新・狐尾幻想樹海紀行X その5

俺がこんな程度でやられクマー!!!!! by獣王ベルゼルケル


あ、はいやっと第二迷宮最終ラウンドになります。
ただし構成の都合上二本ぐらいに分離してます。だらしねぇな?

途中で登場するフード三人組+αの正体についても多分次回で明らかになったりならなかったり…まあ、うち三人はセリフでなんとなくという感じにしていますそのつもりです


君はこの先を読み進めてmチキンをくれ 買え クーポンもあるぞ















葉菜は一拍遅れて、眼前に展開されている現実に愕然し、恐怖に全身が凍る。


かごめは、先に倒した手負いの巨熊を「偽物」と呼んだ。
目の前の朱い巨獣は、何故己の影武者まで使って、自分たちを下層階へ追いやったのか。
その憶測は、あまりにも、目の前の巨熊がただの獣とは一線を画するものだという前提のものにしか過ぎない…そのはずであるべきものが、確信に変わる。
コンマ数秒をおいて…かごめが解き放った凄まじい殺気と怒号によって。

「ッけんな貴様ァアアアアアア!!
ひと思いに死ねると思うなああああああ!!!」


彼女は既に、黒い箭となり唾棄すべき獣へ跳んでいる。
だが同時に、物陰から数体の「破壊者」が飛び出し、その射線上へ覆い被さるように躍り出てくる。

かごめは舌打ちし、完全にトップスピードに乗り切らぬうちに抜刀する。
その刃は瞬く間に二体を切り裂き、三体目の胴を七分ほど切り裂いたところで…そのパワーと熊そのもの肉体の抵抗に絶えきれず根元から砕け折れてしまう。

その隙を逃さず、さらに死体の影から四体目の「破壊者」。
かごめが柄だけになった小太刀を投げ捨て、拳の構えを取るより前に、光の矢となった長槍(フラメア)がその頭を吹き飛ばす。

前に突出し、そして丸腰になったふたり。
それこそが、手下四体という「対価」を支払って、忌まわしき獣王が仕掛けた好機であった。

先の「影武者」のそれとは比べものにならぬ…それ自体が大太刀の如き巨爪を振りかざし、物言わぬ肉塊と化した「破壊者」諸共ふたりを切り裂こうと獣王が迫る…!!


「かごめ、これを!!」

ウィラフの声と同時に、光を反射し迫る刃。
かごめは飛翔してそれをキャッチすると、大上段に振りかぶり、気合一閃振り下ろす。

思わぬ反撃を受けた狡猾なる獣王は、その一撃で片目を潰されながらも紙一重のタイミングで、巨体に似合わぬ身軽さで後方へと跳ぶ。


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倒れ伏した三人の負傷者を挟み、両者はにらみ合いの体勢となるも…獣王は状況不利と悟ったのか、踵を返し遁走する。
かごめは受け取った刀を吟味することなく駆け出そうとするも、葉菜と佐裕理ふたりがかりに抱き留められた。

怒りの冷めやらぬ瞳が葉菜に向けられるが、彼女はそれに怯むことなく頭を振って、なお強く抱き留める。
佐裕理も一緒だ。

「絶対にダメ…落ち着いて、かごめちゃん…!
私達を「地下に誘った」時点であいつの罠に最初から掛かってたのよ…行ってはダメ…!

ゆっくりと、かつ強い語調で葉菜はかごめを諭す。
やがて、熊の頭から引き抜いたフラメアをかついで、るりが苦笑しながら肩を竦めるのを見て、かごめもようやく、憤然と息を吐く。

「負けを認めろ、というのか。
ケダモノ如きに」
「そうね。
でもかごめさんだっていってたでしょうに。
あれはもう、ただの巨大熊とは言えない…今の私達で相手取るには、かなり骨だわ。まして」

