新・狐尾幻想樹海紀行X その16

話はあまり進まないけど、メンバーが増えるよ!やったねたえちゃん!!


今思えばだいぶグダグダになりましたが、これにて第七迷宮までのお話はいったん区切りになります。
けどこんな人数増やしてだんだん収拾着かなくなってる感も…実際ここなつを出した時点で限界に近い
実際にはひなビタメンバーも高校卒業という節目を迎えてバンめしへのバトンタッチが進みそうな気配だったりしているのですが、早くその辺の事情も詳しく触れられる5の話もしないとなあ(吐血
あといぶなつは正義()


君はこの先を読み進めてもいいし、嫌な予感を感じて引き替えしても構わない。











椛「おそらきれい(死んだ魚のような目」


風雅「…お前達俺の居ない間に一体なにをしでかしたんだ?(真顔」
翠里「いやーそこは話せば長くなると言うか説明が難しいと申しますか(露骨に目を逸らす」
鈴花「まったくもー何が一級白狼天狗だよーカンガルーのアッパー喰らって吹っ飛ぶ高さだけは一級品だったけどー(プンスコ」

つぐみ「流石の私でも正直どうかと思うんですけどねえこの状況(しろめ
   すいません風雅先輩、鈴花こっち来てからと向こうマジでこの調子でして」
風雅「あ、ああ理解したくないけど理解できてしまう自分が憎い(しろめ
  まだ烈や塵の相手をしていた方が余程マシだったかも知れんな、氷海も呼んでくるべきだったか今更だが」
塵「貴様ッ話が違うぞこの世界樹世界に来れば烈の奴と互角以上に渡り合えるようになるといっただろうが!!( ゚д゚ )
 な、何故このような女子ばかりが集まるようなモガッ」
弓弦「あーごめん少し黙ってて^^;
  しかし僕たちはどうすれば良いんだ? 風雅君は別のところで探索経験があると言うことだったけど…」
ノクス「…聞くところ、まるで別の世界線から来た僕がいたなどという話もある。
   僕たちの主な役目が補給線の確保というなら、表舞台に立つことはなくとも、その道中で出会う可能性もあるはずだが…」
キバガミ「何、そのようなことは些事と捉えておけば良い。
    主らはしばらく拙者と共に来てもらおう。
    樹海迷宮は特殊な環境故、慣れる間にしばし時間は掛かる。それに」
つぐみ「そだね。
   悪いけど、私達にはそんな時間はあまりないようだし。
   …リリカさんの件ももちろんだけど、海嶺ノ水林に乗り込むには何よりも人手が欲しい」
ジェイド「そのためにわざわざ僕まで引っ張ってこようとは、母君同様キミの強引さにも頭が下がるところだ。
    まあいい…あのMZDとの「契約」の外に出る良い機会を与えてくれたことには感謝しておくよ。
    それで、これだけの頭数を揃えて何をしようという?」

「簡単だよ。
水林で待ち構えているあのスットコドッコイ共を、数で押し込める。
そのために樹海に早く慣れてもらうことは勿論、チーム戦が出来るレベルまで練度を高めて欲しいの」






~未踏の水源地~


菫子「とは言うけどもねえ。
  こんな急ごしらえのチームで正直、どうにかなんのかしら。
  相手の能力は大体みんな把握できてるとは思うけどさー」
翠里「確かにそうだけど、かごめさん達の側でもそれ条件一緒っす。
  なるべく未知数部分を多くしたいという意味では今回、新メンバーを3人も用意できたことは僥倖なのかも知れないっすけど
鈴花「何弱気なことを言ってんだー!!><
  数的有利が取れてるの臆病風に吹かれるとは何ごtモゴッ(射命丸のヘッドパット攻撃」
風雅「…それは恐らくつぐみが一番よく知っているはずだ。
  今俺達に求められていることは、ある程度は組んで戦える者達の練度そのものを、可能な限り向上させることだ。
  ああいう相手との戦いを通じて、だろうが」

