新・狐尾幻想樹海紀行X その20

長かった冬は終わりを告げ(ry

今作純粋に長いのもあるけど、こうしょっちゅう更新が止まるのもこんな茶番ばかり全力で考えてるからっていうのもあるんでしょうけどね。だが私は謝らない(
ひなビタのバックストーリーって黒幕に居るおじさんの趣味嗜好のためらしくわりと暗めなものが多く(咲子の過去とか心菜逃亡事案とか)、ユルめなキャライメージに反して意外とこういう話持ってくる余地があるんじゃないかと思うんですよ。やり過ぎだって?この狐野郎にはいつものこった(

なんとかSSMに突入する前にまりかちゃんの話の一応の決着はつけられたのでとりあえずひとあんしんでした。
あと最後に技名とか叫ばせつもりでいましたがあまりにM78星雲の光の国要素が強くなりすぎるので自重しました。ここでは多分イブ様がまりりにニュージェネレーション辺りの英才教育は施してるはず
描写だけじゃわかりにくいけど、フィニッシュブローはストライクブーストのイメージです。まりりソリッドバーニング


あとついでに最近の記事ナンバリングいくつかおかしいけどめんどいので修正してません(ぉ


君はこの先を読み進めてもいいし、ベリアル様に捧げるストルムの光を取り込むべく沖縄に向かうため立ち去っても構わない(













海流の渦巻く一角で、己の手足の如く複数の「放浪者」を従え、海流の流れを利用した諏訪子の変幻自在の攻勢に、キバガミ達は苦闘を強いられる一方だった。
リグルはそれでも静葉を相手にかろうじて膠着状態を保っているが、裏返せば彼女は静葉の繰り出す神域の剣術に対して防戦を余儀なくされ、かつ釘付けにされている状態。
彼女の真の能力をもってすれば、瞬く間に魔の魚を切り刻み、数的優位を取ることも可能だっただろう…だが、それは静葉達の方もよく知っている。諏訪子が「放浪者」を伴って出てきたのも、実質諏訪子ひとりで他の四人を対応するという戦略なのだろう。

ジェイドもまた、同時に展開される諏訪子の「祟り」へ対抗する方陣を維持するので手一杯になっていた。「神の操譜石(ラピス)」を失った今の彼では、諏訪子が片手間で放つ「祟り」を完全に相殺しきることは出来ないのだ。
そして、圧倒的な戦闘経験の差から、リグルも静葉の剣を受けきれず、大きく体勢を崩されはじき飛ばされる。ギリギリで保たれていた均衡が、崩れる。


その時、すべての潮の流れが止まった。


先に反応したのはキバガミだった。
逃げ込もうとした潮流が突如消え去り、体勢を大きく崩した諏訪子が驚愕の色を見せたその一瞬を逃さず、彼女が乗騎としていた「放浪者」を一刀のもとに斬り伏せる。立て直したリグルもまた、潮流を利用した加速を失った静葉の剣を受け止め、再び剣をかち合わせる体勢へ持ち込んだ。
更に、勢い余って周囲の岩礁や珊瑚、あるいは互いに追突する「放浪者」を…好機と見て取った弓弦、ノクスもまたジェイドの破陣の支援を受け、次々に駆逐しにかかっていた。

振り下ろされたキバガミの剛剣を辛くも振り払い、諏訪子は歯がみした。

「くそっ、葉菜の野郎ドジったな!
誰だ、海流の源泉抑えにいったのは!!」
「答える必要は無いッ!!」

受け止めた剣とは別に、逆手から繰り出される棍の一撃。
海流を止められたといえども、元々水と大地を司る神格である諏訪子は、剣を受け止めた自身の杖を視点に、周囲の水気を瞬時にかき集めて小規模な海流を起こし、反駁させるようにして大きく身を捩って間合いの外へと逃れ、再びキバガミと対峙する格好になった。