るりはかごめの手にした刀を指さして頭を振る。

「今の装備では正直どうにもならないんじゃない?
あの連中の手当もしなきゃならないし、戦略的撤退しかないんじゃないの?
「……やってくれる!」

彼女は酷く刃こぼれして、既に武器としての用をなさない刀を大地へ乱暴に突き立てる。

「彼らは無事よ。
でも、早く治療しないと…!」

何時の間にか姿を見せ、傷ついたマルコ達の様子を見ていたらしいウィラフの言葉に頷き、かごめは葉菜から受け取ったアリアドネの糸を天に掲げる…。



~新・狐尾幻想樹海紀行X~
その4 真なる森の王



ベースキャンプに戻った一行は、重傷を負ったマルコ、オリバー、衛兵の三人を治療小屋へと運ぶ。

葉菜は彼らの治療を申し出るも、今度は葉菜がかごめに止められる番だった。
聞けば、不眠不休で傷ついた衛兵や冒険者達を治療したあのあとも、ロクに眠ることなく樹海探索に随行していたのだ。
踏み出した足下も覚束なく、それでもなお治療小屋へ向かおうとする葉菜を当て身で強引に意識を飛ばし、無理矢理寝かしつけると…目を覚ました葉菜がロクに休むことなく動き出そうとしたなら止めるようアンナと佐裕理に頼み、かごめとるりはマギニアへと帰還する。


「実際どうすんのかごめさん?
槍は少し打ち直せば十分使えそうだけど、流石に刀なんて」
「あー…それがだなあ、ウィラフからもらったコイツなんだが」

かごめはぼろぼろに刃こぼれしたその刀を引き抜いて示す。

あの影武者野郎の爪をこいつに接合したら、十分使えそうな代物が出来そうなんだよね。
ネイピアの姉さんに鍛冶場使わせてもらえるかどうか交渉してみないとなあ」
「完全にぶち切れてたと思ったら意外とちゃっかりしてること。
かごめさんらしいといえば、らしいわね」

悪戯っぽく笑って返すかごめだったが、その表情は不意に険しくなる。

「…思ったより魔力の馴染みが悪い。
あんな三下、威嚇するより前に斬り殺せるはずが…!」
「常に、数倍の重力が掛かってるような感覚だわ。
この世界の魔力濃度、そんなに低いの?」

かごめは頭を振る。

「恐らく、このレムリア島自体がかなり魔力濃度が低い…否、正確には何処か1カ所に集積されている。
それだけ莫大な魔力を占有するなにかがここにはあるな

「世界樹の核(セル)とか?」
「現状で内容が割れているふたつの迷宮が、それぞれアーモロードとエトリアの世界樹迷宮にあった階層に酷似しているということを考えると、それに類するものがいると考えるのが自然だね。
気になるのは…ここ(レムリア)の世界樹から感じる魔力の流れが、まるでキメラみたいに各地の世界樹の魔力を綯い交ぜにして居るような気がすること…魔力の馴染みが遅いの、そのせいもあるのかな」

かごめは、街の果て…飛空挺都市の舳先に当たる部分から望む世界樹を見やる。
これまで訪れた街から望むそれとは異なる、だが、変わることのない姿でそこに佇んでいる。

半年以上もこんなところに居れば、流石に慣れるか…なあ?
「なんの話?」

謎めいたそのつぶやきに、怪訝な表情で問いかけるるりに「独り言」とだけ返し、ふたりはネイピア商会の門をくぐる。


その姿を、往来から見守る一つの影。
頭から暗い色の外套を羽織り、フードも目深に被ったその姿からはわかりにくいが…背格好から見れば、年端も行かぬ少女のように見える。

「正解です、母さん」

彼女はそれだけ呟き、踵を返した先にはもうひとりの、フードの少女。
ふたりは頷き合うと、かごめ達と入れ替わるようにして、ネイピア商会の門から出てきた三人目のフードと合流する。


