狐尾幻想樹海紀行EX その5

ジェネッタという現象(未収容SCP

ドリちゃんについてはその見た目とか色々あるるんと比較されたりするんですが、世界樹ボスにありがちな「未対策だとアホみたいに苦戦する(ぶっちゃけ攻略不能)、対策して決めてかかるとクソザコナメクジ」という典型例ではないかと思うんですよ。共闘NPCのスキルで大体の傾向が見えてくることもありますが、ジェネッタが露骨に威嚇の咆哮伸ばしているということで「ああ…」と察してしまうのが熟練ボウケンシャーで、その上で変態行為(猥雑はない、いいね?)に走るのが訓練されすぎたボウケンシャーといったところで。
流石に俺はへんたいではないのでドリちゃんに本気出させるようなドマゾプレイは出来ません

りんちゃんはかごめ者達に対してはちょっと敵意を持ってる感じです。
別にまりりが取られそうだからとかそう言うんじゃないと思うんですよ多分。その理由もそれなりにじわじわ明らかになる予定です。どうでもいい?あっそう!(鍵山風


君はこの先を進んでもいいし、あのねされるどころか罪袋にあのねされてる未来を恐れて引き返してもいい()
つかメガネリグルとか今思ったらほとんど伊東ライh【この先はミーム的汚染を引き起こすため編集済】














♪BGM 「戦乱 荒れ狂う波浪の果て」(SQ5)♪


必然と言うべきか…最初にそのことに気づいたのは紫だった。

凜が振るう瘴気の刃は、その性質を微妙に変化させることで様々な異常効果を発生させる。
これまで樹海で散々目にしてきた、リーパーの戦闘術に由来するものだ。
期待される異常効果を抜きにしても、単に威力を底上げするのにも必須の技術であり…恐らくはそれ以前から戦い慣れていると思われるその少女も、そうした合理的思考から「異常鎌」を攻撃に用い続けているのだろう。


(おかしい…)

先に凜が刻み込んだ攻撃の追加効果は、神経系にショックを与え麻痺状態を引き起こさせるもの。
その一撃を受けた瞬間から、目の前のドリアードの動きが明らかに鈍っているのだ。
こちらの攻撃がその魔物の想定以上だったことから、つぼみの如き状態に変貌し、その凄まじい魔力を全解放してきたはずなのが…紗苗の放つ「黒爪」で腕の健に当たるだろう触手の維管束を切断され、その再生までの時間ではあったが攻撃を完全に封じられている…。

二度目の形態変化に入ろうとした瞬間…おそらく本人としては一か八かの賭けだろうが…凜は舌打ちし、瘴気に覇気を上乗せした一撃を繰り出し、その精神を混濁させにかかる。
ところが、その「禍乱の鎌」を受けた直後、ドリアードは甲高い金切り声を上げ、構えを解きでたらめな攻撃を繰り出し始めたではないか!

正気を失い無秩序かつ低レベルの無差別攻撃を振りかざすドリアードの攻撃をいなし、紫の傍らに降り立った紗苗も困惑を隠せずにいる。

「えっ…どういうことなの、これ?
さっきの「痺止」もだけど…コイツ異常耐性ガバガバなんじゃないの!?」
「…多分、間違いないわ。
こいつは強大な魔力に相応した攻撃力を持っている…けれども、それがあまりに穢れを知らない純粋な自然の気によるものなのか、悪意じみた呪いの技に対する抵抗性を全く持ち合わせていない…!

紫は受け答えを続けつつも、その手に魔力を高め、魔力で編まれた呪いの縺れ糸を展開し始める。
一瞬、呆けた顔をした紗苗であったが…すぐに、その表情を獰猛な笑みに変える。

「こういうHNM(ハイノートリアスモンスター)には基本、その系統の搦め手は全く効かないものだって思ってたんだけどね…!」
「ハイ・ラガードの六花氷樹海、そこに封印されていた神話生物をプリズムリバーの連中が異常漬けにして、なにもさせずしばき倒した例もあったわ。
「迷宮の主とも言える強大な魔物に異常効果が通らないという思い込み(じょうしき)」こそ、きっとこの「世界樹の迷宮」においては、「真っ先に捨てるべき固定観念(じょうしき)」よ!!