「海流のコントロールを奪った以上、ここからは我等の手番。
覚悟はよろしいな、諏訪子殿!」

諏訪子は悪態をつき、なおかつ自身の杖を投げ捨てると、拳法に似た低い体勢の構えを取る。

「確かに大分目算が狂っちまったが…この私も見くびられたもんだな。
銀嶺でやり合ったときの私と同じだと思ってんだったら、その思い上がりを後悔させてやんよ…!」

壮士が瞬きするその一瞬に、旧き祟り神の少女が一瞬でその間合いを蹂躙する。






一舞達一行は、海流の始点に待ち受ける葉菜と佐祐理、その攻防を終始優位に進めていた。

要因はいくつかあっただろう、葉菜自身が後にそう述懐するように、少女達五人の連携は…実戦経験がほぼないにも関わらず完璧なモノで、瞬く間に主導権を握るに至った。
事前に施されためうの防御印章、さらには心菜の陣による妨害…搦め手への対応が乏しい葉菜達が、一舞達の詳しい能力を把握していなかったことも大きかっただろう。

「取りましたよ!!」

潮の源泉に辿り着いた咲子の手には、託された「海珠」がある。
彼女が「海珠」を設置すると同時に、迷宮に鳴動が響き、周囲に渦巻いていた海流が消える…!

「しまっ…」
「よそ見してる場合じゃないんじゃないの!?」

呆気にとられながらも、それでも葉菜は繰り出される夏陽のいびつな二刀流を、最小限の動きで逸らして更に、後背から挑みかかるめうへ反撃の一撃を繰り出しかかる。
数の利を活かした怒涛の連続攻撃、まして熟達した方陣師の展開する方陣の妨害を巧みに避けつつ、なおかつ強大な「古代の巫女の力」を有する咲子を圧倒しまるで寄せ付けない。普段はまるでそのように見えずとも、葉菜が幻想郷屈指の「魔獣」風見幽香と同格の友人として行動を共にする女傑なのだということを、少女達は今更のように思い知らされる。

一方で、内心舌を巻く思いだったのは葉菜も同じ事だったろう。
先年の夏、邪竜「墨目」の呪縛から脱したものの入院を余儀なくされ、その見舞いに来た葉菜が、夏祭りで見たその少女達は…大凡このような荒事に身を投じるように見えなかった。
その後も、かごめの口車に乗ってバトルの場に姿を現した彼女らのセンスには目を見張るものがあったが、それも遊びの延長線として、彼女の目に映っていた。

だが、今目の前に居る彼女らはどうだ?
自分の知らぬ二年という年月が、寂れた地方都市で青春を謳歌するだけの少女達を、ここまでの怪物に育て上げてしまうなど。
まして、一舞に至っては単独で、「武神」とまで恐れられた相方と互角以上の戦いを演じている。

戦慄を覚えながらも、彼女は目の前の少女達の姿に、かつての自分たちを思い出させていた。
レムリアに降り立った五人以外にも、多くの仲間が居り…その大半は、気の遠くなるような昔に鬼籍へと入ってしまったが…目の前の少女達に、かつての仲間達の姿が重なっていた。


「あたし達は…何時の間にか立ちはだかる側に回ってしまったのね」
「そういうこった。
だからいったじゃん、そこのエロサイドテールは速攻で潰せって。
カエル野郎多分メチャクチャ怒ってんぞこれ」

間合いを取り、呟く葉菜に背後の気配が答える。
その存在の出現を同時に、展開されていたはずの麻痺方陣は一方的に「破陣」され…少女達は息を呑む。

「んまあ、奪われたなら取り返せば良いってこった。
こっから第二ラウンドと行こうじゃないか、なあ新人アイドル諸君」

獰猛な笑みで睥睨する、樹上の影。
ヤマメを中心にして濃密な、病んだ瘴気が、静かに広がり始めた。



~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その20 ふゆのおわり



「粘るわね。
あなたたちはあなたたちで、それだけ積み上げてきたものがある…流石だと言っておきましょうか」

風雅がメルランを、烈がルーミアを抑える一方、鱗竜を制して加勢に加わろうとした鈴花達の前に立ちはだかったのは紫。

その力の多くを失ったとされるこの「妖の大賢者」ではあるが、それでもなお多くの上級大妖を寄せ付けぬ強大な力を有していることには変わりない。
まがりなくも、世界に七つ存在する「魔性真祖」の筆頭に挙げられるそれを前にして、彼女たちはまだ善戦していると言って良いのだろう。