「みんな履き違えないように。
あくまで、私達はまだしばらくは裏方だよ。
お母さんの性格上、乱入する「敵の手駒」が多くなれば多くなるほど
やりかねませんね、全部を相手取る前提で動くことは。
けど…この魔力環境に慣れていないかごめさんにとっては無謀にも過ぎるでしょう」
「そういうこと。
「獣王」が「埋伏」の体制を整えて、お母さん達と戦いを始めてからが、私達の仕事だからね。
「獣王」とお母さん達を「切り離す」か、私達と「破壊者」全部を「切り離す」か、そのときに判断するよ
「了解っ」

三つのローブは、そのまま足早に街の外へと続く階へと駆けていく。
すれ違うような影が、すれ違いざまに三人に頷くと、そのまま雑踏へとかき消える。


樹海の獣王との決戦の時は、刻一刻と近づいていく…。





かごめは回収できた限りの素材を売り払い、それによって得た資金でベースキャンプにいる3人の新装備をそろえると同時に…ネイピアの了承を得て半日ほどでその刀を完成させた。
黒光りする巨熊の爪は多量の、かつ硬度と柔軟性に優れた合金をも含んでおり、鍛え上がった刃はシンプルながらも切れ味も重みも十分な逸品に仕上がった。

「こいつはいいな。
しばらくは、なんかそれっぽい素材手に入れたらここで鍛冶させてもらおっかな。
柄は手に馴染んだ方が使い勝手も良くなるし」

刃を吟味するかごめに、様子を伺いに来たらしいネイピアが溜息を吐く。

「やれやれ…新しい武器を買わないぶんは、ここの場代を相応の分戴くからの。
それにしてもじゃ、お主刀を振るうばかりでなく、打てるのか」
「知り合いの見様見真似だけどね。
まあ、刀以外のもんや薬類はどうにもならないし、そっちは恃みにさせてもらうしさ」

かごめは貨幣の詰まった袋を、女店主へと受け渡す。
そして…すれ違ったところで立ち止まり、振り向くことなく誰何する。

「姐さん、さっきのフードの子は、ここの常連かい」
「…常連、というほどではないの。
じゃが、印象的な客の顔ぐらいは、そうそう忘れぬがの」
「そっか。
じゃあもう一度、あの子本人でなくとも、その類縁っぽいの来たら伝えてくれないかな。
…袋の中に、一枚書き物があると思うんだけど」

ほ、とネイピアが感嘆の息を吐いてその口紐を解くと…果たして、硬貨の中に一枚の紙切れ。
その内容に目を見開き、ネイピアは普段と同じようなしたり顔の笑みを浮かべながらも、冷や汗が頬を伝う。

そいじゃ、と暇乞いを告げてかごめがその場を去って行くと、入れ替わるようにしてフードの少女が姿をみせる。


「…お前達の首魁は、誠、女傑と言う他ないの。
つぐみたちにも伝えてやると良い。
恐らく…これがあやつから、お前達へ下されるべき指示なんじゃろうからな」






翌日。
駐屯する衛兵部隊、冒険者の類にミッション発令の告示がされるのを尻目に、準備を整えたかごめ達は、樹海へ進路をとりベースキャンプをあとにした。


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ウィラフは同行を申し出たが、かごめが何事かを耳打ちすると、彼女は得心いったと見えて引き下がり、樹海の入り口付近で別の道へと別れる。
かごめは先日切り拓いたショートカットを駆使し、獣王の影武者を倒したその場所まで到達するが…そこにはあれほど充満していた血と肉の匂いは何処にもなく、幾人がそれに違和感を感じながらも、かごめに促されるまま、入り組んだ獣道を進む。


「おかしいわね。
熊共だけじゃなく、他の魔物の気配も全く感じないわ」

周囲に注意を払いながら、葉菜は怪訝な表情で呟く。
先頭を行く佐裕理も同じような表情で頷く。

隣をゆくかごめに、るりは意味深な視線を送るが…かごめは気にした風もなく、やがて見えてきた扉を指さして告げる。


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「そこの区画。
恐らくはここが最深部なんだろうが…この先に、その答えがあるんじゃないかね」

