狐尾幻想樹海紀行EX その8

BGM:兎は舞い降りた()

いやまあせっかくなのでウサギトリオ使ってみたかったんですよ(*´ω`*)
えっうどんげ?あいつは良い奴だったよ

そんなこんなで第二階層の導入編ですが、今回は四方山話的な。
実は残ってるQRが第三階層の頃のものなので、二つ名が多分古いものですが気にしないでやってください。それになんとなくだけど「教授」のほうがしっくりくるので(個人的意見

あと余談ですがウサギのSCPというのも存在します。
フランス支部のクッソ有名なやつの他に、本家にも「幸せウサちゃん」というあまりにもそのまんまなやつがいます。もっともそいつはオスな挙句相当な老齢なんですけど。


君はこの先を読み進めてもいいし、不穏な気配を恐れて引き返しても構わない。











~鎮守ノ樹海~


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つぐみ「えーと…罠が仕掛けられてるのはこのあたりで良かったんだっけ」
美結「それにしても、このすぐ下の階にも結局使われずに終わった罠がそのまま放置されてたけど、この街の狩人ってその辺結構ズボラ過ぎやしないかしら。
  まして自分で仕掛けた罠の位置も忘れた、探り出すにも検知器がイカれてるとかひかえめに言ってなめとんか(*'v'*)という」
つぐみ「大先生はお黙りください(キリッ
   私もこういうのあんまり得意じゃないからねー…さて、検知器は」

【システムウインドウ】魔力反応が近くに一つあります

つぐみ「来たねー」
美結「来ましたねー。
  …んで、罠がみっつに対して回収用の符が5つ。これ増やせないのかしら」
明夜「こんなときは突撃あるのみです!
  うおおおおおおおお大和魂を見せてやr(かちっ」





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つぐみ(真っ黒焦げ)「…セクシーボンバーって奴かな
美結(真っ黒焦げのまま無言で明夜の頭をどつく)

かごめ「まさかそこ力業でどうにかするとか流石のあたしでも想像の範疇外だったわ(呆」



-狐尾幻想樹海紀行エクシーズ-
その8 山道とブラニーと



~シャノワール~

清蘭「……………あれっ、私達なんでこんなところにいるの?」
鈴瑚「まあ細かいことは気にしないでいいんじゃないかな清蘭君(ちくパmgmg
清蘭「いや、あのさ…あんたの図太さと図々しさは承知してたけど、なんなのあんた何食ってんのよ。
  っていうか何当たり前みたいに悠々とわけわからんオブジェクト摂取してるのよわけわからんわ!!><」
てゐ「なんだお前の相方うるさいな。
  いちいち細かいことは気にすんなよ、さらにはげるぞ(キリッ
清蘭「私ははげてない!!!( ゚д゚ )
  っていうかなんなのこれ!?何が起こってるのよ私にも解るように説明!!><」
鈴瑚「いやー私達の解説してた話が見事にえいえんに飲まれたので」
てゐ「ヒマそうにしてたので誘いました(キリッ
鈴瑚「実際クッソヒマなので受けました(キリッ
清蘭「ありがとうわかったけどよくわかんない(イラッ
てゐ「静葉のアホが最近フリーダムに過ぎるのも承知の上だったがとうとうレティが匙を投げてしまったんでな。
  ああ、ちなみに鈴仙は居てもカケラも役に立ちそうにないので、えーりん師匠にテキトーに仕事でっち上げて貰って追っ払った」
鈴瑚「SCP-3000の所に行ったらしいが無事に帰ってこれるんかねえ
清蘭「め、めちゃくちゃだわあんた達…」

てゐ「というわけでいつもニコニコ現金払い、シアワセは運んでも座布団は運ばない因幡てゐと」
鈴瑚「月からのグルメリポーター鈴瑚ですドーモ。ニンジャは別に【編集済】しません。
  というわけで今回から我々三羽(さんにん)でこちらの解説をば」
清蘭「私名乗って無いわよねえまあ別にクッソどうでも良いけど。
  で、結局何するの? あいつらの時みたいに適度に話し合わせれば良いの?」
鈴瑚「なんだ清蘭君ノリが悪いなあ。ちくパ食べる?
清蘭「いらんわ!><
  さっさと紹介に移りなさいよこのボンクラ共!!><」
てゐ「へいへい。
  というわけで、冒頭のはクエスト「狩人の矜恃」からね。
  自分が仕掛けた罠を回収し忘れた狩人が、間抜けにもその超危険な罠を何処に仕掛けたかわからないから回収してくれとかいう内容なんだけど」