翠里の放つ無数の矢の援護を受け、猛攻を仕掛ける鈴花に対しても、悠然とした動きを崩さずに最小限の弾幕で応対し、後方で隙を伺う菫子に介入を許さない。
得意とする防御結界も、式神の支援もなく、単独で三人を文字通り子供の如くあしらう。
翠里も菫子も、改めて目の前の存在が「かごめと同格以上のバケモノ」であることを再認識する。

翠里から離れ、比較的安全圏に居る菫子の肩に陣取りながら、文は内心歯がみする思いだった。
姿は元より、その声すらも失ってしまった今の自分に出来る事は何もない。それがこれ程までに口惜しいことであるとは!

-ですが、あなたが元の力と姿を取り戻したとしても、あなたはこの子達の前に立ちはだかる選択肢をとったのではないですか?-

その脳裏へ、何者かが問いかける。

何を言う。
わかったような口を利くな。

彼女は声にならぬ声を、投げ返す。

確かに、最初から「彼女」の言葉を聞いてしまっていれば、自分は一も二もなくそれに迎合してしまっていたかも知れない。
それだけ「彼女」は、自分の強さも弱さも、受け入れてくれた。
盲目的にそれを受け入れることもしただろう。

でも。

-私はそうするには、あまりにもこの子達と長く居すぎてしまったわ。
今の私の…したいことは…この子達と同じ目線で真実を解き明かすこと。
かごめのアホが何しようかとか、そんなこと知ったことじゃないわ!!-

文は叫ぶ。
そして、黒い弾丸の如く飛翔し、今まさに解き放たれようとする紫の弾幕、そこ目がけて果敢にも突撃していく。
その姿は…周囲のエネルギーを巻き込んで、鴉の姿を見慣れた天狗の姿へと変貌させていく!


-私も、同じ想いです。
蓄積した私の力を…あなたに託します。
戦えない今の私が持っていても…だから、お願いします…文さん!-


文はその声の主の正体を悟り、そして瞠目すると…見開いた目の先に驚愕する紫が映る。


「いくわよ、紫!!
"鴉天狗奥義"幻想風靡!!」



赤熱する風の刃が、縦横無尽に空間を走る。








輝夜「さていまだに舞台は第八迷宮なわけなんだけど」
天子「何よ、想定外だから別の話してお茶でも濁そうっての?」
輝夜「いーえ?
  予定通り今回は第九迷宮の話に移るわよ?
  今回で第八迷宮が舞台の話もケッチャコつくんだし」
天子「ええ…」