飄々とした言葉に反し…扉の先からは、凄まじいまでの殺気と威圧感が伝わってくる。
感じ取れる気配も一頭二頭というどころではない。無数の猛獣が、その中に潜んでいることは間違いないだろう。

るりは溜息を吐く。

「罠を承知で、正面突破すんの?」
あると解ってやるんだったら、なんの支障があると?
「無茶苦茶言うわねえ。
今に始まったことではないとはいえ」

既に扉に手をかけているその背に、るりは肩を竦めて吐き捨てる。
その脇を、険しい表情のままのアンナが通り過ぎ、かごめと並び立つようにして扉に手をかける。

どうせいくら文句を並べ立てても、このかりちゅま野郎の馬鹿がたかだか一度二度死んだ程度で治らないのは百も承知よ。
いざとなったらこの場の全員を凍死させてでも私だけ生きて逃げ延びてやるわ


かごめは一度そちらに目をやり、口の端をつり上げる。

「上等だ根性腐れ三つ編み。
空けた瞬間に、ど真ん中の一番でかい赤毛に一発くれてやって…同時に間合いを詰めるよ!」

四人は頷く。
そして、かごめが扉を思いっきり蹴破り、同時に、既に詠唱を終えていたアンナの上位氷雪魔法が解き放たれる…!

「行くよ、みんな!!」

機先を制された獣王に極低温の凍気が光線となって衝突し、撒き散らされた冷気に怯んだ「破壊者」の波間を一直線に四人が駆け抜ける。
そして。


-紅時化、夜薙げ、緋色の鳥よ。
草食み根食み、気を延ばせ!!-



アンナはその祝詞を確かに聞いた。
上位術を放ったタイムラグの分かごめ達から一歩遅れ、冷気の道を駆ける彼女が周囲を見やると…景色がほんの一瞬だけ紅い荒野と重なり、極低温の魔力嵐に怯んだ熊たちが、次々と紅い荒野に飲み込まれ消えていく。


彼女は悟った。
今、この場で何が起きたかを。

かごめは、つぐみたちが既にこのレムリアで秘密裏に活動していると言った。
この恐るべき「異常性」を引き起こせる少女の存在も、勿論知っている…それが、かごめの因子を受け継いだ少女であることも。


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獣王がその状況を悟るよりも先に、かごめの放った一太刀が空を切り裂き、巨熊の二の腕を大きく切り裂いた。





そして…樹海と隔絶された、燃えるような黄昏の空と緋色の原野、引きずり込まれ逡巡する十数頭の熊たちの前に、一人の少女が姿を見せる。
薄い桜色の、ふわふわとした綿飴のような髪を妖しくたなびかせ、その緋一色の景色に禍々しく光る暗紅色の鎌を携える小柄な少女は、邪笑とも取れる冷たい笑みと、強大な妖気を纏って熊たちの前に立ちはだかった。

「あなたたち如きに、かごめさん達の邪魔はさせません。
代わりに、私達が遊んであげますわ」

少女の背に、緋色の翼が広がる。
対峙する者に絶対の滅びを与える、認識界を飛ぶ魔鳥の翼が。








魔理沙「ぶっちゃけ美結ひとりでいいんじゃないかな(超真顔
諏訪子「んまーそれは私も思ったんだがな(超真顔
   一応レベル90もあれば黒き衣と生命吸収込みで落ちることはまずねえ、三弱体泡沫で獣王ほぼ一撃だしな。
   熊なんか痺止で瞬殺だろうし…まあそれじゃゲームバランスもへったくれもねえしな」
魔理沙「そもそも緋色の鳥はいいのかいろいろ?」
諏訪子「随分前に静葉が言ってなかったか?
   このログは【クリエイティブコモンズ表示-継承3.0ライセンス】に準拠しています(キリッ
魔理沙「ええ…(困惑」
諏訪子「そんなことより、実プレイはもう一気に先に進んでしまってるといういつものパターンだし、こっちもさっさと進めてしまおう。
   まずは獣王ベルゼルケルのデータからだよ」