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鈴瑚「要は敷設された地雷めいた魔法の罠を札に回収すれば良いんだけど、それを感知する機械もポンコツでアテにならないという。
  挙句罠は3つに対し、回収用の札が5枚ときたもんだ。
  機械は隣り合った四方向のマスのどこかに罠がある、と言うことしか解らないんだなこれが」
てゐ「ちなみに自ら罠を踏み抜いて無力化するというストロングスタイルもありだ。
  一発で全員が100ダメージ喰らうが」
清蘭「論外ねそれ」
てゐ「ちなみに狐野郎は最初紫達にこれをやらせたんだけど、あまりにもヌルゲー過ぎて何事もなく終わったんでこの子達で拾ったそうだ。
  実はPT魔力感知持ちが居れば、クエストでもらう検知器と違ってどの方向に罠があるか一発なんだけど」
鈴瑚「まあそういうことで検知器のガバ性能のおかげで符を一枚も使うことなく全て作動させて終わったと(真顔」
清蘭「何やってんだか…」
てゐ「所詮ルナリア抜きのPTだと脳筋戦法しかないからな。
  まあ、わざとなんだけど。どうせそうそうこのレベルだとADVでもhageねえし」
鈴瑚「他にもウサギモンスターをいぶり出してその巣をぶっ壊すクエストとかこっちでは触れてねえみたいだけど、こっちは普通に手順通り行って面白みも何もなくなったのでパスで」
てゐ「まあそんなこんなで次は第二階層になるな。
  ゴーレム? アドヴァンスでも爆発で1ケタしか喰らわないこのPTでどうやって苦戦しろと?(真顔
鈴瑚「レアドロも本来なら次の階層で素材が手に入る麻痺の香でなんやかんやしたものねえ。
  合体さえさせてしまえば乱れ突きが2ヒットした時点でゴーレムボディが沈む」
清蘭「レベルと装備の暴力ねここまでくると」








~奇岩ノ山道~


入り組んだ道の奥に意味ありげな朽ち木が折り重なっているのが見える。
遠目に見る限り有益なものには見えないようだが…


つぐみ「…さっきはなんか空からめいっぱいセミめいたなにかが押し寄せてきたけど」
美結「状況判断的にはそういうものが潜んでいてもおかしくない感じではあるよね、アレ。
  というかこんな木もないところになんでこんなにいっぱいセミが生息してるのかしら。
  SCP-831みたいに犠牲になったボウケンシャーあたりから発生してるの?
つぐみ「美結ちゃんその発想はちょっと引かざるを得ないよ(ジト目
   まあ危険なものではない感じだけど…」

明夜は興味ありげに朽ち木の樹皮をはがしたりしている…

明夜「おろ?(´ω`)
  みなさーん、この中に何か居るみたいですよー?」


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指さす先にはなにかがもぞもぞしているが、それはどうやらカブトムシめいた実体のようだ
黒真珠のようにつややかな甲殻、そして立派な一本ツノは実際只者ではない圧倒的アトモスフィアを放っている…!

つぐみ「カブトムシだねえ」
美結「カブトムシですねえ」
明夜「かぶとむし?(・ω・)」
美結「鞘翅目コガネムシ科カブトムシ属に属する昆虫ね。
  日本で「昆虫の王様」と言えばこれで、この幼虫が生成する抗菌性ペプチドの医療利用研究もされてるそうよ」
つぐみ「あーひさしぶりにどうでもいいトリビア出たねー(´・ω・`)
   けど、これは結構凄いね、森林地帯でもないのにこんなおっきなカブトムシが居るなんて」
明夜「これなんかの役に立ちますかねー?
  あんまりおいしそうには見えないけど
つぐみ「食べてどーすんの!><
美結「まあテッポウムシと言えば幼虫のほうなんだけど。
  流石にこれを天ぷらとかにするにはねえ」
つぐみ「美結ちゃんそういうのあまり抵抗ないんだね…まあ私もだけどさー。
   なんとなくだけどなんかこうやって意味ありげに出てきた、ってことはどこかで必要になる気はするなあ」


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つぐみはおもむろにハチミツを取り出してカブトムシの進路上に置くと、カブトムシがハチミツを目指して歩き出した瞬間にさっと後ろから掴んで袋に放り込んだ!
そして袋の口をさっと縛るとハチミツも回収する…なんと無駄のない一連のルーティーンであろうか!ワザマエ!