輝夜「前置きとして、第八迷宮の資料についても少し触れるわ。
  資料と言っても本当に古文書そのものではなく、誰かがレムリアの伝承について調べた集解というべきもの、なおかつそれが何分割かされた状態で迷宮内の置かれている状態になっていたわ。
  前後の展開からすれば、資料を「海の一族」のところから持ち出した上でそこまでやったのがブロート、という認識で当たらずとも遠からず、でしょうね。
  ミュラーにそのことを吹き込んで唆している事からも明白だわ」
天子「あいつ本当になんなのかしらね。
  いやさ、既にあいつの正体なんて周回済ならあの狐野郎だって知ってるんでしょうけども」
輝夜「その辺諸々はまだまだストーリー展開の上では伏せるということで。
  資料でわかるのは概ね、直前にペルセフォネからも聞いたことの延長線上にすぎないわ。
  精々、目新しいところでは「海の一族」は元々、古代レムリア文明の豊かな繁栄のおこぼれに預かろうとやってきたけど、レムリア文明の「繁栄をもたらす秘宝」のパゥアーで撃滅されで追い払われ、それ故にレムリア文明の末裔であるマギニア王国との因縁が生まれた事かしら」
天子「それってアレじゃないの、海の一族ってマギニアを逆恨みしてるって事?」
輝夜「狐野郎は少なくともそう解釈してるみたいね。
  SQ4の殿にあった資料と同じと思われる「世界の破滅」の後、レムリア文明は何らかのツテを使って、各地の世界樹からその一部を持ってきてレムリア世界樹を作り、それがもたらす恵みで文明を発展させてきたようだわ。
  海の一族は、破滅を生き延びながらもそういうものを生み出そうとせず、方々を流浪しながら他の者が生み出したそういうものを求めてそこに群がっていくような集団、言ってしまえば海賊集団みたいなものだったようね。資料からはそう読み取れるし、モブの水兵やエンリーカの格好を見るからにもそういう集団だと解釈する方が無理が無いわね」
天子「そういう話だけ聞くと本当にどうしようもない連中じゃない」
輝夜「後々エンリーカとの会話でも聞くことになるだろうけど、彼らにはそういう生き方しか出来ないのでしょうね。
  ただ、レムリア文明はレムリア文明で大分行き過ぎてたところは確かね。
  文明が滅びた大きな要因も、どうやら「繁栄をもたらす秘宝」にあるっぽいことが資料から読み取れるわ」
天子「この辺結構前に軽くネタばらししてたわね。
  それは「秘宝」というより「兵器」だと
輝夜「ぶっちゃけるとそのことが明らかになるのは、もう少し先…第十一迷宮攻略中の事よ。
  そして第九迷宮では、実はその「秘宝」の名前が明らかになる。
  その名前を聞くからにして「えっ実はこれアカン奴じゃね?」と思うような、その名前をね」
天子「そういえば地味に「秘宝の名前」そのものには触れてなかった気がしたわ。
  敢えて隠すっていうことは」
輝夜「ぶっちゃけると狐野郎は名前を聞いた途端にオチが見えたらしいわよ。
  デオチ感ハンパないもの、アレ」
天子「うわー早く聞きたいような聞きたくないような」
輝夜「でもって、クジラ野郎をズタズタにしたあと手に入る資料では、その封印に関わる四つの霊堂の地図が添付されている。
  それをミュラーの元へ持ち帰ることで、既に踏破した東土、真南に続く第三の霊堂、西方ノ霊堂に侵入できるようになるわ。
  ここには既にエンリーカを筆頭とする海の一族精鋭部隊が侵入していることもあり、ミュラーも自ら精鋭部隊を率いて突入していくんだけど…」
天子「けど、なによ」


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輝夜「どうも奥の方ではガチで殺し合いやってるみたいなんだけど、浅い階層に居るマギニア軍の牧歌的なこと牧歌的なこと。
  悪戯好きの同僚に剣と盾を持ち逃げされて途方に暮れてるヤツとか、恋人からもらったハンカチが木の上に飛ばされて途方に暮れてるヤツとか、あまつさえ魔物が強すぎて怖いから帰るとかほざいてるヤツまで居る始末で」
天子「精鋭部隊とはなんだったのか(真顔
輝夜「死傷者も出てるっぽいしもっと真面目にやれよっていうね。
  通常魔物も東土以来の悪質タックルハエ野郎の上位種が再登場するほか、中盤のトラウマメーカーとしてお馴染みの森ヤンマ、アルカディア第四階層の脳筋野郎マイティゴリラ、ギンヌンガ遺跡で地味に面倒だった黄色いコンチクショウバードのハギス、ハイラガ第三階層の全体攻撃枠スレイプニルとヤバい奴らが目白押しよ。
  下層に降りればボルトキャット、ブルーワラビー、ガラガラノズチといったなかなか懐かしい面々も出てくるわ」
天子「2の禁忌の森に居た大キノコも居るわね。
  新規登場枠は悪質タックル野郎の他にはクソキモナメクジとパイナップルの上位版…パイナップルは相変わらず物理で簡単にはじけ飛ぶのね」
輝夜「今回のパイナップルはラストアタックで全封じ付与とかなかなかキチってるわね。
  お化け鳳梨やガラガラノズチのドロップ品はクエストでも要求されるし積極的に狩りたいし、ブルーワラビーを突属性撃破すると手に入る素材が突耐性付きの優秀な軽鎧になるのでこちらも」
天子「また軽鎧か!!!><