その視線を受けた橙が、紫の目論見を受けて頷き、跳ぶと同時に…解き放たれた糸の一端を掴んでドリアードの頭上を越える。

「おおおおりゃああ!!」

気合一閃、橙の手繰る糸が紫の引くのに合わせ、ドリアードの首元から上を雁字搦めに縛り上げる。
狂乱の金切り声すら上げられなくなったその無防備な肉体目がけ、静かに精神を集中させていた…霜が舞うほどの冷気を纏った凜が跳ぶ。

「氷刹…夜行ッ!!」

一閃。
深く刻み込まれた傷跡に、刻まれた禍乱の瘴気に反応した霜の刃が巨大な氷柱の軌跡を描いてさらに大きな傷をドリアードに刻む!

死へ誘う死神(リーパー)の一派に、その奥義のひとつとして伝承される大技「冷灰の大鎌」。
凜の放った一撃はそれに類するものだ。

そこへさらに、紗苗は恐るべき悪意の斬撃を刻み込みにかかる。
彼女はこの樹海に入ってより、回避主体のカウンター戦法に特化していたが…容易に行動を封じることが出来ると解った以上、守りを考えの埒外へ置くこととした。
彼女は着地と同時に納刀し、必殺の一撃へ繋ぐため気を高める。

そして、この戦況を読んだのか、はたまたただの偶然か。
ジェネッタはその剛弓の一矢を、ドリアードの動きを止めるべくその根元へ向けて解き放つ。
根元の組織をごっそりと吹き飛ばされ、その体勢が崩れたところへ猛然と、白銀の矢となった紗苗が咆哮と共に駆け抜け、さらに体勢を崩させた先には…紫電を放つほど高密度の気を左拳に集中させる橙が、構える…!

「これで、終いですっ…!
…式鬼“閃華裂光拳”…ッ

崩れ落ちるドリアードの巨体に合わせ、閃光を纏う拳が中心核を目がけて繰り出される…!!
胸に当たる部分に閃光の拳が深々と突き刺さり、その両拳がドリアードの中心核を挟み込み。


「神楽、遷宮ッ!!!」


破砕された。
そして、断末魔の絶叫の如く…綠の閃光と爆風が、あたりを包み込んでいく。



-狐尾幻想樹海紀行エクシーズ-
その5 「ベストフレンド」



てゐ「はいな、ここからいろいろな解説編ですな」
諏訪子「なんか色々トンチキ展開が展開されてる気配だが大丈夫なのかこれ」
てゐ「そもそも一番最初ロケハン的に狩ったPTがこれとは全然違うからね。
  小町はいたし、華扇もいたし、リグルも毒殺じゃなくて慈悲のほうだから」
諏訪子「どういうこってばよ(しろめ」
てゐ「今回は攻略直前のデータ残して色々試行錯誤しながら、どんな話なら書きやすいかメンバーも色々とあとからいじれる風にしてあるし」
諏訪子「まあ経験値云々は例のDLCで」
てゐ「ところがもうあるPT構成をするとそれが必要なくなるんだよなあ六層入ると。
  それにはサナと紫が必須、そして後にはかごめも魂寄せマスターさせられて経験値稼ぎ専門チームが作られたわけで」
諏訪子「(´・ω・`)??
   なんだ、無限沸きするFOEでもいるのか今作」
てゐ「厳密にはちょっと違うんだけど…次回はクエスト集&六層導入編だからそっちに回すかな。
  ドリアードのクエストの条件に27F到達も入ってるというのもとりあえず忘れといてくれと」
諏訪子「SSQ2というかSQ2みたいに突入条件があるわけでもあるまいに何があるのかね」
てゐ「つかエンディングのネタばらしみたいな話で?」
諏訪子「今更するかその話?」
てゐ「そこに言及するのもキリないし、解説さっさと始めるよ。まずはドリアードのデータだ」