つぐみ「じゃあ行きましょうか」
明夜「なんすかこの早業(ぽかーん」
美結「まあ気にしてても仕方ないところね、私達も行きましょう」





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また別の道の先で、数人の衛兵がたむろしている
どうやら衛兵達は虫を戦わせる遊びに興じているようで…

衛兵B「うわーまたかよ!
   せっかく酒場の昆虫マニアに大枚はたいて買ってきたのにー!
衛兵A「残念だったなあw
   俺の樹海オオクワガタは無敵だぜ!
   さあ約束だ、その七本角カブトと酒をよこしな」
衛兵C「くそっ…流石レア度Sの樹海オオクワガタだ…。
   悔しいが全く勝てる気がしねえ」

明夜「なんでしょうアレ」
美結「…なんか今時では珍しい光景かも知れないわね。
  にしても、こんなところをうろついて遊んでるってことはそれなりの実力がある部隊だと思うんだけど…ちょっと牧歌的すぎない?」

その衛兵の一人が少女達に気づいたらしく、歩み寄ってきた

衛兵D「ようお嬢ちゃん達、どうやらあんた達も冒険者みてえだな。
   しかも3人で探索とは、なかなかに実力あるギルドのようだな」
つぐみ「あーえっとですねー」

つぐみは自分たちの素性を明かすと、衛兵達は驚いたように顔を見合わせる…

衛兵B「き…狐尾だと…!?
   知ってるぞ、今現在唯一この世界樹の頂を踏破し、まだ知られざるいくつもの領域の探索を任されてるあいつらだろ…?」
衛兵E「俺もギルド長から聞いたぜ、最近その若手組がアルカディアに来たって…この子達がそうなのか…」
衛兵C「…おい、ダメ元でちょっと聞いてみないか?
   それだけの強豪ギルドなら、もしかしたら」

自慢の虫と戯れている件の衛兵以外が、顔を見合わせて頷き合う

衛兵B「…一つ頼みがあるんだ。
   あそこにクワガタと戯れてるチョーシこいてるやつが居るだろ?」
衛兵C「正直俺たちのワザマエではドーにもできねえと来てるんだ。
   そろそろあのクッソムカつく鼻っ柱を誰かに叩きのめして欲しいんだが」
衛兵D「君らほどのギルドならどこかで強力な昆虫系の何かを収容してあのスットコドッコイに自分が井の中の蛙だと思い知らせてくれないかと」

衛兵A「おいなんださっきから好き勝手言ってくれてるなあ。
   ま、俺様の相棒樹海オオクワガタに勝てる昆虫がそうそう居るはず無いけどな(フンス」

つぐみ「なるほどわかった(キリッ
   じゃあそこの衛兵さん、あなたご自慢のクワガタちゃんとこの子と勝負させましょう」

つぐみはおもむろに袋の中から一匹の昆虫を取りだして示す…
その圧倒的存在感に衛兵達からどよめきが起こるっ…!

衛兵E「なっ…!
   それはあのカジミールとかいう実際クッソムカつく昆虫マニアが自慢げに見せつけていたっ…!?
衛兵B「ま、間違いねえレアの中のレアポケm…じゃなくてレア樹海昆虫エンペラーカブトッ…!!