「KEMURIKUSA」/ナノ


-あんなものをマトモに喰らったら、俺達も揃って御陀仏だ。
だが-

-あれだけの魔法です、発動までにかなりのタイムラグを要するはず。
僕たちの力を最大限に発揮すれば、発動前に止めることも出来る!-

「わかった。いくよ!!」

駆け出す少女に迷いはない。
初速からトップスピードに乗るその影は、蒼と白の軌跡を伴って冬の魔へ迫る。

しかし、掲げられていたはずの左手が眼前で翻り、そこから無数の凍結光線が放たれる。
回避行動をとるその頬や太腿を掠め、着弾した先では一瞬で巨大な氷柱が生成された。
さらに…巨大な凍気の塊は、掲げられたままの右手の上で揺蕩った状態を保っている…。

「甘いわよ。
氷の魔術を極めれば、こういうことだって出来る。
でも…私に、奥の手の『魔法停滞』まで使わせたことだけは褒めてあげるわ」

その言葉と共に、レティの左手から更に無数の光線が放たれる。
彼女がもっとも得意とし、多用する「フラワーヴィザラウェイ」の射線は、確実にまり花の足を、腕を目がけて放たれる。

恐竜は短刀から盾へと姿を変え、それを防ぎながら悲鳴を上げる。

-なんて野郎だ、畜生!-

「大丈夫だよ!
イブのベースに比べれば、全然わかりやすい!!」

がなる恐竜を無理矢理刀へ戻させると、彼女は複雑なテンポのリズムに乗るようにして、その射線をかいくぐる。
複雑で高密度の氷の射線を、確実に距離を詰める少女に…その必死な表情が、魔女の脳裏にある記憶の光景と重なっていく。


出会いは、些細なきっかけだった。
街に来て間もない頃、商店街にほど近い公園で、少女は人なつっこい笑顔で話しかけてきた。

最初は、親からはぐれたのだろうかと思った。
人の世から遠ざかって久しい魔女は、こういうときどうしていいのか解らなかった。
あの「胡散臭い賢者」からは、面倒は起こすなと念を押されている。
逡巡する魔女に対して、少女は思わぬ一言を投げかける…。


魔女は表情を更に歪め、放つ氷の光線の密度を更に上げる。
だが、それは一発たりとも、少女を捉えることが出来ずに居た。

目の前の少女が、初めて会ったあの日からずっと成長した姿で…その言葉を告げる。


「なんで…そんな泣きそうな顔をしてるの?」


目を見開く、冬の魔女の手が…止まる。
少女の姿はもう目前にあった。


「これで、終わりにしようよ。
もう、レティさんは…ひとりじゃないんだから」
「黙れええええええええええええええええええええええええええ!!!」

綯い交ぜになった様々な感情を振り払うような慟哭と共に、冷たい死の光を強引に掴み、魔女は振り下ろす。
同時に、互いの手が届くほどの位置に居る少女の右腕に、凄まじい光が収束していく。
少女の放つ光と、魔女の放つ凍気が…衝突して混ざり合い、ぶつかり合うふたつの光がレムリアの空を貫いた。


