとも、お前達にそれをどうこうする手段は無い
「このっ!」

呪言を防ぐ結界を展開しながらも、夏陽は空いた手で懐から取りだした呪符を起動し、ブロート目がけて投げつける。
幾条もの稲妻へと変わった起動符は、しかしながら、ホムラミズチの吐息に相殺され瞬時に燃え尽きてしまう。

ブロートは冷たい笑みのまま、ホムラミズチの上で身を翻す。

「その程度の技が私に届くとでも思ったか。
もう二度と会うことはあるまい。
ここで…サラマンドラとホムラミズチの炎で焼け死んでいろ」

ブロートの姿が消えると共に、全身を赤熱させる魔獣が咆哮と共に爆炎を吐き散らす。
すんでの所で、夏陽は盾でガードの体勢を取るも、本職のスキルでは無いため完全には相殺できずに大きく吹き飛ばされてしまう。

「なつ…ちくしょうっ!!」

フォローに入ろうとする一舞も、サラマンドラの爪を振り払い距離を取るのに追われている。
凶暴化した火トカゲ一家と灼熱の魔獣、それらが吐き散らす爆炎のなかで、逡巡するつぐみにまり花がささやく。


「つぐみん、少しだけ、時間をちょうだい。
いちかばちかだけど…わたしが、なんとかしてみる!」




~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その24 戦乱 紅炎は猛り氷刃は舞う



静葉「ここから後半戦よ」
ヤマメ「ぶっちゃけるとはっきりとブロートが敵対の態度を見せるの、次の迷宮だよな」
静葉「そもそももうひとつでかい案件、この迷宮に突入する前に起きてるんだけどそれは今回のラストあたりで」
ヤマメ「原作の展開何処行ったんだよマジで」


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静葉「そんなこんなでサラマンドラをわからせると、モリビトの子供の怪我を治すかどうかの選択肢が出るわ。
  PTにメディックが居るか、メディカ系の薬を持っているか、どっちもないかで展開が変わるわ。
  ちなみに今回はどっちも無かったので、その場合エンリーカが子供をカカッと手当てして終了、共にモリビトの集落を目指すことになるわ」
ヤマメ「ついでにいうと、ブロートが出てくるのもB3Fだからサラマンドラの先だよな」
静葉「そこは細かい事よ。
  ついでに前回触れた魔物のうち、実はコールドネイルもB3Fからの出現なんだけど」
ヤマメ「解説ガバガバ過ぎるだろ今回も」
静葉「B2Fに降りてくると他にははさみカブトも初登場ね。
  B3Fからは電気ガエル、B4Fまで下りてくるとバブーンも追加されるわ。
  どいつもこいつもSQ4では随分しんどい目に遭わされたというか」
ヤマメ「アナトビガエルとそのカエル何が違うん?」
静葉「昔は合体攻撃でこっちのHP最大値を激減させるデバフをね」
ヤマメ「今結構ありふれたデバフだと思うんだけど、当時としては珍しかったんだな」
静葉「そこからの帯電ダイブで感電死させられたボンケンシャーも数知れずという有様で。
  森林ガエルを知ってればまあ、要は壊雷複合のジャンピングなんだけど」
ヤマメ「十分アカン奴だなそれ。
   あとなんかそういえばキバガミが言ってた気がするなあ、バブーンってのもいるとか」
静葉「簡単に言えば桜花天空楼のビッグモスみたいな奴よ。
  元々タフだったのが今回ではHP4ケタ越えてくるし、そして今回も変わらずこいつの貫通壊攻撃の威力がマジでシャレになってないのよね。
  カメェのグラインダーがそのまま壊攻撃に変わっただけの奴で」
ヤマメ「その一言だけでろくでもねえやつだって解るな」
静葉「面倒な事にこいつ、石化撃破の条件ドロップあるんだけど、それを持って来いとかいう巫山戯たクエストがあるのよね。
  ここまで来れば余裕で石化香はあるし、飯綱とか石化付与スキルもそれなりに出てきてるから狙うこと自体はそう難しくもないけど」
ヤマメ「なんだっけクワシル爺が「石化したバブーンの頭蓋骨で、ちゃぶ台返しして食器ぶっ壊すオヤジにも壊されない食器を作るから」とか言う理由で出したクエストだっけそれ?」
静葉「概ねその通りなんだけど、一応依頼主はクワシルじゃないからねそれ。
  ちなみにwikiの元ネタ集でも触れられてるけど、有名な星一徹のちゃぶ台返しは原作だと一回しか行われてないわよ。
  その一回があまりにインパクト強すぎて、一徹イコールちゃぶ台返しっていうミームが根強く残り続けてるわね」
ヤマメ「ルーミアの「そーなのかー」みたいなもんだなそれは。
   そういえばこれもキバガミから聞いたんだが、元々岩窟にはFOEってカメェしかいないらしいな」
静葉「何故か4だと第三迷宮だけFOE1種類しか居ないのよね。
  今回はB3Fからもう1種類、SSQ2六花氷樹海にいたイビルアイが追加されてるわ。
  ウロコを破壊すると何故か一緒に発生する氷の塊を、氷床を滑らせぶつけると瞬殺できる特徴まで一緒よ」
ヤマメ「まーたあの目玉野郎、氷と衝突死させられるんかい(呆」