衛兵A「エンペラーカブト…だとっ!?
   まさか伝説の昆虫を君達が……面白い!!
   君達!! 俺のこの樹海オオクワガタと是非とも勝負を!!
   俺の相棒もやる気だ、頼むっ!!」
つぐみ「望むところです!!
   いざ尋常に勝負っ!!m9( ゚д゚ )


明夜「あー…あ、あのう、これは一体何が始まろうとしてるんです?(しろめ」
美結「わからんものは語れませんわ!(しろめ」








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鈴瑚「昆虫マニアとの対決イベントだね。
  実際この衛士は10階、しかも事もあろうにヒポグリフまであと一歩と言うところの区間に居るんだけど」
てゐ「虫は3種類捕獲できて、唯一勝利できるのが8階にいるエンペラーカブトだね。
  9階のサボテンのところで入手できるハサミクワガタ、10階にある崩れそうな壁で手に入る七本ツノカブトだと負けた判定になり、なおかつ糸を分捕られる。
  回避は可能といえども糸を分捕るってあたりがどこぞのリス野郎を彷彿とさせるなこの【編集済】衛士」
鈴瑚「世界樹で糸といえばまあ連想されるのはリスだからねえ、致し方なし(真顔
  ここで勝利すると巻き上げることのできるマンダウだけど、カスティルのお嬢はこの時二層で入手できるほぼ最強の剣を持ってたからありがたみがねえ」
てゐ「ジョノだな。
  クリフゴートの条件ドロップから作れる剣で、固有スキルで混乱付与ができる強力な剣だったなそれ」
清蘭「いやいやいやナチュラルに大嘘吐いてるんじゃないわよ。
  マンダウのほうが攻撃力高いしそもそも二層最強剣はアンサラーでしょうに」
鈴瑚「二層攻略適正レベルで取得できる武器かね、アンサラーって?」
てゐ「適正域でヒポグリフを1ターンでどうやって沈めるのかという話ですな(プヒー
清蘭「解っててイヤミでいってんのよこの野郎!!><
鈴瑚「あー同志因幡、うちの青いのがわりと限界なので真面目な解説を(しれっ」
てゐ「アイ、アイ。
  …っても大真面目にそれだけのイベントだしな。
  カジミールはこの衛士と遭遇する頃から酒場のNPCとしてわき始める昆虫マニアで、こいつから必要な昆虫を買うこともできる。
  どの虫もゲットするのに飼育術が必要になるが、正直飼育術は二層以降は必要なくなる無駄スキル。かといってこんなくっだらねえミニイベントのために金払うのも…というジレンマだな、ここは。
  装備効果の優秀なジョノがあればわざわざマンダウを鍛えてもうま味はあまりないし、そもそも、無理してこいつから貰わなくてもマンダウはジョノよりはるかに簡単に作れる」
鈴瑚「通常採掘素材のカミソリ岩石と、適正ならば10階で初遭遇するハンマーコングのドロップ素材である巨大な腕骨があれば作れるしねえ。
  一方ジョノの素材だが、クリフゴートの脚封じ撃破で取得できる条件ドロップが必要になるんだっけか」
てゐ「せやで。
  同時期には縺れ糸が解禁されるし、セスタスのように積極的に封じが狙えるPTメンがいないならそっちを使う必要もある。
  三層に入ると地味にうれしいTP増加剣が速攻で解禁されるのもな」








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「いやー助かりましたー(*´ω`*)
力自慢の方がPTにいらっしゃると本当に助かりますよねぇ~」

見た目にもブラニー族と解る、ピンク色の髪を持つ小柄な少女が笑いかける。

彼女は「大切なお守りを落として、それが岩の下に滑り込んでしまった」と途方に暮れていたが、明夜は迷うことなく自分の背丈ほどもある大岩をこともなげに持ち上げると、そのまま崖下にでも放り込んでくると言い残してその場から走り去っていった。
あまりの事態に呆気にとられる美結とつぐみであったが、ふたりは見逃しては居なかった…実際、そのブラニー族の少女…否、わずかなその声のトーンの違いから年齢的には「女性」は、その大岩のあったあたりを探ろうとすらしていなかったことを。

何より、彼女の持つ得体の知れなさ、その正体をつぐみは知っていた。
正確に言えば、彼女が知るのと同質な…「裏稼業」に手を染めた者独特の気配が。

警戒…否、むしろ「威嚇」とも思えるその視線を。
見た目通りの年齢であろう目の前の少女達が放つ、異質なまでの殺気を感じ取りながら…プラムはそこに己の過去を垣間見たのか、寂しそうな笑みで目を細める。

「そんなに警戒なさらないでください…えっと、つぐみさんに美結さん。
確かに、私はあなた方を知っている。
正確にはつい先日、あなたたちのことを知り、こうやって意図的に近づいたのは確かです」
「目的は、なんですか」
「ただ、少しお話をしたかっただけですよ。
それに…この私を目の前にして、真に警戒をするのであれば…この距離こそが、そもそも危険だとは思いませんか?

つぐみと美結はその言葉に、雷に打たれたかのような戦慄を覚えるとともに…少なくとも目の前の彼女に敵意と呼べるものはないことを確信した。


プラムと名乗る彼女の姿は、見たままにこの世界における医術士、すなわち「香草使い(ハーバリスト)」のそれだ。
そして、この世界のハーバリストには治療術のスペシャリストである「薬草士」と…多くの伝説的な暗殺者を産んだ毒薬のエキスパート「毒殺者」がいる。
彼女が後者であれば、既にこの間合い…彼女の持つだろう「香草」の芳香がこれだけ感じ取れるこの距離が、致命的…!


「改めて、自己紹介しておきましょう。
私はギルド「グロリア」のプラム、「香草教授(ハーブ・プロフェッサー)」プラム=ナーキュレストと申します。
あなた方の言い方を借りれば、ある目的のためにこの世界へ足を踏み入れた「次元旅行者」といったところですかね。
その目的の一環として、「狐尾」の一員であるあなた方に出会うこと…それがまず、達成されました」
「目印付け(マーキング)ですか。
あなたも、ただ私の母に会いに来た…それだけの、理由ですか?」

険しい表情だが、何処か諦観混じりのトーンで問いかけるつぐみに、ええ、とプラムは微笑む。

「正確には、会いたいのは私ではなくて…私の、困った主様でしてね。
四方や本当に事を構えるなどということまでは考えていないと信じたいのですが。
…ああ、ご安心ください。今私が使っている「香煙(スモーク)」はいずれ誰にも感知不能になりますし、基本的には無害ですので」
「あなたを…除いてですか」

にこり、と、屈託のない笑みで首を傾げるプラム。
それとともに、大岩を処理してきたらしい明夜が駆け戻ってくるのを確認したのか、プラムは嘆息し、踵を返す。

「さて、かわいいお仲間さんも戻ってこられたようですし…私はお暇しましょう。
今しばらく、私達もこの世界には滞在することにはなるでしょうし、またお会いできるかも知れませんね。
ああ、お守りに関しては本当に困ってたので助かりました。それでは、ごきげんよう」

その礼とでもいうのか、一つの金インゴットを明夜の手に握らせると、プラムは悠然とその場を歩き去って行った。


「あ…えーと、もらっちゃっていいんでしょうか…?」

何が起こったのか理解できず、歩き去るプラムと、美結たちを交互に見回しおろおろする明夜。
やがて、盛大な溜息を吐いて、呆けたようにつぐみと美結は顔を見合わせる。

「参ったわほんと。
もしてゐさんが敵だったら、あんな感じだったのかな
「…敵意は本当に、なかったと思うよ。
もしあの人がその気だったら、私達本当にただじゃ済まなかったでしょうし。
紫さんならなんとかできるかなあ。なんか接触したらアウトとかそんなこと考えたくないんだけど」

ただ呆然と立ちすくす明夜を促し、一行もまたその場をあとにした。








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てゐ「実は何気にこいつ遭遇率高くてなあ」
鈴瑚「私らがあまり言えた義理のかも知れんけど、まーブラニーの外見年齢は本当に解らんな。
  タルタルよりはマシなのかもわからんが」
てゐ「あまりそういう例えを引き合いに出すとそのうちプラムがシャントットめいたアンノウンにされるからその辺に(キリッ
  まあ他のところでは、みょん吉がうちのかりちゅまの親玉になんやかんや無茶振りをしたというか自ら無茶振りを買って出たというか」
鈴瑚「あまりにもしょうもない理由でサソリをモズの早贄にしてなかったかなその御仁?(真顔」
てゐ「かごめのやるこった、いちいちあのスットコドッコイのやることに理由を考えてたらニューロンがもたねえ」
鈴瑚「さいで。
  ところで今のプラムというか、クリア後だと肩書きというかその辺確か違う気がしたんだけどそのあたりの整合性は
てゐ「うちのところに残ってたQRだとこれのままだった、いいね?
鈴瑚「アッハイ」


てゐ「さっきから青いやつがダンマリ決め込んでるところであるが、ここではとりあえずひとつクエストに触れて次回に引く感じにしておくかね。
  取り上げるのはクエスト「毒を以て毒を制す」だ」
鈴瑚「あーなんだっけ、サソリFOEを倒さずかつ気づかれないようにその毒を回収してこいってやつ?」
てゐ「せやで。
  クエスト受領とともにもらえる「無痛注射器」で、サソリの索敵範囲に入らないように隣接すればOKだよ。
  ちなみに毒さえ回収してしまえば、回収元のサソリは爆発四散させても問題ない
鈴瑚「実際適正域ではあんまり相手したくないFOEではあんだけどねえ。
  無駄に固いし、異常も毒がよく通る以外は然程効きがいいってわけでもねえし」
てゐ「例によってこれレベル1での撃破報告があってだなあ
鈴瑚「ゑっ。
  こいつ確か貫通攻撃持ってるからバンカーとプレディクトで誤魔化しきれない気がするんだけど」
てゐ「石化と三色祈祷とチェイン使って殴り倒してた」
鈴瑚「あー把握。
  動かなきゃどうとでもねーってか」
てゐ「石化ならレアドロップも取れるしね。
  勿論コヤツラはレベル50超えてる挙句装備品も最高のものだから、概ね明夜が乱れ突きを3ヒットさせれば一瞬で沈む
鈴瑚「デスヨネー」


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てゐ「あと軽く触れるけど、第二階層は兎に角狩りイベントが多い。
  解ってると思うけどこのあたりは完全にいぬのこが無双しまくってる。
  まあ、火力振ってナンボのセリアンで狩猟術に振らない選択肢はほぼ無いと思うが」
鈴瑚「地味に回復役居ないPTだからロースト肉の備蓄はいくらあっても困らんしなあ」
てゐ「というわけで、次回は最高にトンチキなことしますんで」
鈴瑚「わーなにするんだろうなーたのしみだなー(棒」








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目当てのサソリを発見した一行は頷き合うと、完全に気配を絶ってサソリの背後へと忍び寄る。
そして依頼人から渡された無痛注射器を取りだしてその尾に突き刺すと、体液は程なくして満タンになり、十分な量を確保できたそれを回収する。

つぐみ「さて、これでいいわけだけど」
美結「回収は生きたものから、だけど…回収さえしてしまえば別にこいつをどうこうしようが問題ない、わよね?(にっこり
つぐみ「えーそこでそういうこと言うー?(呆」
美結「レアドロも稼いでおきたいしさくっとやっちゃいましょう(石化の香どーん」


~少女戦闘中~


明夜「というわけで勢いでやっつけちゃいましたけど、どうしましょうかこれ?」
美結「随分以前にかごめさんがこれをその辺の岩でモズの早贄めいた何かを作ってたらしいけど」
つぐみ「何処のセフィロスかしらそれ。
   にしても、めーやちゃんも気配消すの巧くなったね。この階層に入ってすぐはウズラにも逃げられてたのに」
美結「まあ獣肉は料理の材料にならないから食材を逼迫するだけなんだけど」
明夜「ううっなんかフォローになってるのかいないのか(´ω`)
  でも何故でしょうか、なんだかやってるうちに元々からそのぐらいのことは容易く出来ていたようなそんな気がするんです。
  おかしいですよね、私、一度も狩りをした記憶が無いのに

つぐみと美結はお互いの目を合わせた一瞬…わずかに険しい表情をする。


ふたりは、現在の明夜が持つ記憶がかごめによって「作られた」と言うことを知っている。
そもそも、明夜の持つ人格の元があの「実験動物(狐化かし)」であるというなら、おそらく「獲物を狩って捕食する」ということとは無縁だったはずだろう。
ほんの数度の試行で着実に精度を高めているその狩猟術の大元は、その「魔獣の肉体」が本能的に有していただろう圧倒的捕食者としての能力に起因するものであることは間違いない。

実際に、この階層に入ってから明夜の戦闘能力は飛躍的に向上している。
目の前で無残な姿にされている大サソリも、道中の山道を爆走していた肉食の大麒麟もほとんど彼女一人で、しかもロクに手数を必要とせず倒してのけている。
つぐみと美結は必要以上に手を出すことなく、冷静にその様子を「観察」していたが…そこに明夜自身の意思がいかほど介在していたのか不明瞭なところがある。