画像


クエスト「ジェネッタ、友達をつくるの巻」ボス ドリアード
Lv72 HP42234 炎弱点/即死無効・石化、呪い、眠り、麻痺、全箇所の封じにクッソ弱い
八つ当たり(脚) ランダム近接8回壊属性極大ダメージ、命中率が非常に低い
ブルウィップ(腕) 全体近接斬攻撃、麻痺を付与
ダブルフレイム(頭) 2回発動する拡散炎属性攻撃
トライアイシクル(頭) 3回発動する貫通氷属性攻撃
サンダーボルト(頭) 全体に3~6回遠隔雷属性攻撃、スタンを付与
大地の癒やし(頭) 全ての攻撃力と防御力と命中率をUPさせ、HP最大値の半分程度回復。準備動作あり(ドリアードは姿を変えた!と表示され姿が変わった次のターン)。


諏訪子「…え…なにこれ(しろめ」
てゐ「さーどっからツッコむケロ様(にやにや」
諏訪子「いやいやいやツッコミどころしかねえだろなんだこれ。
   なんだこのガバ耐性と意味わからんスキル群
てゐ「大体初見はそう思うわな。
  八つ当たりはあれだ、概ねスキュレーのクライソウルの壊版と思ってもらえればいいよ。
  他のスキルも基本的な破壊力がでかい。一発もらうと大体立て直し効かない火力で」
諏訪子「それに何だ大地の癒やしって。クラーケンのリストレイントにバフついてくるって? なんだそりゃ」
てゐ「コイツの行動パターンはある程度だけ決まってて、戦闘開始直後にまず八つ当たりを使う。
  そのターン終了時にフォームチェンジして、大地の癒やし。
  その後は6n+2ターンごとに大地の癒やしを使うよ。ちょっと変則的な固定ターン使用だね」
諏訪子「うーむ…アルルーナとは逆で、6ターンおきでこっちのジャマじゃなくて自分の強化をやってくると。
   …ん? 待てコイツ…まさかマスタードラゴンの近縁種みたいな奴か? あいつみたいに特定スキルじゃなくて、自由を許したら壊滅させられるって感じの
てゐ「うん、ほぼ正解。
  もっというと「いかに大地の癒やしを使わせないか」がコイツの攻略を左右すると言っていいね。
  ついでに他の行動も潰して徹底的になにもさせるなってとこかな」
諏訪子「だろうな。
   あらゆる縛りが入るのにどの行動にも依存部位あるし、実質的に動きの止まる異常に対して耐性がザル過ぎる。
   HP量は多いが、動きさえ止めちまえばいくらでも火力を補強する時間もあるし」
てゐ「異常付与スキルの付与率はわりとひかえめだけど、今回は特にアースランが投げたときの異常香の成功率がかなり高めに設定されてる。
  あと体感的な問題かも知れないけど、どうも魔力付与を取ってても異常香の成功率高い気もする。
  耐性がザルの上にしかもこいつ、復帰後にすぐ同じ異常にかかるぐらい耐性上昇も緩いのか、あるいは耐性累積のリセットが早いのか…しかも、持続もかなり長いと来てる。
  酷いときには初手で入れた混乱が6ターンぐらい持続して、解除された直後に混乱の香を投げたらそこでまた混乱して3ターンぐらい行動不能、なんてパターンもあった。
  封じも同様で」
諏訪子「マスタードラゴンや冥竜もびっくりのガバっぷりだな。
   つまり、状態異常を駆使できるPTなら」
てゐ「50台でも十分攻略可能、下手すりゃもっと低くてもいいとは言われるな。
  ある程度レベル低くても大物殺しだの黄泉返しだの三途渡しだの、瞬間風速的に高火力たたき出す手段には事欠かないからね」
諏訪子「実質殴ってこねえならやりたい放題だもんな。
   で、搦め手無しなら」
てゐ「ベーシックですら99引退99PTでも余裕で瞬殺させられんだそうな。
  というか大地の癒やしの発動経由の八つ当たりやサンダーボルト許したらhage直行ルート」
諏訪子「デスヨネー(´・ω・`)
   ああ、初回に小町と華扇いたなら楽勝だろうな、小町は異常撒きし放題で華扇は頭縛れるし」
てゐ「実際本当にあっさりだったしね。
  一応こっちもそのときに近いといえば近いんだけど…まあ、見てみるかね」