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静葉「相変わらず普通に戦ってもそこそこ強いところまで一緒ね。
  盲目がよく入るので、それで突進を封じるとかなり楽ね。麻痺か毒を撒いてくる凝視は面倒だけど、適正でも余裕で相手できる位には弱い。
  通常素材はWIS上昇付きの頭防具とAGI大幅上昇の突剣、腕封じ撃破の条件ドロップはAGIを上昇させる服の素材になる」
ヤマメ「何かしら付与効果があるとお得感はあるねえ。
   ただ、服装備でAGI補正があってもありがたみがあるクラスはそう無いとも思うが」
静葉「ショーグンかメディックかしらね、精々。
  単純に防具性能は高いし必要分揃える意味もあることはあるわ。
  脚縛るか目を潰してやって、腕を縛ったら弱点の氷でとっとと潰してやるといいわ」
ヤマメ「相変わらず物騒な物言いだなおい」


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静葉「そんなこんなで最下層B4F、右下から左方向へぐるりと一周するようなルートでフロアを辿ると、ボスのホムラミズチが潜む区画に辿り着く。
  道なりに行って丁度中間地点にウロコがあって、それを壊さないと先に行けないわけだけど、ホムラミズチを撃破するまでは迷宮に入り直すたびにウロコが復活するわ」
ヤマメ「ホムラミズチとやり合う前に迷宮を抜けたら、わざわざウロコを破壊しに行かなきゃならない理由とかあんのかね」
静葉「これ4の時と一緒なんだけど、ウロコを破壊してから挑むと明確にホムラミズチが弱体化するわよ。
  先にそっちから説明するけど、ウロコを破壊した状態で挑むとHPが半減した状態からスタートするほか、行動パターンが少し変わる。
  とはいえ、4の時に比べてそこまで劇的にではないわね。4の時はあからさまに一部のスキルも弱体化してたぶん、ウロコを破壊するのもかなり難しくて」
ヤマメ「HP半減って事は、そもそもそのHP量が馬鹿げていると」
静葉「そこを踏まえて解説していくわよ」


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金剛獣ノ岩窟ボス ホムラミズチ
レベル67 HP54034 氷弱点、炎無効/即死・石化無効、呪い・眠り・脚封じ・頭封じ・スタン耐性、毒に弱い
灼熱の炎(頭) 遠隔全体炎攻撃
火煙砲(頭) 2~5回ランダム遠隔炎攻撃(同一対象に1回のみヒット)、盲目を付与
かちあげ(頭) 近接貫通突攻撃
炎の障壁(頭) 5ターンの間、近接攻撃に対して炎属性カウンターを自動で行う(強化枠を消費する)
再生の炎(頭) 6ターンの間、ターン終了時にHPを回復(ウロコ有は800、なしで400)
スリープテイル(脚) 近接列壊攻撃、眠りを付与
ウロコ召喚(依存部位無し) ウロコを出現させる(ウロコ有で最大4つ、なしで最大2つまで)

ウロコ
レベル67 HP617 氷弱点/すべての異常・封じ無効
チェイスファイア(依存部位無し) ホムラミズチの炎属性スキルを受けた対象に追撃する遠隔炎属性攻撃
※ウロコは通常の状態では氷属性を含む攻撃以外、あらゆる攻撃を受け付けない(氷属性攻撃も最初の攻撃はダメージを受けない)。
 氷属性を含む攻撃(もしくはリーパーのフォースブレイク)を受けるとウロコの色が変わり、一切の行動を行わなくなり、氷属性を含まない攻撃でもダメージを与えられる。
 ウロコの色が変わる状態は次ターンの終了時まで継続する。