(戦わせ方を変えなきゃいけないかも知れない)

つぐみは美結の手を取ると、何時の間にかかごめや藍から学び取った「波導」の力で、美結の精神に直接話しかける。

(このまま下手な戦わせ方をしたら、めーやちゃん自身が吹っ飛ばされちゃうかも。
 まだ魔物が私達の手に負えるならいい、けど)
(…だったらむしろ、逆に荒療治に出るのもひとつの手段かも知れないよ。
 つぐみちゃんも図鑑、見たでしょ?
 この階層には…その「真の主」と言うべき強大な魔獣が居る

つぐみは思っても見ない言葉にぎょっとして美結のほうを見やる。
その少女もまた…それには似つかわしくない、それでいて見慣れた…獰猛な笑みを浮かべる。

(私自身も試したみたい事がある。
 「ひいろちゃん」は今は大人しくしてるけど…ぼちぼちこの子にも、どちらが「本当の主人」か解らせてやる必要があるからね。
 この世界の時間軸で、めうちゃんたちが「アレ」を倒してからそろそろ半月)
(美結ちゃん何を…!?)


そのやりとりを途切れさせたのは、遠くから響く轟音のような咆哮。

一拍置いて微かに、地響きのような、規則的に響く音を三人は耳にした。
そして、微かに感じ取れる圧迫感。
強力な魔物が放つ…先の小柄な「熟練冒険者」のそれとは別種のプレッシャーが伝わってくる。


「見に行って、みる?」

わずかに口元を引きつらせながらも、どこかで見たような勝ち気な笑みを浮かべて美結が問う。
つぐみは一瞬目を丸くするが、仕方が無い、と言わんばかりに溜息を吐いて頷く。

「見に行くって、なにを」
「決まってるじゃない。
この先にどんな怪物が現れたか、だよ。
…行った先におかーさんが暴れてる現場だった、っていうのもそれはそれで笑えない話だけど」

恐る恐る問いかける明夜に振り返ることなく、皮肉たっぷりの一言をつぐみが返し…そして、ゆっくりと歩を進めるふたりに、やや躊躇しながらも明夜が続く。


向かう先は、山道の大広間。
アルカディアの古い戦史に名を残す恐怖の「魔獣兵器」が闊歩する、その場所。

この記事へのコメント

影林檎
2018年05月18日 19:16
うどんだけお残しする偏食家が居ると聞いて来ました!!
くそっアライさんが何をしたってんだ!!1!(関係ない
新参ホイホイ(この呼び方も最早化石レベル)の明日はどっちだ


プラム博士の二つ名に関しては、そもそも段階的に正体を明かす必要性があったので、QRコードのデータ上こうなるのも仕方ない…と思いきや
プラムのキャラロール的にはこの自己紹介は割と間違ってないどころか(見た目に反して割とやべーやつ感漂わせる要素も含めて)100点満点と言える対応だと思いました。
いやうん初対面の相手に本来の役職に由来する『香草宰相です』なんて相手側の警戒不可避な紹介するようなキャラではないですしね…

あと私信になりますが、ひょっとしたらこちらのエピローグ地味た話の中で、裏でギルカイベントで遭遇した縁がありつつも割り振る役割がなさげで出番がなく終わりそうだったマミゾウさんが、プロット再設計の際に急遽誕生したとある役割を引っさげて登場するかもしれません(何だと
海月@管理人
2018年05月18日 20:11
(しまった狸の存在すっかり忘れていたぜ…!)(

うどん切りは単純な話で「鈴瑚の相方は清蘭」「清蘭とうどんで振り回され役が被る」と言うだけの話です。決してmaimaiやぼるるの狂気の優曇華院の譜面がムカついたからとかそういうことでは(震え声
清蘭がわりと投げっぱなし的な感じなのでそのうち青いのが逃げて、インド洋の大ウツボのところから命からがら逃げてきた鈴仙がイケニエになる可能性も(

あとプラムは設定的に結構こういう方面で扱いやすいということはあったんです。
第三階層までで相当回数遭遇してるのは事実です(

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