画像


紗苗 アースラン/幻影フェンサー
大地の恩寵★ 樹海探索術★ 樹海採集術★ 整頓術★ 体術★ 重装マスタリー★ 走力鍛錬★ グルメ★
プレディクト★ ウィンドカーテン★ ビジョンスラスト3 シャープスラスト5 リベンジスラスト1
突剣マスタリー★ シルフィード★ レイオブライト★ カウンターブースト★ アボイドアクセラ★ 先制カーテン1


画像


凜 アースラン/死振リーパー
大地の恩寵★ 樹海探索術★ 整頓術★ 重装マスタリー★ 体術★ セービングパワー★ 黒霧★ 走力鍛錬★ 肉体強化★ グルメ★ 大地の寵愛★
瘴気の兵装★ 痺止の鎌3 呪禁の鎌3 禍乱の鎌★ 冷灰の大鎌★ 繊弱の瘴気3 虚弱の瘴気1 魂寄せ1
 先制兵装★ 死の審判3 抑制攻撃ブースト★ 黒き刃5 TPブースト1


画像


橙 セリアン/衝撃セスタス
採掘★ 狩猟術★ 大振り★ 軽業★ 力業★ 警戒★ 樹海探索術★ 心眼★ 戦塵の寵愛★ 重装マスタリー★ 整頓術★
雷神拳★ 粉骨砕身★ 大物殺し★ 魂砕き1
拳甲マスタリー★ 血の暴走★ 物理攻撃ブースト★ 不屈★


画像


紫 ルナリア/破霊ネクロマンサー
月の恩寵★ 伐採★ 魔力感知★ ナイトビジョン★ グルメ★ 魔力付与★ セービングパワー★ 月の寵愛★ チェーンブラスト★
死霊召喚2 死霊の呻き2 魂の糧5 無慈悲な盾★ 毒爆弾5 炎爆弾5 生の代償1 等価交換★ 地獄門★
ゾンビパウダー★ 負の力5
TPブースト1


画像


リグル ブラニー/毒殺ハーバリスト
風の恩寵★ 採取★ 飼育術★ 守備の号令★ 電光石火★ セービングパワー★ 薬草学★ 軽業★ 無我の結界★ 整頓術★ 
走力鍛錬★ ヒギエイアの杯★ イージスの盾★ 風の恩寵★ 値切り★ グルメ★
キュアハーブ5 ラインハーブ1 リフレッシュハーブ★ リザレクトハーブ1 ポイズンスモーク2 ダークスモーク2
スモークロット5 マズルスモーク★ パラライスモーク3 スモークスパーク3 スモークソリッド9
スモークブースト★ 抑制攻撃ブースト★ 抗体3