その光の中で…まり花はしっかりと、すべての力を使い果たしたその身体を抱きしめる。


「大丈夫…絶対、大丈夫だよ。
わたし、あなたのところへ、ちゃんと…たどりつけたから。
だから、いっしょに、帰ろう…!」



ああ、そうだ。

私もずっと、抗い続けていたんだ。
もう一度、この笑顔を取り返したくて。

あいつが、自分の力を、誰かを守る力に換えられたように…私も。








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輝夜「えーと、なんだっけ」
天子「話の流れ叩き切っておいてその趣旨を忘れるとかどうなのそれ」
輝夜「ああそうそうFOEの話がまだだったわね。
  今回はフィールドギミックに絡むやつが居るわね、道をふさぐダンゴムシ野郎暴戻な鉄塊」
天子「マップのオブジェクトになってるFOEって事かしら?」
輝夜「ポケモンみたいに怪力を使わなくても、ライドカイリキーを呼び出さなくても簡単に押せるわよ。
  3歩分押すと正体を現して、追尾FOEに変化する。
  今回も二層構造になってるけど、ダンゴムシの上を通行も出来るからこいつをうまく動かして道を作っていったり、他のFOEの進路を変えたりして踏破していくことになるわね」
天子「下手に倒すと逆に探索に不具合を来すタイプね」
輝夜「勿論それもあるけど、こいつ自体がこの霊堂で最強のFOEよ。
  ギミックFOEだから階移動するだけですぐ復活するから、狩りまくっても問題ないけどそもそもこいつクッソ強い
天子「ああ、そういうこともあんのね」
輝夜「見た目通り物理全体に強く、しかも初手からいきなりぶっ放してくる全体斬攻撃カーネイジクローの火力がハンパないわ。
  ケトスをギリギリ倒して来たようなレベルだとカーネイジクローだけで瞬殺される」
天子「物理に強いということは、そのカーネイジクローを耐えられれば属性で押せばいいのでは?」
輝夜「実際に属性にはクッソ弱いけど、こいつゴーレムと一緒で属性を喰らうと高確率で「テクノバッシュ」というカウンター技を使ってくる。
  でもって、こいつHP半分以下まで削ると、こっち全体に混乱とショックオイルのバフを付与する「磁気嵐」でテクノバッシュを誘発してくるというおまけ付き」
天子「なんかこの流れゴーレムでも見たわね。
  どうせテクノバッシュは最速行動でもない挙句、ショックスパークがアホみたいに刺さるってオチでしょ?」
輝夜「なかなか解ってるじゃない、その通りよ。
  勿論ショックスパークとリンクの追撃にテクノバッシュは反応しないし、高確率でテクノバッシュを連打してくるからハメ殺せるわよ」
天子「うん、しってた(真顔」
輝夜「古跡のコウモリと一緒で狩り放題、通常素材がHP+15の優秀な小手の素材になるほか、頭封じ撃破で落とす条件ドロップが優秀な刀の素材になるわ。
  頭封じは耐性あるけど、ショックスパークではめてるならセスタスやガンナーで封じを狙っていってもいいわね」


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輝夜「あとはSQ4以来のヒツジ野郎と、SQ5からまさかの参戦サソリ野郎。
  ヒツジは巡回、サソリは監視から強追尾という行動パターンよ。
  やってくることもそれぞれ変わりは無いわね」
天子「サソリは「毒を取ってこい」ってクエストがSQ5にあったけど、こいつやってくるのは腕封じなのよね」
輝夜「腕を封じる毒ってことでおk」
天子「屁理屈ねえ」
輝夜「ヒツジには眠りが通らず、かつ高い付与率の全体眠りが厄介ね。
  眠り中に一列のTPダメージを与えてくる夢喰いも、全体突の突進もあるから眠り自体を防ぐのが一番かしら」
天子「催眠術夢喰いコンボ…


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輝夜「いや確かに私もそれ真っ先に思いついたけど。
  余談だけど、このログの最初の方で持ってた「シープモカシン」は、ヒツジの通常素材から作れる脚封じ耐性付きの優秀な靴よ。
  ヒツジの素材はLUCを大幅強化する弓の素材にもなるけど、靴に換えてしまった方が有用だわね。
  それを要求されるクエストもあるから、ボス前に狩れるくらいになっておきたいわね」

輝夜「さて、次の次辺りでいよいよこの長い長い茶番も一段落つくことになるかしらね。
  ストーリー的にも「秘宝」の秘密が少し明らかになってくるわ」
天子「散々それっぽい話してるのに今更感が」
輝夜「というわけで、次回は第九迷宮ボスの話に移るわね」
天子「聞けよ」








つぐみ達が集めた資料を吟味する傍らで、るりとアンナはスマキにされている…。


るり「いやー見事に返り討ちだったわねー^^^
アンナ「だから言ったじゃない!><
   なんで自らあの緋色の中にツッコんでくのよ!? そこになんで私を巻き添えにすんのよ!?
   バカじゃないのいい加減バカじゃないのあんた!!><
諏訪子(スマキ)「おまえらなー。
        私も言えた義理ないけどちょっと油断しすぎじゃないのかほんとお前ら」
静葉(スマキ)「言ったところで今更じゃない。
       あと捕まってないの誰? ヤマメとかごめはここには居なさそうだけど」