ヤマメ「なんか軽く見た限り、弱体化するとかなり行動に変化が出るみたいだが?」
静葉「簡単に纏めると「HPが半減する(戦闘開始前に27017ダメージを受けている状態で開始)」「ウロコ召喚最大数が半減(通常は前後に2枚ずつ4枚まで、弱体化時は前列2枚まで)」「ウロコを一度に召喚する枚数が減る(通常は最大3枚を一度に召喚、弱体化時は常時1枚ずつ召喚)」「再生の炎の回復量半減」「HPが25%を切ったときに炎の障壁、さらにその半分ぐらい(?)で再生の炎を使用」という事になるわね。
  実は最後のに関しては弱体化してる方が少し面倒くさいわね」
ヤマメ「通常時は違うんか」
静葉「HP50%を切ったら炎の障壁、25%を切ったときに再生の炎ね。
  実は再生の炎は呼応で打ち消せるけど、炎の障壁は対応するデバフがないからクリアランスかラウダナム、なければ使われてから5ターンは遠隔スキルに切り替えるしか無いわね」
ヤマメ「それだったら弱体化時はこっちの火力次第で障壁と再生同時にクリアランスで打ち消せるから後腐れはないっていう話じゃ」
静葉「そういう意味では確かに弱くはなってるかしら。
  ちなみに4だと「火煙砲」は「火球砲」で、通常時に比べると弱体化時にはヒット数が半減、灼熱の炎も弱体化時には威力が半減するから、もう少し強かったかしら。
  ついでに棒杭が本数制限ある代わりに、戦闘時に棒杭をウロコに使うとウロコを瞬殺できるわ」
ヤマメ「4はウロコを破壊するとずっとやりやすくなるわけか」
静葉「その代わり巨大ウロコはホムラミズチのいる部屋と同じ部屋にあって、破壊するまで最低でも棒杭3本必要。
  しかもホムラミズチも追尾モードになって追っかけてくるし、一応逃げて仕切り直しも出来るけど、正直そこまでの労力を掛けて弱体化させなくてもそこまで強くないというか
ヤマメ「どういうことなのさそれ」
静葉「魚系の食材効果で炎耐性上げて炎の聖印併用して、あとは21300のHPを削る持久戦に勝てれば」
ヤマメ「…当時の火力から考えても2万以上のHP削るってお前なあ…」
静葉「ついでにラスボスよりもHP高いわね。
  今回も第12迷宮ボス並みのHP量だけど、ちょっとだけネタばらしすると」
ヤマメ「そんでもふたつ先の迷宮の…って今まであえて触れなかったけどこの時点でHP5万超えてくるって確かに異常だわ(真顔」
静葉「基本行動は開幕灼熱の炎、その後は4nターンにウロコを召喚、その次のターンに灼熱の炎確定。
  それ以外のターンは通常攻撃、火煙砲、かちあげからランダム、HP75%を切ったらそこにスリープテイルが追加、HP25%を切ったら通常攻撃をしなくなる。
  弱体化してると最初からいきなりスリープテイルを使ってくるくらいかしら。
  通常時だとHP50%以下からウロコの召喚数が1度に2枚、25%を切ると1度に3枚召喚するわ」
ヤマメ「直後の灼熱の炎を考えればかなりキツいな。
   弱体化するとその頻度が少なくなると」
静葉「そういうことになるわね。
  勿論、ウロコの処理に手間取ればそれでもかなりキツいわよ。
  ただまあ、上のカットをみてもらえば解ると思うけど」
ヤマメ「そうだよなー容赦なく最強クラスの武器は解禁してるわ引退ボーナスは乗っけてるわで弱体化させる理由ないよな(#^ω^)」
静葉「ちなみに装備、スキルはサラマンドラとほぼ変わらないから割愛するわ今回。
  レベルにして1つ上がっただけですもの、1SP振ったところで何が変わると」
ヤマメ「特に何か構ったわけでもなくか」
静葉「ええそうよ。
  ウロコは呼ぶ端からマリカチャンが急速冷凍してくれるんですもの。
  あとはひたすら圧縮星術、凍砕斬で削るだけの簡単なお仕事で、ついでに先見術で灼熱の炎や火煙砲を防ぐとウロコの追撃自体が発動しないというおまけつき」
ヤマメ「あーそうかガードは1回しか防がないけどそもそも先見術って発動そのものを無効化するんだもんな」
静葉「ガードはその代わりレベル5以上だと防いだダメージの割合に応じたHPを回復できるけど、先見術ならサブでもメインでも1振りで完全にシャットアウトできるのが利点だから、それぞれのPT構成に応じてどちらを採用するかを決められる。
  ホムラミズチの場合はウロコ放置という戦略も取れるし、先見術のほうが有効ね」
ヤマメ「サブで取得するとガードは最大でも軽減までだしな」
静葉「ちなみにだけどこいつの条件ドロップは眠り撃破、最強槍ロンゴミアントの素材になる。
  固有スキルスリープテイルはハイランダーに無償の範囲攻撃と壊攻撃、グッドラックが活きる異常付与となかなか噛み合った良スキルだわ。
  もっとも、値段640000エンとかいうかなりぶっ飛んだ価格ではあるけど」
ヤマメ「どーせこれだって速攻で買うんだろDLCで」