諏訪子「ぱっと見あれだな、何処をどう見ても橙は全身全霊でぶん殴る以外の仕事しないってのはすぐ解るな」
てゐ「細かいツッコミどころは多いんだが、実はロケハン的な討伐よりこれのほうがはるかに楽だった。
  具体的にいうと橙のバ火力がエグすぎてな」
諏訪子「なにしたいのかが一発で解るからな。
   相手が動かない以上、限界までHP削っててもまるで問題ないと。
   雷神拳と粉骨砕身だけでHPは初手で1に出来るから、常に最高火力の大物殺しが発動すると」
てゐ「粉骨不屈乗って最高威力で7500出るからな、コイツの大物殺し。
  りんりん先生の冷灰の3倍程度ダメージが出る」
諏訪子「仮に天地破天や煉獄殺絡んだら顔を覆うレベルだな。
   しかし紫のゾンビパウダーが仕事する気配のないことないこと」
てゐ「どんなガバ耐性でもボスはSSQ以降確実に即死耐性持ってるからしゃあないといえばしゃあないんだけど。
  まあでも、生贄地獄門でも1000前後ダメージ出るからそれなりにいいダメージソースではあるけどね。
  これを繰り返して負の力を撃ってもよしと」
諏訪子「それだったら、どうせ使わないんだし生の代償とか切ってその分負の力か魔法攻撃ブーストに回せっていう」
てゐ「まあそれもな。
  あとリグルについては先制スモークがあまりにジャマだから切った。というかあれ戦略もクソもない運ゲー強いられるからぶっちゃけいらん
諏訪子「そんなもんかな。
   スモークソリッドの成功率はどうよ?」
てゐ「案外悪くないよ。
  別のロケハンで大体3回に1回は決まる感じだったかな、ドリアードのガバ耐性も理由ではあるけど。
  で、言われる前に言っておくけどサナは基本バインドクローしかしてない。以上」
諏訪子「プレディクトで八つ当たり引きつけて高火力のリベンジスラスト狙うとかは?
   3回目以降はイージスで弾けば」
てゐ「やってもやらなくても一緒かなっていう。
  というより、いてもいなくても変わらねえの実はサナだったのがな。
  こいつはこいつで型とPT次第だとワンキル可能なポテンシャルあるんだが、持たざる者★発動下前提でドラグーンの竜の咆哮必須だけど」
諏訪子「誘い込みですねわかります(キリッ
   まあ今回は基本異常漬けにしたんだったら、純粋に威力高いバインドクローでの削りと、何気に危険牌の多い腕を封じるくらいなんだろうな、コイツの役割」
てゐ「そういうことかな。
  ちなみにジェネッタ、こいつはレベル60の犬狼で、武器防具もわりといいの装備しててハンターショットや足甲貫き、威嚇の咆哮に大きくSP割いてるからわりと役に立つ…んだが、レベルがレベルだけにわりとドリアードの先行を許すから、こいつに混乱撒き一任するのは不安しかないな。
  アースランと抑制ブースト持ち大人数連れ込んで先行で香を投げたり、マズルと抑制とスモークブースト全振りした毒殺ハバ連れ込むのが正解だね」
諏訪子「そういえばアースランは特筆能力ねえかと思ったら、実は香や縺れ糸の成功率が他の種族より高いらしいな。
   単純にLUCが高いからとかそう言うんじゃないのか」
てゐ「実は私もそうじゃねえかなって気はするんだけどね。
  ああ、最後にどうでもいい話だけど、ドリアードのレアドロは毒ダメージ撃破。
  ガバ耐性だからアホみたいに入るけど、基本的に動きの止まらない異常で長時間放置はこいつに対してうま味は少ないというか、普通にhage直行ルートだよ。
  やるなら最低でも頭縛り入れて、出来れば全縛りから狙っていきたいところだな」








かごめがそこへ駆けつけたとき、既に事は済んだあとだった。

橙の腕がその胴体から引き抜かれ、残心の構えをとるその目の前で…全ての生命力を散逸させた禍々しき樹竜の姿は、本体と思しき少女型実体が力無く萎れ崩れ落ちると共に急激に腐敗し始め、物言わぬ枯れた植物塊と化した。
戦いを終えたことを確信した橙が構えを解き、凜も揺籃鎌をその背に担ぐと、再び影の中にその身を隠した。

血のような樹液を振るい落とし、納刀する紗苗の視線の先、ジェネッタは俯いたまま動こうとしなかった。
「遅かったじゃない」と、トゲのある物言いに悪びれもなくかごめは彼女へ、レムスから託された件の書を手渡す。

「古代の伝承に残る強大な魔物なんだってさ。
けど、あまりに森の奥深く、あらゆる穢れから隔絶された場所に潜み続けたために、呪いの類に極めて弱いんだと。
結界を張ったルナリアの連中も、眠らせてからこの区画に閉じ込めたそうだよ、アレ」
「ドリアード…ねえ。
私たちの尺度なら下級妖精の一種だけど、この世界では特別な魔物ということかしらね。
まあ、私たちのとこでも葉菜っていう大例外はいるけど」