見回す先では葉菜や佐祐理、そして何故かスマキにされてない紫の姿もある…。

諏訪子「…てゐは霊堂で王女のお守りをしてるはずだな。
   メルランの野郎、何処行った?」
静葉「風雅君の話では、やり合ってる途中でどこかへ行ってそれきりみたいよ。
  あれから、リリカが行方知れずになってる。
  あの子も何を企んでいるのか」
諏訪子「リリカか」

ああでもないこうでもない、とかしましく方針を話し合う少女達の姿を尻目に、諏訪子と静葉はスマキのまま、神妙な顔で続ける。


「考えてみればあいつの関連も今回はナゾだらけだな。
あいつは確かに、チルノに氷漬けにされたはずだ。
あいつは動けるようになった瞬間、メルランにだけ告げて勝手に出て行ったという話だったな」
「あの姉妹、示し合わせて何かしてると考えるのが自然でしょうね。
鈍くさいルナサと違って、どっちもはしこいからね。
…無茶をしていなければ良いのだけど」
「無茶といえば、あの黒幕はどうなったんだ。
静葉、あんたは知ってたのか?」

静葉は言葉を選ぶように、嘆息し。

「今思えば、あの街を最初に離れたとき、あいつが一番変わったのかも知れないわ。
帰るときに、一番最後に来たのもあいつだった。
…きっと、ジョウトを旅したあの時も…リリカに、あの子の面影を見ていたのかも、知れないわね」
「ウェールズの片田舎にも、アイルランドの冬の魔女の伝承は残っていたわ。
私達も大昔、その足跡を追いかけさせられたことがあったわね。
あんまりにも個人的情報過ぎて、上にまで出せなかったような情報も見つかったりしてねえ」

スマキのまま寝転がるるりが口を挟んでくる。
諏訪子はふんぞり返るようにして、背後の岩にもたれ吐き捨てる。

「あの冬妖怪にも、そういうものがあったってことでいいんだろうかね」
「珊瑚達も静かになった。
決着は、ついたんだと思うわ。
…多分」





凜がそこに辿り着いたとき…そこには、幾重にも生える樹氷に覆われた、幻想的にも思える光景が広がっていた。
その中心に、満身創痍になった冬の妖は、まるで大切な我が子を護るかのように、少女を抱きしめ項垂れていた。

凜が接近した気配を感じ取ったのか、レティはゆっくりと、視線をそちらへ移す。

「あなたは…私を、殺しに来たのかしら?
この子の、ために」

煩悶のない穏やかな、あるいは少しの諦観を混ぜ込んだ表情で、冬の妖は問いかける。
凜はゆっくり、頭を振る。

「それは、その子の望んだことでは無いわ。
まり花は、ただ、あなたと一緒に帰りたかっただけだもの。
…あの、古く優しい町並みへ」

そうね、と、レティは再び視線を落とす。
流れ落ちる涙は、凍ることもなく。

「この子は、約束を果たしてくれたわ。
「冬の魔女」の私を…私を縛る「冬の呪い」を、殺してくれた。
いっしょに、かえろうって…そう言って…!!」


その言葉と共に、樹氷は蒼と白の光に変わり、海嶺に消えていく。
そこへ、凜の手が差し出される。

「力を、貸してくれるのでしょう?
このレムリアに渦巻く恐るべき陰謀を、阻止するために。
それを成し遂げて…皆であの街へ帰るために」

重ね合わされた視線から、レティは凜がここまでに辿ってきたあまりに長い道のりを、窺い知ることが出来たように思えていた。
生まれ変わった冬の守り手は、頷き、ゆっくりと立ち上がる。


この手に抱き留めた大切な存在を。
そして、その脳裏に去来する…これまで苦楽をともにした、仲間達を護る「盾」として。


「当然よ。
この私の新たな誇りに賭けて…護り通してみせる」

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