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静葉「このPTだと含針はあるけど、なかなか狙ってノーダメージの睡眠技当てるの難しいからね。
  まあHP削り込んだところで虚弱やってマリカチャンが睡眠香炊けば結構高確率で決めてはくれるけど。Take数は3回よ(キリッ
ヤマメ「やったのかよ畜生!!!!!









訝るつぐみが誰何するより前に、まり花は静かに氷の魔力を集め始める。
わずかに驚きながらもつぐみは、ほんの数分前にまり花が放った氷の光線のことを思い出していた。

まり花は確かに、強力な魔法使いとしての資質を秘めていて、つぐみもそのことを知らないわけではない。
その強大すぎる魔力が覚醒した切欠も含めてだ。
だが、その性格故か…魔物を含めてすら…相手を積極的に傷つけるような魔法、則ち「攻撃魔法」の習熟度は然程高いとは言い難いはずだ。


まり花は語ろうとはしなかった。
故に、つぐみも…美結達は勿論、親友である一舞すらも、無理にそのことを問わなかった。

彼女がいかにして、レティを退けたのかを。
その戦いの中身に至るまですべて。



-契約により我に従え、眠りを誘う者、氷の女王。
来たれ、永久の極光、永遠の氷河!-


強大な氷の魔力の増幅と、紡がれる文言。
解き放たれた絶対零度の凍気が、掲げられた少女の両掌、その中心へ収束する。

-大地閉ざす凍土と氷雪、総ての生あるものに等しき滅びを!-

発動されようとしているのは、いまだに使い手がほとんどいない、恐るべき禁術。
つぐみは予想される結末に、叫ぶ。

「みんな、避けてえええええええええ!!」

一舞も、明夜も、美結も…この場にいる全員が、冷たく輝く死の光を掲げるまり花の姿に…そして、解き放たれる大魔法の威力を察し、蜘蛛の子を散らすように退避する。
射線上に残るのが二体の魔獣だけになった瞬間。


「極光の…氷獄っ!
ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



渾身の魔力を込めて放たれた絶対零度の閃光が、灼熱の洞窟の総てを飲み込んでいく。
ホムラミズチに地熱のエネルギーを与えていた大ウロコも、サラマンドラも、そのベビーの大軍も、見る間に凍結し、粉砕されていく中で…ホムラミズチはそれでもなお、灼熱洞の主としての意地か、怒りに逆立てたウロコから高熱を噴出して対抗しようとする。

「ぬわあああああああああああああああ!?
ま、ま、まりかいつの間にこんな魔法…っつーかさむううううううううう!!」

焼け石に水というか、それでも渾身の力で冷気をガードする夏陽の後ろで一舞が絶叫する。

「とと、とってもとっても、フツーじゃない魔法さんですよこれ!?」
「いやだってこれ、氷雪の奥義魔法ですからただの魔法じゃな…きゃああああああ!?」

瘴気を盾に耐えようとする咲子と美結、そして彼女が庇う亜人の子も諸共に吹っ飛ばされた。

洞窟内の大気が激変する程の魔法のパワーに、まり花自身もコントロールしきれずあたふたし始めたのを、傍らで踏ん張っていたつぐみと、発動直前に飛び込んできためうは…互いに頷き合うとまり花のそれぞれの手に自分の手を重ね、魔法の出力の安定にかかる。
ホムラミズチは流石に強大な魔獣であり、まして何らかの呪言により凶暴化している…これ程の氷雪魔法を受けながら、なおも反撃の態勢を整えるべく、地熱を吸い上げようとしているのを見て取ったからだ。