風雅の指さす先には、青一色の皮膚を持つ巨大なカメレオンが、嘲笑うかのように舌を出し入れしてこちらを睥睨している…。

菫子「なに、アイツ。
  喧嘩売ってるのかしら」
翠里「あれが、シリカさんの言ってた「極彩色の革を持つ魔物」なんすかね。
  あのひとなんか、革を10000エンで買い取ってくれるとかいってましたけど」
風雅「一応キバガミさんがアイツのことを知っているようだったからな、性質が同じものならある程度対応は出来るだろう。
  厄介なのは毒と、何より透明になって姿を消すことだ」
翠里「足を潰せ、と」
菫子「道中のカメレオン、結構睡眠も入ったわね。
  一回当たれば姿を見せるし、併用でよくないかしら」
鈴花「ぐぬぬ話についてけないつまんないー(プヒー」
翠里「あなたはもう少し脳みそを使う努力をしては?(真顔」
カラス「(こくこく)」



~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その16 樹海のここなつ


静葉「というわけで少し小迷宮の話をしましょうか」
レティ「あー、もうなんの脈絡もなく唐突に話入るのにも慣れてきたわ。
   懐かしいわねこのクソカメレオン」
静葉「実にタルシス以来になるわね。
  雑魚にもパープルアノールが、FOEにも第四大地の小迷宮にいたFOE忍び寄る影が登場してくるわね。
  けど雑魚で面倒なのはカメレオンよりソードフィッシュなんだけど」
レティ「…ソードフィッシュってエトリアの第六階層に居なかったっけ?」
静葉「そいつはノコギリ魚ね。
  ソードフィッシュは第三階層に居た奴よ。
  今回は先制攻撃な挙句スタン付与までついてくるスキル持ちで非常にめんどくさい
レティ「先制でスタン付与とかこの時期の魔物のスキルじゃないわね」
静葉「ちなみに一発食らうだけで紙耐久の前衛が落ちる」
レティ「だからよおそりゃあ時期的にこのあたりで出てくるような魔物じゃねえだろお(しめやかに吐血」
静葉「カメレオンもカメレオンで結構平常運転だしね。
  ちなみに忍び寄る影の素材は今回、貫通突の盲目付与スキルつきの突剣になるわね。
  ミスティックは盲目付与出来るスキルが無いから持たせたいけど、基本後列にいるから貫通のうま味が無いわ」
レティ「そこは割り切るしかないところね。
   カメレオンはひっきりなしに透明になってくるから、透明をコンスタントに解除できれば攻撃そのものは大したことないんだけど」
静葉「今回はボスの極彩を統べる者含めてカメレオン共には睡眠が非常によく効くし、脚封じも耐性が通常。
  睡眠撒けるクラスか必中攻撃持ちが居るかどうかで難易度が劇的に変わるわね」
レティ「要は催眠方陣かスナイプのどっちかがあるかどうかっていう
静葉「そこで含針をあえて避けるあたり解ってるわね。
  何しろ当たってくれなければ意味は無いわ。まあ先制で当てて眠らせればパープルアノールは余裕だけど。
  ちなみに鈍弱はあまり効果無いわね、全くというわけでもないみたいだけど」
レティ「試したことは試したのね」


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静葉「冒頭でも軽く触れたけど、第二迷宮の一件から姿を見せなかったシリカが、商売の元手にでもするのか極彩を統べる者の素材を欲しがってて、その依頼を受けた衛兵が行方不明になったから探してこいっていう経緯から小迷宮「未踏の水源地」が解禁されるわ。
  衛兵はボス部屋の直前にいて、話しかけると街に戻る。
  そして衛兵が街に帰ったタイミングで街に戻ると、シリカから「極彩を統べる者の素材を10000エンで買う」と持ちかけられるわ」
レティ「それは売った方がお得な案件なのかしら?」
静葉「ネイピア商会に卸すと2700エン、防御力は1しかないけど状態異常防御ががっつり上がる軽鎧になるわね。
  けどまあ、時期的にはそんな要らないというか」
レティ「シリカに売れと」
静葉「そういうことになるわね。
  ちなみにシリカへ売れるのは一周回に1回だけだから、後々条件ドロップを取りに行った際ついでに手に入れても普通にネイピア商会に卸すしかなくなるけど。
  というわけで、今回はカンガルーを狩ったメンバーの椛を風雅君に変更して極彩を統べる者に挑んでみたわ」
レティ「軽く流してはいるけどえっらい頭数増えてないかしら?」
静葉「基本この連中で小迷宮を攻略していくことになるんで、何人かその都度入れ替えながら挑んでいくかたちにしていこうかと。
  基本的に鈴花は必ず加えていく方向でやるけど。
  そういうわけで、極彩を統べる者の解説よ」