その内容を吟味しながら、しみじみ呟くかごめと紫。


その会話を聞いているのかいないのか…いや、聞いてはいないだろうジェネッタは、ゆっくりとドリアードの亡骸へ近づいて、しゃがみ込む。

「さよなら…ウチのはじめてのともだち…」

その表情は解らないが、涙声だった。
さしもの紗苗も空気を読みかね、ストレートに状況判断した結果をその背に叩き付けた。

「あのねえ…どう見てもあれ、トモダチになれるような代物じゃないでしょうが。
それに一体全体、いつ何処でどうやって友達になったって証拠なのよ」

ジェネッタは反論するでもなく、首をふるふる振って返す。

「本で読んだんです…「ともだち」は拳を交わして語り合うものだって。
ドリちゃん…あなたの気持ち全部、ウチに伝わったよ…!!
「いやそれどう見ても北斗とかそっち系統の話だろ」
「くすん…皆さんにお願いしたお仕事はここまでみたいです。
ウチは先に帰ります。
いいのです、みなまでいわなくても…これがうちの青春だったんです…」

ジェネッタは立ち上がって懐の糸玉を発動させる。
ツッコむ間もあればというか、あまりのばかばかしさに最早ツッコむ気すら失せたかごめと紫が溜息を吐く。

そして、その姿を見送りながら、そのふたりとは違うニュアンスの溜息を吐く紗苗。


誰言うとなく、その場を立ち去ろうとした次の瞬間。
紗苗は周囲に凄まじいエネルギーが渦巻いていることに気がついた。

彼女は立ち止まり、無意識に手を天に翳す。
そのことに気づいたかごめ達が振り返ると、渦巻く深緑のエネルギーが紗苗の翳した手に収束していく…そして紗苗だけでなく、橙もリグルも、そして影の中にいる凜も、体の奥底から溢れんばかりのエネルギーがわき上がってくるのを感じていた。

「これは…!」

抱える手の中には、眩く光る浅緑の宝珠。
見守るその掌に、緑の光を放ちながら吸い込まれていく…。

かごめは納得したように頷く。

「そうか、この書物では「樹竜」って書いてあったよな。
樹海迷宮に潜む「三竜」、この世界のドリアードはきっとその類縁か」
「あるいは、「原種」と言うべき存在なのかも知れないわ。
他にもやはり、このレベルの魔物…「三竜原種」がいるのかも知れない

紫の言葉に頷き、かごめは天を仰ぐ。


「原初の世界樹、か。
きっとその先にも、進むべき「迷宮」が存在してるってことだろうな。
…やれやれ…まだまだこの地でやるべき事は…やれそうなことは色々ありそうだね」









画像


てゐ「つーわけで今回の解説はここまで。
  どう考えても思考が古き良き時代のジャンプコミックスだな…本当にジェネッタってなんだろうな」
諏訪子「考えるな、感じろ(キリッ
   今作のシリアス度ダウンに大きく貢献してることだけは間違いないんだろうな。
   そしてまあ、ドリアードを撃破することでレベルキャップも開放されるワケなんだが」
てゐ「先の茶番でかごめに「樹竜」と呼ばせたのも、まあアルカディアの三竜はこいつらだっていう強調ってことで。
  実際は評議会ノータッチだから、これ」
諏訪子「まあ解ってたんだが。
   で、次は何の話になるんだ?」
てゐ「それ説明必要かねケロ様。
  クエスト集って言っただろ、つまりムイシキのターンに決まってるじゃん
諏訪子「ああ知ってたさどうせこいしだろうなって!!!><」
てゐ「五層で拾わずに終わったイベントや小ネタも出来るだけ回収していく予定だし、まあ、基本はこいしがリリカとぬえちゃん巻き込んでバカやる話になるかね。
  その前にアルコンと六層の話をするけど」
諏訪子「六層の話もぼちぼち必要になるからそこは仕方ないが…えっ、まさかこいし話しばらく続くの(しろめ」
てゐ「なるべく2、3本で収めたいところだがなあ(しろめ
  てなわけで、今回ここまでだけどー…どうする、次から解説さとりにでも押しつける?」
諏訪子「…そうするかー?
   あいつを引きずり出すんだったら、心読まれる前に一気だからな? 準備整ったら行くぞ」
てゐ「あいよー」