「行くよ、めうめう!」
「合点承知めう!!」

二人がそこに自分の魔力を上乗せすると、射線が一気に爆縮し…鋭く圧縮された凍気の射線が、猛吹雪を耐え抜き炎を吐き出そうとしたホムラミズチの喉元を正確に撃ち抜いた。
着弾点を中心に、再び熱を発する間もなくホムラミズチの全身が凍りつき、そして魔獣と同じ方法で魔法の直撃を耐えていたらしい明夜が、大上段に振りかぶった砲剣を最大稼働させて飛びかかっていく。

「ちぇすとおおおおおおおおおおおおおお!!!」

凍気を放出しての一撃…フリーズドライブの一撃を受けたホムラミズチの首が粉砕されると…強大な奥義魔法を耐えきるまでのタフネスを見せつけたその肉体も粉砕され、崩れ落ちていく。
同時に、魔力を使い果たしたまり花も、つぐみ達を道連れにその場にへたり込んでしまった。





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主を失った灼熱洞は、先とは打って変わり、刺すような冷気に支配された酷寒の洞窟へと様変わりしていた。
それは何も、まり花の放った奥義魔法によるものばかりではなく、灼熱の発生源を失ったことで本来の姿を取り戻した、というべきなのだろう。

「うー、さぶっ。
元々こんな洞窟だったっていうなら、なんであのバカあっついトコにこんなものができたのか、解った気がするなあ」

表情をしかめながら、一舞は先に回収していた不思議な氷柱をつまみ上げて言う。
そして、魔獣達との戦いに加え、まり花の魔法の余波で追加のダメージを負った一行の応急治療を終えて、つぐみ達は主を失った大広間の中心へ集まってきた。

「さて、これからどうするかだけど」
「まずは、この子を送ってやらないといけないかしら。
今のホムラミズチ、とか言う奴が洞窟の主だったなら、この先待ち構えてるボスっぽいのは、もう居ないんでしょ?」

夏陽の言葉に、確かにそうだけど、とつぐみは言って、言葉を途切れさせた。

夏陽にもその言わんとしていることは解っている。
それは他の面々にも、すぐに解ることだった。


すなわち、ブロートが去り際に残した言葉の意味。
彼の言う「最後の手段」とは、いったいなんなのか。



わずかに瞠目し、つぐみはその考えを伝える。

「イブさん、あとここなつの二人も。
まりかさんを連れて、一度マギニアのお母さんのところへ伝えに行って。
私達はこの子の…おそらくは、モリビトのいるその場所を、目指してみようと思う。
なんだか、すごく嫌な予感がするんだ」
「…そだね。
これ以上まりかを連れ回すの、キツそうだし」
「うう…ごめんね」

一舞に肩を借りながら、申し訳なさそうな弱々しい笑顔のまり花に、つぐみは頭を振る。

「多分、あれくらいやらないと難しかったかもだし、助かったよ。
だから、少し休んでて。
私達は私達のやれることを」
「そーね。
そうと決まればとっととこんなとこ、抜けるわよ。
流石にこの寒さのところに長居なんてしたくないし」

苦虫をかみつぶしたような表情のエンリーカがそう結論し、二手に分かれた一行。
そして、街へ戻る4人はアリアドネの糸を発動する…。





街へ戻るとすぐ、四人は拠点である飛空挺へ向かう。
しかし、すぐに様子がおかしいことに気がつく…周囲にはマギニアの衛士団が取り囲むように屯し、その中心では肩を竦めるかごめと、苛立ったように腕組みしながら左足で足踏みする諏訪子…そして、険しい表情をしているミュラーの姿まで。

「かごめさん…これ、一体」
「おーあんたたち戻ったか、つぐみは?
いやまあ詳しいことはあとだな、そこのまり花ちゃんを休ませてやらんと」

まり花もその異様な雰囲気を察してか、一舞にもたれるようにしながら、大丈夫、と頭を振る。
かごめは咳払いすると、一同にその真相を明かした。


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「あー、なんというかあたし達まで居てこのザマなのは、正直すまん。
でけえ声では言えないが…実は、姫様がさらわれたっていうか…居なくなっちまってな。
まだおおっぴらにされてないが、マズいことにあたし達にも原因があるんじゃないかって、そんな話になってて」