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未踏の水源地ボス 極彩を統べる者
レベル38 HP9273 氷耐性/即死無効、混乱・盲目耐性、睡眠に弱い
極彩迷彩(依存部位無し) 透明化して回避率大幅上昇(必中攻撃以外すべて回避?)。透明化は攻撃を受けるかアイスストームを使用すると解除される。
氷柱の牢獄(頭) 遠隔単体氷攻撃、全箇所の封じを付与。透明化時攻撃を回避するたびに使用する。
アイスストーム(頭) 遠隔全体氷攻撃
舐め回し(頭) 全体に麻痺と、3ターン全ての攻撃力ダウンを付与
毒の唾液(頭) 全体に毒を付与(毒ダメージ50前後)
※戦闘開始時に前列へ極彩の従者を2体呼び出す。以降もランダムなタイミングで最大2体になるまで極彩の従者を呼ぶ。極彩の従者は極彩を統べる者が行動不能なタイミングでは呼ばれることはない。

極彩の従者
レベル38 HP338 氷耐性/石化無効、それ以外は混乱を除くすべての状態異常と封じに弱い
極彩迷彩(依存部位無し) 透明化して回避率大幅上昇(必中攻撃以外すべて回避?)。透明化は攻撃を受けるかアイシクルを使用すると解除される。
アイシクル(頭) 遠隔単体氷攻撃
舐めずり(頭) 単体に混乱と、3ターン全ての防御力ダウンを付与


静葉「オトモを呼んで早々に後列へ引っ込む性質も、タルシスの奴と一緒ね。
  地味にHPが倍近くなってるけど、基本的にやってくることは一緒。毒の唾液が単純な毒付与になった代わりに、スキルが1個地味に追加されてるわ」
レティ「攻撃力はそこまで飛び抜けているわけじゃないけど、透明になるのと舐め回しが面倒くさいのよねこいつ」
静葉「ひたすらテンポを狂わされるのがこいつ相手の面倒なところね。
  兎に角ひたすら眠りが入るから、催眠方陣を鍛えたミスティックが居るかどうかで劇的に難易度が変わるわ。
  そのうえで効率的に後列へ安定したダメージを叩き出せるかどうかでも、さらに難易度が変わる」
レティ「使ってくる攻撃スキルが氷スキルだからわかりやすいと思うけど、こいつ氷耐性あるのよね。
   トカゲっぽいから氷効くのかと思えば」
静葉「氷耐性もあれば心強いわね。
  ちなみに透明化しても、確実に次にアイスストームを使ってくるわけでないのが非常に面倒でもあるわね
  さて、今回は一応ボスなんでこちらのデータも入れていくわね」


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レティ「あれっ、菫子ちゃん地味にミスティックに変わってるわね?」
静葉「そういうことよ。
  なおかつ翠里をレンジャーにジョブチェンジして、整頓術で大量に回復アイテムを持ち込んで、さらにドロップショットで直接青カメレオンを叩く。
  鈴花も属性対策重視でシールドマテリアを伸ばしているわ」
レティ「で、風雅は」
静葉「雑に従者を切り払って、タイミングが合えば引きちぎる大爪で青カメレオンを八つ裂きにするしか仕事無いわね」
レティ「というか彼がリーパーである意味全くないんじゃ…」
静葉「雰囲気重視でクラス決めた結果がこれよ。
  素直にガンナーにしておけばもうちょっとスマートに行けたんじゃないかと思っても後の祭りね」
レティ「いくら引退ボーナス付けてたとはいえよくこんな構成で4りPTで戦ったわねマジで」
静葉「ちなみにこいつの条件ドロップは混乱撃破、インペリアル専用鎧の素材になるわ。
  兎に角混乱は入りにくいから、専門のパーティを組んで挑みたいところね」








~数日前、古跡ノ樹海~


かごめ達は件の少女…「航海王女」を探し、樹海最深部へと足を踏み入れていた。

道中幾度か、ハイ・ラガードでも見覚えのある恐竜を蹴散らしてはいたが、中には、既に穿たれていた落とし穴に、何者かの奇襲を受けて討伐されていた個体もいくつか見受けられていた。
何らかの罠を感じながらも、かごめはそれを検分し、腐臭も上げぬその亡骸から、戦闘後然程時間が経っていないことを確認する。