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碧照ノ樹海ボス(?) 獣王ベルゼルケル
レベル10 HP4067 耐性及び弱点なし/盲目・睡眠に弱い
バインドボイス(頭) 全体無属性攻撃、スタンを付与
獣王乱舞(腕) 全体に3~5回ランダム近接斬属性攻撃、同じ対象には1度のみヒット、予備動作あり(「獣王ベルゼルケルは力を溜めた!」と表示された次のターン発動)
バーサーク(頭) 3ターンの間、自身の物理攻撃力をアップ
破壊の一撃(腕) 一列に近接斬属性攻撃
アームブレイク(腕) 近接壊属性攻撃、腕封じを付与
岩砕き(腕) 全体近接壊属性攻撃、盲目付与
※碧照ノ樹海B3Fにおける最初の戦闘時には、HPがおよそ半分程度になっている。


諏訪子「タルシスでも「獣王(笑)」として有名なベルゼルケル、意味深にボス(?)とした理由はまあ…もうこの時期になって隠す意味はあまりない気がするけど、後で触れることにして。
   タルシスでは血の裂断者がやってたことをやらされてるコイツだが、結局あれも実際に戦った奴が死んだふりとかしてたのか、あるいは前回で取り上げたみたいに影武者かなんかだったのか…明言はされてないけど、コイツのモチーフは「銀牙 流れ星銀」の赤カブトだろうから、影武者の可能性が高いだろうが」
魔理沙「赤カブトなんてそれこそノロイみたいなもんだから、こんなかませ犬ならぬかませクマーにされるのもさぞかし不本意だろうぜ。
   何気に盲目やスタン、腕封じを駆使してこっちを崩しに掛かるからだいぶ面倒くさい奴だが」
諏訪子「まあ単体で見れば然程強くはない。
   面倒なのは、同じ部屋に裂断者が4体もいたタルシス程じゃなくても、同じ部屋に破壊者が2体居て、何の手段も講じないまま突っ込むと破壊者の乱入を招くことになる。
   説明し忘れてたけど、破壊者はマップギミックとして道をふさぐ倒木を破壊する性質があるせいで、倒したとしても1日で復活してしまう…つまり、乱入を防ぐためにあらかじめ破壊者を倒しておく、という手法は難しい。
   一応、左右両サイドの破壊者一体を昼間のうちに倒して、宿に戻って夕方まで休み、夜になったら破壊者のいない側から回り込んで獣王に挑む事も可能ではあるけど」
魔理沙「どうせマップギミックを使えばクマーを狩っておかなくても乱入は防げるってんだろ?」
諏訪子「そういうことだ。
   クマーの近くに倒木でふさがれてるポイントが二カ所あるから、まずはわざとクマーを追尾状態にして倒木まで誘導、その後いったん部屋から出てクマーの追尾状態を解除し、開通されたルートをクマーの視認範囲を避けるようにして移動するだけでいい。
   クマーは追尾状態になってなければ完全な置物で、こっちがいっくら獣王とドンパチやっててもぴくりとも動かない。そこがタルシスとの大きな違いだな」
魔理沙「っても、タルシスの裂断者も正面突破ならどうあがいても乱入は防げないんだけどな。
   正面突破するルートだとかならず発見されちまうし」
諏訪子「まあタルシスの場合はボス部屋に隠し通路が存在して、裂断者に発見も乱入もされないかつ獣王にバックアタックできる場所から戦闘開始できるしな。
   あ、言い忘れてたけど今回はそんなルートないんで。
   クマーの乱入はマップギミックで防げるけど獣王にバックアタックは出来ないマップ構成になってるから」
魔理沙「別に先手取らなくても大したことないんだろコイツ?」
諏訪子「まーね。
   行動パターンとしては最初のターンにバインドボイス、次いで準備動作から獣王乱舞が高確率で、そして獣王乱舞がきた場合はバーサークから通常攻撃を3回と8ターン目までの行動が確定する。