言葉の意味もわからず、一舞と夏陽、そしてまり花に心菜も、ハトが豆鉄砲を食ったような表情でお互いの…そして、かごめ達のほうを見回す。
そして、一拍置いて。

「∑( ̄□ ̄;)うっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!??」

ぽやんとしたままの心菜を除き…疲労困憊だったはずのまり花まで含めた三人が、余りの事態に絶叫する。

「ちょちょ、一体どういうことなのそれ意味分かんないし!!」
「まあ待て、我々も…否、私も君達を疑っているわけではないのだ。
…だが、悪いことに君達「狐尾」が、様々な問題の渦中にあったことを知らぬ者はない。
故に、上層部においてそういう疑念の目で見る者がいることも事実なのだ」

険しい表情ながらも、ミュラーは申し訳なさそうにそう告げる。

当然ながら、停戦の申し入れがあったとは言え、海の一族に疑いの目を向ける者もいる。
しかし…私には彼等が、そのような卑怯な真似をするようにはどうしても思えん。

無論、君らも。
しかしながらだな」
「そういうわけでな、あんた達にはまあ…ぶっちゃけ人質になっててもらいてえんだよな。
勿論見返りは…そうだなあ、そろそろ暦の上では新学期に入ってるんだよな。
そうするとあんたたちがみんな過去へすっ飛ぶのは明後日ぐらいってことになる。
それ以降半月くらいはいろいろカバーストーリー作って単位に響かない休学の扱いにしとくんで、何卒」

大袈裟にドゲザをするかごめに追い打ちを掛けるかのように、諏訪子が悪態を吐く。

「その手続きのために紫をいったん向こうへ帰したんだとよ。
馬鹿野郎め、別にそのぐらいこの子達待ってからでもミュラーがいいってんだろが、テメーでホイホイ勝手に決めやがって」
「ええ…」

もやはどういう表情をして良いのか、と言わんばかりに少女達は今一度互いの顔を見回す。

「んまあ…あたし達は別に」
「でもでも、姫様がいなくなったなんて、何か手がかりとかは」

ミュラーは一度咳払いをし、そして告げる。

「姫様がいなくなられたのは、今朝方のことだ。
その時に、近侍の者は鈴の音を聞いたと。
その者は一瞬目眩を覚え…そして、姫様の部屋に向かい、姫様のご不在に気づいたというのだ」

一舞と夏陽ははっとして顔を見合わせる。

「鈴…まさか」
「あいつ、ブロートの言っていた…最後の手段って、このこと」

かごめはそれを受け、ミュラーと諏訪子に視線を送る。
そして。


「詳しく聞かせな。
ここから先は、あたしで少し動いてみる…気になることも、あるからね」









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ヤマメ「実際は第十迷宮突入前だよね、姫様の失踪。
   ミュラーも「怪しい男が」って言ってるし、あからさまに怪しい男は既に出ているわで」
静葉「ええ。
  モリビトの子供を発見してすぐ、ブロートの奴が沸いて出て、意味深な一言を残してこそこそログアウトするわ。
  そしてマギニアへ戻れば、司令部ではそれで上へ下への大騒ぎ。
  まだマギニアに公表はされてないけど、クワシル爺が解ってて言ってるんじゃないかって感じのボケを飛ばしてくるわ、ネイピアがどっから掴んだのかその件知ってやがるわで」
ヤマメ「外部からきたいち商人にバレてる時点で情報管制ガバガバじゃねえか」
静葉「なのでミュラーからは、秘密裏にそのまま探索を続けるよう指示されるわ。
  ペルセフォネ失踪の直前に鈴の音が聞こえたことも、その時の会話で解る。
  いよいよこの探索の裏にある陰謀が動き出して、そして、第十迷宮の先にあるモリビトの集落、そこから続く第十一迷宮で、レムリアの秘宝にまつわる謎が明らかになる」
ヤマメ「ようやくすべてのナゾが明らかになり始めるのか、長かったよな。
   で、次回どうすんの?」
静葉「引き続き解説私達で、先の話より与太話を含めて細かなクエストやイベント、小迷宮の話をしようと思うわ。
  大筋とは関係ないけどこっちもネタがたまってるし、少しマリカチャン回りの話も補完していったりもするかしら」
ヤマメ「そういえばこの時点でアルカディアの話も投げっぱなしになってるけど、アレもどーすんのかね」
静葉「今はあまり考えなくていいと思うわ。
  それでは、今回はここまでよ」

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