「紫、てーさん達はこの樹海に入っていないはずだな?」
「ええ。
海嶺ノ樹林でいろいろ準備をしているはずよ。
後を追ってきているのであれば解るわ」
「だよなあ。
じゃあこのホトケさんは、どこのどいつの仕業だ?
これだけの手練の冒険者、ここまで踏み込んでるなんてのは聞いてないが」

かごめは首を傾げる。

「結構抜けてる感じだけど、あの航海少女ちゃんがやった可能性はどうなのかしら。
丸腰だった気がしなくもないんだけど」
「なくもないだろうけど、難しいんじゃないか?
重鎧を装備した方陣師(ミスティック)なんて聞いたこともねえ
「えっ?」

眉をひそめるアンナ。
かごめはある一点を指さして続ける。

「あの辺、少し残ってるな。
方陣の魔力で茂みがえぐれてる。
…方陣使いが一人、あとは夜賊(ナイトシーカー)か巫医のどっちか、最低二人組だな。

てーさんがもったいぶって正体もわかんねえ、海の一族の協力者か…それとも」
「方陣ならあの子、コーデリアが使えるはずよ。
チルノの行方も解っていない現状、警戒するに越したことはない」

紫の意見を是とするかのように、かごめは頷く。





~桜ノ立橋~


つぐみ達はアポロンと別れて間もなく、桜の舞い散る迷宮の中層部でそれを発見するに至った。

そこには三本の戦斧が、それぞれを支えるように立てられていた。
何かのモニュメントのように見えたが、その地面はわずかに盛り上がり、つぐみはその意味を悟り…目を伏せる。

「あれ、これはなんでしょう」

瞠目するつぐみの傍ら、それに気づいてしゃがみ込んだ明夜は、戦斧の中央に置かれた小箱を拾い上げて首を傾げる。

それは丁度、手の平大の小さな宝箱のように見える。
いつ付着したのか解らない、染みついた血の跡があり…そして、簡素な錠が付けられている。

つぐみが頷くと、明夜は剣の先を鍵の付け根に引っかけて壊し、果たしてその中には一枚の羊皮紙が入っていた。


-我等先遣隊は、襲来した「空の女王」の攻撃により散り散りになった。
「案内人」は姿を消し、「護衛」はその一撃を受け立橋を落下した。
我等の託された「資料」は、「若き二人」が必ず「航海王女」の元へ持ち帰ってくれることを信じる。
我等は「護衛」の安否と、「案内人」の行方を追うも…追いすがる「空の女王」の猛追に遭い皆死に絶え、我も深手を負った。
仲間をこの地に葬り、我も間もなく追いすがる「空の女王」の手により死ぬだろう。
だが、せめてこの遺品が、我等が一族の元に届くことを信じる…-



息を呑む四人。
箱には他に、ブローチのようなものがいくつか入っている…避けられぬ死を覚悟した彼らが、待ちわびる仲間に宛てて残したものであろうことは、手紙の内容からも明らかだ。

このような悲しみは、未開の樹海には憑き物だと、彼女たちは知っている。
だがそれでも、知らず頬を伝い落ちる涙こそ、自分たちの精神が正常であることの証左なのだと、つぐみは思う。


そして、感傷に浸り続けていられるような状況にないことも。


天空から、羽音が近づいてくる。
巨大な影が天空を奔り、乱暴に涙をぬぐい、つぐみが見上げる先には…禍々しい色の翼を広げる、巨大な鳥人間の影。

手紙にあった「空の女王」、それが上空に現れた魔物を指していること。
そして、その魔物が、自分の記憶にもある魔物であることを。

「ハルピュイア…そうよね、ここが立橋と同じ迷宮なら」
「そうよ。
やっと見つけた
「えっ?」

言いかけた美結が、ここに居るはずもない声に、ぎょっとして振り返る。
しかし、声と同時に飛び出した人影は、急降下するハルピュイアの爪を、手にした深紅の槍で薙ぎ払い、そして。


「おおおおおおおおおおおおおおおりゃあああああ!!」


その爪を返す石突きで絡めるようにして、「彼女」は力任せに、傲然たる空の女王を迷宮の大地に叩き伏せる。
ハルピュイアは目を怒りの色に染め、強烈な金切り声を放つ…が、「彼女」の一閃した槍に楽譜の軌跡が走ると、それは衝撃波となって霧散する。
間髪入れず、掲げた槍に呼応するかのようにしてにわかに黒雲が空を覆い、体勢を立て直すハルピュイアの目の前で、天空で束ねられた雷が槍の穂先に収束するようにして降り注いだ。

至近距離で降り注ぐ閃光を避けるように一瞬、目を伏せるつぐみ達。
ボロ布で口元を隠していた、「彼女」の顔が露わになり…それが、自分のよく知る存在であることを確信したのと同時に、凄まじい電荷を収束させた雷霆の一撃がハルピュイアへと叩き付けられた。





かごめ達は森に響く甲高い悲鳴を耳に、森の最深部へと急ぐ。
そして、進む先から響き渡る魔獣の咆哮に応えるかのように、森のそこかしこからコウモリの羽音と、耳が痛くなるような鳴き声がその数を増し、近づいてくることを察知して眉をひそめる。

「かごめちゃん、これ!」
「わーってるよ!
くそっ、そうだよなこの森にいるとすれば確定でキマイラだよなちくしょうめ!」

一番近くに飛来していた巨大コウモリが襲いかかってくるのを、反射的に葉菜が振るった戦鎚の一撃で叩き伏せ、かごめが出会い頭に真っ二つに斬り伏せ、さらに後方にアンナが放った雷の魔法で追い散らしながら、かごめはさらに走る速度を上げていく。

「近くに居る…皆はあの子を追って! 私が食い止めるわ!!」

後陣へ踊り出る紫。
周囲には既に多数の結界弾幕が展開され、さらにその先、数体のコウモリが迫りつつある。

迷っているヒマなど無かった。

「ごめん、紫さんおねがい!」

葉菜の言葉に、紫は振り返ることなく親指を立てて応え…同時に、弾幕を解き放った。





「……っ!
よかった助け…!?」

獅子の頭と山羊の頭、龍の如き翼と蛇の尾を持つ異形の魔物、キマイラと対峙していた「航海王女」は、近づいてきた足音に一瞬安堵の表情を浮かべるも、振り返りその正体を悟って口を噤む。
その隙を逃すことなく、キマイラは巨岩のような前脚を振り上げて「王女」に迫るが、間一髪で飛び出してきたかごめがその身体を抱えて飛び、さらに割り込んできた佐祐理が大盾で、間髪入れずにキマイラが放ってきた連続攻撃を受け止めていなす。
さらにアンナが放った氷の魔法を、キマイラはその巨体に似合わぬ身軽さで飛び退いて回避し、両者にらみ合いの格好になったところで…かごめに抱えられたままの「王女」が、抵抗するかのように身を捩りながら声を荒げる。

「な、なによぅ!
マギニアの手を借りる気なんかないわ、離して!!」
「やかましい人の話を聞けこのスットコドッコイ!
あたしたちは敵じゃねえ、兎野郎に事の次第を説明して、あんたを探しに来てんだよ!!」

かごめはキマイラを牽制するような殺気を放ちながら言い放ち、「王女」は目を丸くする。
一拍置いて、かごめは強大なキマイラへと視線を離すことなく、口元をわずかに緩めて告げる。


「それに、マギニアだの海の一族だの、あたしにとっちゃ些細なこった。
困ってる奴が居たら…見捨ててなんかおけるかってんだ」



「王女」は、その言葉の真意を悟る。
かごめが嘘を言っていないことを、彼女はその瞳から確信した。

「あなたたち…」
「こいつは、あたし達が片付ける。
詳しい話は、終わってからだ」

解放された「王女」は…ゆっくりとその傍らを離れ、そして、庇うように盾を構える佐祐理と頷き合うと、かごめの背に向かって叫ぶ。


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気をつけて!
そいつの尾と爪に、強力な毒があるみたいだわ!

それと…あたしの名前はエンリーカよ、覚えておいて!」

かごめは構え直し、振り返ることなく頷く。


しかし…かごめの構えた刃は、キマイラへ繰り出されることはなかった。


キマイラを中心として、その足下に方陣が展開される。
黄色の光を放つ方陣に捕らわれたキマイラは、次の瞬間電撃を浴びせられたかのように竿立ちになると、茂みから飛び出してきた影が、魔力を解き放つ巫剣を振り上げ、キマイラの頭上から斬りかかる!





「まあそんなこんなで、不意は突いたけどこのあたしが一撃で叩き切ってやったわけよ」

困惑する一舞達を前に、夏陽は自慢げに胸を張って経緯を語り終える。

「なっちゃん、かっこよかった」

それに相槌を打つようにして、心菜も頷く。
しかし、思ったような反応が得られないことを訝しんでか、夏陽は首を傾げる。

「…あれっ、なんかノリが悪いわね。
いつものいぶきだったら「なにおー!!><」みたいな」
「そうじゃないわよ!
あんた達なんでここに居るのよ!?
あんた達、これからレコーディングとかそういうの、いっぱいあるんでしょ!?
あたし達とは立場が」
「だからだよ」

声を荒げる一舞を遮り、夏陽は寂しそうに笑って告げる。


「あたしも…あたしたちも、見てみたくなったんだ。
あんた達の…いぶきが見てるのと、同じ世界を。
だからあの日、あんた達が切り拓いた時間の歪みを渡って、あたし達も一年前のハイ・ラガードの街へ辿り着いたんだ」






「ふいー、一丁上がりっと。
すいません王女、遅くなっちゃいました」


キマイラを斬り伏せた想いもがけぬ少女の姿に、流石のかごめも困惑を隠せずに居た。
かごめが声を上げるより先に、それまで佐祐理の盾の裏で様子を伺っていたエンリーカが一瞬だけ喜色を露わにし、次の瞬間頬を膨らませて咎めるようにいう。

「ちょっとー夏陽、それに心菜も遅かったじゃない。
彼女たちが来てくれなかったらどうなってたことか」
「いやーそうは言うけど、王女だってあたし達置いてきぼりにしてずんずん先行っちゃうじゃないですかー。
師匠だって頭抱えてましたよ、護衛の身であんま強く言えないとはいえ、勝手が多すぎるって」
「いや待て、だいぶ待てお前ら。
なんでお前らここに居るんだつーか夏陽もだが心菜オメエいつの間に方陣なんて身につけた」

なおも抗弁しようとするエンリーカを遮り、さすがのかごめも眉根を寄せながら会話に割り込んでくる。
かごめに名前を呼ばれた時点で、近くの茂みに隠れていたらしい心菜がひょっこりと顔を出す。

「なんで、ってねえ」
この子達はあたしが護衛として雇った、ハイ・ラガード公国お抱えギルド「エスバット」の子が連れてきた子たちよ。
その子も凄いワザマエだけど、この子達だってうちの連中よりもよっぽど腕が立つわ」

合流してきた紫も、この状況に困惑するかのように眉をひそめ…かごめ達は顔を見合わせた。





「勿論、来たばかりの頃は何がどうなっているのか、解らないことだらけだったわ。
けど、運が良いのか悪いのか、あたし達が偶々紅魔館に訪れたときに顔見知りだったアーテリンデさんが居る街だってわかったから、私達はアーテリンデさんに頼み込んで、樹海の探索の仕方とか、戦い方を教わったの。
半年もする頃には、あたしは剣術と巫術を、ここなは方陣術をそれなりに扱えるようになった…まあ、ここなは元々、あんた達のとこのちくわめうとかりんりん先生みたいに、特殊なチカラを持ってたみたいだったし、悔しいことにあたしよりも上達が早くってね」
「けど…だったらどうして、海の一族に?
それになんで」
「簡単よ、あたし達がそれなりに戦う術を身につけて、二人で組んで樹海探索が出来るようになったぐらいの頃に、アーテリンデさん…師匠へ、ラガード公国から極秘ミッションが下されたわ。
それが…表向き「海の一族」の王女エンリーカの雇われ護衛としてその探索行に随行し、あんた達がついているマギニアも捜索するだろう「古代兵器」。
それの調査と封印、場合によってはその破壊という任務を


表情を険しくする夏陽。
そして、想いもがけぬその事実に、一舞達は絶句する。

「破壊…!?
それに…「古代兵器」って」
「待て。
そういえば「殿」で見つけた資料にはこうもあったぜ。
「レムリアは外界からの侵入者に対し、秘宝の力を持って撃滅し打ち払った」ってな。
「秘宝」が「兵器」と呼べる何かであれば、合点がいく話だぜ」

魔理沙の言葉に、夏陽は頷いて答える。

「師匠が特別な権限を持って、公国の王族しか閲覧できなかった資料に、詳しい記述が残っていたわ。
当然といえば当然よね、今なおハイ・ラガード世界樹の上空に浮かぶ「磐船」、さらにはその上に広がる禁忌の実験場。
それに類する忌まわしき超技術の結晶、それこそが「レムリアの秘宝」の正体
なのだから」
「そんな」

一舞はそう呟くのがやっとだった。

今語られた全ての事実を、全て整理しきれてはいない彼女は、混乱と動揺を抑えることで手一杯だった。
それに、彼女達の師であるアーテリンデがいったいどこへ行ってしまったのか。
今この場に姿を見せた理由も。

叫び出しそうになる彼女を庇うかのように、咲子がそっとその肩を抱き寄せると、彼女は二人に問いかけた。

「待ってください、なつひちゃん。
私達も、とってもとっても解らないことだらけです…もし、あなたたちの目的の上で問題ないのでしたら」

夏陽も、一舞の様子からこれ以上、この場でいろいろと話を続けることは良くないことを悟っているようであった。
そうだね、と頷くと。


「簡潔に用件だけ言うよ。
あたし達二人は、あんた達の側に協力する。
情報の共有も行いたいから、可能ならつぐみに会わせて。どうせあの子が、今あんた達のリーダーやってるんでしょ?」









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静葉「今更の話だけどキマイラを叩き切ったのはマジでかごめなんだけどねえ
レティ「確かに前回のカットで、キマイラを対したところでかごめのところに行動カーソル合ってたものね。わかりにくいけど。
   というかここで一気に話を加速させてきてるわね、それにハルピュイアも」


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静葉「おハルは進行の犠牲になったのよ。
  そして言うまでもなく、エンリーカを助けに来てたのはジュニアとアーテリンデよ。
  キマイラ戦の前にジュニアが満身創痍になってる有様に、ジュニアお前もか、みたいな空気になったとかならなかったとか」
レティ「相手キマイラだとどうしても身構えちゃうしね。
   少し先ではアーテリンデも負傷してたし」
静葉「結局二人とも無事で、先に第六迷宮のあと先遣隊の遺品を届けた時門前払いを喰らったことをエンリーカが謝罪してきたあとに「だけどてめーらに秘宝はやらねえ!!」みたいな話してそれでお終いよ。
  で、街に戻れば「海の一族との対話の糸口を模索しろ」ってミッションが出て、第七迷宮でエンリーカを救出することでそれを報告しに行くと、なんかタレコミがあったと言うことで「先遣隊が海の迷宮に落っことした資料を回収してこい」というミッションが発令されるわ。
  この先は、次回…そして、ミッションを受けて探索可能になる第八迷宮「海嶺ノ水林」の探索中に、いよいよ待望のサブクラスが解禁されるわ」
レティ「本当にここまでがえっらい長いわよね。
   かごめ達がキマイラを倒したレベル見てもらえば解るだろうけど、普通にマスタースキルも解禁されちゃってるし」
静葉「時期的にはそこまで遅くはないんだけど、兎に角迷宮の数がハンパなく多いのがね。
  そういうことで次回は、少し早いけど水林とサブクラス取得までの話になるわ。
  あと道中のクエスト戦闘とかにも少し触れる予定よ」
レティ「あ、一応それやんのね」
静葉「昨今のウルトラシリーズでもこのあたりで総集編やってるし
レティ「そういうメタ話は要らん(真顔」

この記事へのコメント

DAI@ぽえ
2019年02月16日 18:34
反応完全に遅れましたがいつの間にやらうちの方にも言及されてるのに今更ながら気付いたという

許して下さい!なんでもはしません!
狐尾も人数多くて何だかんだで賑やかですよね(一部サツバツとした面子から目を逸らしつつ)
海月@管理めう(
2019年02月17日 22:06
そして見切り発車で数人見繕ったけどまだこの時点でクラスが決まっていない体たらくでして。
これはミラーシェード=サンのケジメ案件では?(なんでやねん

基本的に先行探索(といっても一周目の道をなぞるだけだけど)兼鈴花のおもtゲフンゲフンお守りなのでPTのバランスとか多分考えないで決定されるかと。それでも弓弦のレンジャーと塵のサブファマシノビはほぼ確定になりそうですが(

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