   それ以降はランダムで、バインドボイスから準備動作が来た場合は獣王乱舞、バーサーク、通常攻撃の流れがセットでついてくるって感じだな。
   バーサーク中は通常攻撃しかしてこないとされているが、バーサーク通常攻撃でも獣王乱舞一発分の1.5倍近いダメージを受けるから、そのあたりも注意が必要になるな」
魔理沙「あるいはバーサークが「スキル使用不可になるけど攻撃力を超強化する」スキル、と考えることも出来るわけか。
   実際あの補正でスキルぶっ放されると瞬殺されかねないから、バランス取りなのかね」
諏訪子「かもねえ。
   破壊の一撃は道中のクマーと一緒だが、バーサークからこれやられたら普通に壊滅する。
   あと準備動作は「高確率」と書いたようにバインドボイスは連発したり単発で撃ってきたりもするらしい。次のターンに獣王乱舞の予備動作が入らなければそれは単発だったと思っていいな」
魔理沙「その獣王乱舞、タルシスの仕様が頭にあると「ダメージを与えまくれば妨害できる」って思ってるボウケンシャーも多いかも知れないけど、その辺は
諏訪子「経験者はそこでだまされるだろうな、実は今回妨害不可能だ。
   予備動作のターンでダメージを稼ぐか、バフデバフによって防御策を講じるか、腕封じで不発させるのに賭けるかはPT編成次第ってとこか。
   なおコイツ、腕封じの耐性は普通だから狙う価値は十分にある。ほとんどのスキルを封じられるから一気に優位に立てる」
魔理沙「っても、基本は力押しなんだし特に苦戦するような相手でもないんだろ?
   パーティバランス的にも」
諏訪子「まーな。
   モンスターレベルを考えれば、角鹿を倒せるなら最初のB3F階段そばで戦えるのは簡単に倒せる。
   奥で戦うとHPが単に倍になっている程度だし、弱点はないといっても耐性があるわけでもない、クエスト報酬でもアムリタがもらえるからじっくり戦ってもいい…が」
魔理沙「が?」
諏訪子「お察しの通り、コイツ実はこの樹海では前座に過ぎない。
   そもそも裂断者…タルシスでは通常FOEだった奴の代わりにまず出てくる、なおかつどの階層ボスにも必ずある条件レアドロップが設定されていない時点で感づいたボウケンシャーも多いんじゃないかと思うが…真の階層ボスは別にいるんだ。
   かごめ達は初回10で、再戦時は14まで上げて挑んでるが、まあ特に事故らしい事故もなく、そのことを加味して特に回復アイテムも使うことなく派手にフォースブレイクを切って一気に倒しているな」
魔理沙「へ?
   連戦あるって知ってて、ブレイク切るってどういうことなのぜ?
諏訪子「それはこっからの解説でも説明するよ。
   あ、先に言っておくけど獣王を倒すと、置物化していたクマー二匹も何時の間にか居なくなっちまうよ。
   ついでに獣王、一応迷宮ボスと同じ周期で復活はする。まあコイツと最初のビオランテもどきは条件ドロップ持ってねえし、復活したからなんだっていうのはないんだが。
   さらに獣王のドロップ素材はB3F階段付近で戦ったときにも落すし、なおのことありがたみはない…とはいえ、次の迷宮まで十分に通用する刀「八丁念仏団子刺し」の素材になる。固有スキルが獣王のバーサークも打ち消せる攻撃力ダウンデバフ付きスキルだから、ブシドーかショーグンがいるなら必ず買って装備させておきたいところだね」








仕掛けていた伏兵からの支援を受けずとも、流石に「獣王」と呼ばれるだけのことはあり、巨熊は咆哮しながら鉈のような大爪を振り回し、巨木の如き双腕を振るって激しく襲いかかってくる。
生半可な刃を通さぬ強靱な肉体ばかりではなく、それをさらに呪術的な咆哮を持って強化し、あるいは直接ではなく周囲の地面を砕き散らしての目眩ましといった搦め手を多用するその魔獣は、最早獣の領分を逸脱していると言えた。

先に、霊堂で鮮やかな連携をもって軽々撃破したように見える花獣であるが…かごめが花粉による奇襲を受けていたことも、決して彼女に油断があったわけではない。
彼女本来のチカラをもってすれば、多少の搦め手も物の数ではなかっただろう。
この獣王相手にしてもそうだ。


それはこの場に居る誰もが、多少の差異があれど認識していた。
「相手が強い」のではなく…「自分たちが弱い」のであることを。

しかし、それが「戦いを避ける理由」にはならないことも、また。


(久しく忘れていた気がする。
 私達はこうやって、過ごしてきたことも。
 何時の間にか「傍観者であること」が当たり前になってて)

アンナは詠唱を続けながら、述懐する。

(何時の間にか自分の今の立場にいることが当然になってた。
 悪い冗談だわ。
 私達が「後進に追い抜かれるだけの先達」などと!

莫大な凍気が、解き放たれる。

「ふざけんじゃないわよ!
あんた如き三下に…」

収束された、絶対零度に近い極低温の凍気が、白銀の光となって、掲げられた両の手の中で輝きを放つ…。

「舐められるような私じゃなああああああああああああああい!!」

渾身の氷の奥義魔法が、かごめ達の猛攻をかわして迫っていた巨熊へ炸裂する。
フロア全体の気温が一瞬のうちに氷点下になり、アンナを中心に木々が樹氷と変わる…そして、凍結した獣王の五体にヒビが奔り、アンナが踵を返すと同時に、血の一滴も流すことなく爆発四散した。


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「この腐れ三つ編み…本気であたし達ごと凍死させるつもりだったなにゃろめ…!」
「ふん。
私をこんなところに連れ出しておいて、散々な目に遭わせようとしてくれた代償として安すぎるわ」

ぷいとそっぽを向く三つ編みの魔法使いに、かごめは眉根を寄せて見せながらも、苦笑を隠せずにいる。
その成り行きを見守る他の三人も、あるいは肩を竦め、頭を振って呆れたような表情を浮かべ、そして…誰もがその気配に気づいた。


先の獣王とは比べものにならない、強大なプレッシャーを放つ何者かの接近。
五人が飛び退いたその中心に、凍った大地を揺るがす轟音とともに、それは姿を現した。


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筋骨隆々とした巨人の肉体に、牛頭を持つ魔物が、怒りに満ちた咆哮を上げる。
この森の一員たる同胞を倒された怒りと憎悪を、それを成した五人の女丈夫へぶつけるかのように。


「こいつは…」
「ちょっと待ってよ…あの熊、この森のボスじゃなかったっていうの…!?
こいつ、どう見てもさっきの熊よりヤバそうなんだけど…!!」

表情を引きつらせながら、葉菜はかごめを横目で見る。

「森王、ケルヌンノスか。
コイツはタルシスの魔物じゃないね…エトリア樹海「七王」の一角だ。
…そうか、ベルゼルケルとは別に感じた気配の正体はこいつだったのか

かごめは再度、刀を構えようとする。
しかし…ケルヌンノスは彼女たちが体勢を整えるよりもわずかに早く…豪腕を振り上げ猛然と襲いかかってきた。








魔理沙「はい!?( ゚д゚ )」
諏訪子「まあ見ての通りですよ魔理沙さん。
   お前はいつから、クマー野郎が迷宮のボスだと錯覚していた?(キリッ
魔理沙「いやいやいやいやそうじゃないそうじゃないだろ。
   いやマジで待ってくれ、ボスが連戦だってのはさっき聞いたけどなんでケルヌンノスなんだ」
諏訪子「そんなことは私の知ったことか。
   とりあえず今回はここまで、ケルヌンノスやこの時のかごめ達についての解説は次に回すことにするよ」

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