~魔女の黄昏亭~


画像


「どうやら、依頼は巧くいったみたいね。
ジェネッタが言っていたわ、友達作りは巧くいったって」

意味深なメリーナの言葉に、かごめは思わず眉根を顰めて聞き返す。

「んあ?
んなわきゃねえだろ女将、その「友達候補のバケモノ」はさな姉達が八つ裂きにしちまったんだし」
「ううん、違うわよ」

メリーナからグラスを受け取りながら、紗苗は嘆息しつつその言葉を否定する。
かごめは「わけがわからない」という表情のまま、首を傾げてメリーナからグラスを受け取る。

「本当に迷惑だわ、あのバカ娘は。
挙句にちょっと目を離した隙に、まーたハニートースト完食しやがるわで。
…あたしを本当に「ともだち」と思ってくれてるなら、その「ともだち」の分まで完食してのけるとか本当に…正直何度しばき倒してやっても飽き足らない大馬鹿よ

かごめとメリーナは顔を見合わせ…そして紗苗は、憤然と…何処かうれしそうにも見える表情のままグラスを口にする。

「いわく「今日はかけがえのない友人と、樹海でどったんばったんおおさわぎで、まるで盆と正月が一緒に来たようでした!」ですって。
珍しくあの子にしては、意味の通る例えだったわね。
よっぽど嬉しかったんでしょうねえ」
「面倒な奴に好かれちまったもんだよ、本当に。
けどま、考えてみりゃあたしの周りあんなんばっかだよな。あたし達を暇潰しのオモチャにしか思ってないような創造神だの、ひとを酒の供給源か何かとしか思ってねえような小鬼に外道巫女、タダ酒を何ガロンも飲みやがる河童にスク水フェチの変態天狗に胃袋だけは死ぬ気配が絶無の食いしん亡霊にたくましい親馬鹿魔界神…ああ、ろくでもねえ奴ばっかりだ、うんざりしてくるな」
「勘弁して貰いたいものよね、あなた達の友達には私の友達だって多いのよ?
それに諏訪子達が泣くわよ除外したりしたら」

何時の間にかその隣に紫も腰掛けて、困ったように笑う。



その光景を相変わらず影の中から、凜は離れた位置から眺めていた。


凜はまだ、彼女らのことを完全に信用しきったわけではなかった。
変わり始めた自分の世界…一人の少女が変えてくれた、その優しい色彩の世界にずかずかと踏み込んできた彼女らが、あの数ヶ月前の最悪な事件を引き起こしたのではないかと。

彼女は知っている。
強すぎる力は引力となり、望む望まぬに関わらず様々な事象(もの)を引き寄せる。
自分の生まれ持った「影猫」がまり花や「日向美ビタースイーツ♪」の仲間達との出逢いをもたらしたのがその引力の働いた結果なのだとしたら…かごめ達がもたらしたのは、数ヶ月前の凄惨な、地獄のような出来事だったのだと、彼女はそう考えていた。


だが、目の前の彼女たちの姿は…そのような忌むべきものをもたらすようにはとても思えないのだ。
自分がいつも離れた位置から眺める日常の光景が、寂れた商店街の一角、すっかり通い慣れた喫茶店の店内で、まり花達がそうするように軽口を言い合い、笑い合い。


あのひとたちとあのこたちで、いったいなにがちがうのだろう。



「あーっりんちゃんだ!!
なにしてるのりんちゃーん!!」


聞き慣れた声が不意に背後から聞こえた瞬間、彼女は背中から吹っ飛ばされるように床へ転ばされる格好になる。
何時の間にか影の守りは解け、そして、気づいたときにはいつものようにまり花に抱きつかれて。

「えーっ凜までここにいたの!?
なになにどういうことなの!?誰がここに呼んだの!?」

思っても見なかったことなのだろう、一舞も目を丸くして叫ぶ。
そのかしましい嬌声に、苦笑しながら振り返るかごめ。

「おーいおまいら、一応あたしがいる以上は未成年アルコール禁止だかんなー?」
「べっつにいいじゃない、異世界ならノーカンよあたしがブロデューサーとして許すわ」
「封印がとけられためう!
めうも一度おさけけ飲んでみたかったのだー♪」

何時の間にかかごめの膝の上に陣取っていためうがそのグラスを既に抱えている。


その目の前には、見慣れた優しい日常の光景が広がっていて。


苦笑しながら目を細める凜にもようやく、そのことを受け入れられる気がしていた。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック