新・狐尾幻想樹海紀行 その4

そういえば前のログとかでも進展があったのはこの辺り(´・ω・`)

ゲーム進行とはあまり関係がないので2本同時に上げときますので、ゲーム本編(に近いネタ)をご所望のかたはそちらへどうぞ。











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「やっほつぐみ、順調に進んでる?」

メリーとゆっくり話をするべく、ミッションを報告する前にギルドハウスへと戻ってきたつぐみ達は、そこに思いもしなかった人物がいることに目を丸くする。

「リリカさん!?」
「なんだいあんた、まさかあんたが追加メンバーとかそういうオチかい?」
「うーん…なんて言ったらいいのかなあ。
昨日急にかごめさんから呼び出しを受けて、お前達もエトリアへ行ってこいとか言いだして。
…理由を聞いてもそれっきりだんまりだし、私達も正直わけが解らないんだけど」
「達、って…あなたの他にも誰かいるの?」

パルスィの言葉に頷くリリカ。
そこに外出していたらしい件の人物たちが戻ってきた。


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「たっだいまー♪
…ってなんか怖いひとが居るー!∑( ̄□ ̄;)」


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「あっみなさんお邪魔してますー」


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「…ヒマだからちょっと遊びに行くとこ紹介しろって言ったらまさかエトリアとは思いませんでした…。
正直生きて帰れるのかしら私('A`)」

三者三様の表情でこいし、ポエット、アンナが姿を現す。
ギルドマスターであるリリカを筆頭に、いずれもアーモロード、タルシスでの樹海探索経験がある「狐尾」の主力メンバーである。

「こりゃあみなさんお揃いで。
…これ正直私達お払い箱なんじゃね?」
「まったくよ、なんでまたそんな大人数でこのタイミングにのこのこと。
色々あってミッションの報告に行くのを棚上げにして戻ってきただけよ私達は」

露骨に不機嫌な表情のパルスィをなだめつつ、つぐみは問い返す。

「お母さんの指示で、ですか?」
「うん。
最初はつぐみの事が心配なのかなって思ったんだけど、キバガミさん達もいるしその辺りはちょっと違うかなって。
けど…かごめさんが何かやりだすときって大抵裏に何かある時だからね」
「かごめさんが「人選はけっこう悩んだ」って言ってましたし。
…あの人が理由を話さないときは、私達にも何か重要なかかわりがあることかも知れませんしね」
「でもよくわかんないから、とりあえずみんなが帰ってくるまでは色々な頼まれごととかしてきたりしてねー。
…あの商店の子可愛かったなー何時かこのスク水をフヒヒ

だらしない顔で笑うこいしに無言でリリカは一発喰らわせる。

「まあそういうわけで、私達4人はとりあえず基本は別任務って事になるのかな。
…正直こいしの馬鹿をあまり野放しにしてはおけないしね…油断してるとすぐに護衛対象にセクハラ発言しまくるし…」
「ま、まあまあ…^^;
ところで、ミッションを達成したのにまだ報告していないって、いったい…それに、そちらの方は」

ポエットがすっかり折れ曲がった話の腰を修正すべく問い返す。
つぐみは一瞬だけメリーの方を見て、頷く。


「その辺りも含めて、色々と話をしなきゃいけない事があるんだ」



-新・狐尾幻想樹海紀行-
その4 「秘封倶楽部、新生」



つぐみはエトリアに来て、メリーに出会った事をリリカ達に説明し…そして、彼女に自分たちのことを話して、メリーの事も詳しく聞くつもりである事を告げた。
顔を見合わせる四人。

「…まあ確かにというか…けど、はぐれた仲間の人たちが何処にいるかもわかんないんじゃあ、探しようもないしね。
けど」
「私は問題ないと思いますよ。
アーモロードでは色々あったから、私達の事をグートルーネさんたちに明かしたのは大分経ってからだけど…穣子さん達は、わりと早い時期に辺境伯さんに本当のことを話したって言ってましたし。
それにキバガミさんも元々はこちらの世界の出身なんですから、ひょっとするとイクサビトとかの話もそれなりに伝わってるのでは?」

ポエットの指摘に、うむ…とキバガミは頭を掻いている。

「というよりも、酒場で話す冒険者の中には、実際にタルシスへ赴いた事がある者もいてな。
それとなく、霊峰のことも聞いてみたのだ…拙者の後を継いだ者は、どうやらうまくやっているようで安心したわ」
「そもそも私の耳を見てもそんな驚いた風はなかったしね。
ここから遠く離れたハイ・ラガード公国には翼人も住んでるそうよ…色々な種族が分け隔てなく交流している…この世界、妬ましいわ…」

お決まりの受け答えに苦笑を隠せない面々。

「つまり、私達も正体を隠さずに堂々と振る舞ってて問題ねえってことか」
「ええ。
そもそも、かごめさん達の事はこちらでも有名になってますからね。
かごめさんや穣子さんなんて今も時々孔雀亭に顔を出してるそうですし…」
「なんだよー、それだったらひょっとして執政院の兄ちゃんとか初めっから私達が人間じゃねえって知ってたかもってことかい」

ヤマメの言葉に目を丸くする人間が二人。

一人はメリー。
もうひとりは、人数分のコーディアルを持って戻ってきたローザ。
二人の驚いた表情に、不思議そうにこちらも眼を丸くするヤマメ。

……完全にそこまでの情報が流布されてたかどうかは別問題、ということね。
こういうときはあのブン屋天狗のクチの軽さが便利に思えてくるわ、妬ましいけど」

呆れたようにパルスィが溜息を吐く。





つぐみとリリカは、自分達の事を順を追ってふたりに説明する。
最初は驚いていた二人だったが、やがてローザは納得いったように微笑んで席を立つ。

「皆様の事、良く解りましたわ。
例え元々住んでいた世界が違い、人間とは違う種族であっても…他の冒険者さん達と同じように、純粋に探究心の赴くままに活動しておられるということも。
そんな皆さんのお役にたてるように、これからも一生懸命頑張ります」
本当にどこぞの冷血メイドに爪の垢煎じて飲ませたいくらい妬ましいわ…

パルスィが嫉妬心を操る橋姫で、彼女にとって「妬ましい」は褒め言葉でもある、と聞かされていたローザは、今度はその意図を読み取り、恐縮です、と頭を下げる。
流石のパルスィも呆気にとられるのを通り越して頬を真っ赤に染めてそっぽを向いてしまった。


「みなさんが…人間じゃない…?」

一方でメリーはというと、何処か不安そうな表情でこちらを窺っている。
つぐみは僅かに悲しそうな表情をする。

「ごめんねメリー、今まで黙っていて。
でも、みんな基本的にはいい人ばっかりだから。
そりゃあ、ヤマメさんたちみたいに喧嘩っ早い人もいるし、怒ると手のつけられないような人だっているけど…でも」

メリーはふるふると首を振る。

「ちがう、ちがうんです…。
みなさん本当は隠しておきたかったことなのかもしれないのに…ちゃんと話してくれたことなのに…私っ…!」

何故か泣き出してしまうメリー。
その様子につぐみやポエットも言葉をかけ損なってしまい、逡巡する。

リリカに宥められ、メリーはやがてその一言を口にする。


「わたし…本当は自分の事が、よくわからないの…。
仲間なんて、そんなのいないのに…ウソをついたの…ごめんなさい…!」









かごめ「ストーリー的は早くも急展開になりましたがどうもかごめさんです」
諏訪子「いやぁだんだんきな臭くなってきましたなあ。
   というかなんだよ追加人員まで本当に色々自重してないな。
   しかも同じグラフィックのカスメまで用意しやがって何がしたいんだマジで」
かごめ「いやぁアンナ者はいずれルンマスもといゾディもといアルケミに転職させますんで。
   アルケミのグラは誰をあてはめようにもなんかしっくりこんのですよ(´・ω・`)」
諏訪子「だが転職って…確かにアルケミとカスメの能力成長は似てはおるが。
   だからか、なんかアンナが輪をかけて酷い振りになってるのは。先制スタナーなんてマスターしても5回に1回程度の発動率だし、そもそも戦闘開始直後にしか発動しねえだろ」
かごめ「まあまだ一刀両断の方が使えるレベル」
諏訪子「いやアレは普通に強いとは思うが…グリモアシステムがあると、とっととグリモア化して取れたらその分別のスキルに回したいところではあるな」
かごめ「第三階層で宝箱の中に一刀両断入りのグリモア入ってるしね、レベル5あればまあ無理して取りに行くこともねえかって気はするが。
   そもそもパッシブはグリモア化しにくいじゃねえか」
諏訪子「まあそこはガンではある。
   リチャージ、ハーベスト、血の暴走、ダブルアタック、ウイークショットとか高レベルで取れると便利なんだが」
かごめ「謀ったように追加解禁職のスキルしか挙がりませんな(迫真」
諏訪子「一応ダブルアタックはソドでも取れるが前提クッソ重いんだよ」

かごめ「まあ今回はメリーの話を軸にしつつ、色々裏で悪さしてきたことについて触れようかと。
   まずは誰もが気になるだろう、この豪華装備の資金源だが」
諏訪子「それだそれ。こいしの馬鹿野郎がなんで最強斧持ってるのかとかその辺なんか特に。
   素材ドロップ条件は比較的緩いとは思うがな」
かごめ「これも後でこいし達が挑むことになるが、某クエストのクエボスの条件ドロップなんだよな。
   条件腕縛りなんだが、マスタリで習得しただけのアームスナイプLv1で割と簡単に入りましたので」
諏訪子「それ単純にピクニックだったからってのもあるんじゃないか?
   地味にこちらからの異常縛りの通りもいいらしいぞ」
かごめ「その辺りの制限も薄いからボスの条件ドロップはピクニックで狙った方が早そうではあるが。
   とりあえず脱線したけど本題に戻りましょうか」
諏訪子「いかんいかん危ない危ない危ない(´Д`)
   単純に計算しても7、80万エン位は荒稼ぎしてるって事だよな。五層六層で素材稼ぎしてもこんな短時間で用意できるような額じゃあないが」
かごめ「そこで、もうひとつバランスブレイカーなバグの登場だ。
   実は何気に世界樹は仕様なのかバグなのか、その系統のネタには事欠かない。今回だってゲーム進行上致命的なバグもあるし、そこまででなくても結構アレなバグがある。後者レベルでは、カタストロフ及びジエンドがマスタリのレベルアップで自動習得されないっていうのと、ディレイチャージのレベル次第ではクロスチャージの消費TPが12に増えてしまうってやつなどがある」
諏訪子「クロスチャージはいくらレベル上げても消費TP8の筈だよな?」
かごめ「そうなんだけど、ディレイチャージ5~9とセットで発動させた時は、何故か12消費してしまう
   ディレイ4以下か、逆にマスターしてあるか、クロス単品で運用する分にはそんな事はないらしいんだが」
諏訪子「クロスチャージ自体も先制攻撃スキルとしては優秀だしな、消費変わらんって事はレベルアップで純粋に燃費だけがよくなるし。
   致命的なバグって何があるん?」
かごめ「ストーリークリアで引き継ぎプレイをストーリーで始める場合、地図引き継ぎするとグラズヘイムの彷徨いし駱駝戦直後にフリーズしてゲーム進まねえって奴」
諏訪子「…それしょっぱいな。というか、ストーリーを周回する意味あんの?」
かごめ「ストーリーでしか戦えないモンスターもいるから、図鑑埋めそこなった時にやるんじゃねえの?
   因みにこれは、ラクダと戦う前にフレドリカが眠っていた冷凍睡眠装置の所に自動で置かれるアイコンを予め消しておいてやると回避可能だ。
   駱駝戦をトリガーにしておかれるアイコンが、既に置かれている状態になってるからそこで不具合になるんじゃないんかな」
諏訪子「迷宮の階段と違って自動で取り除かれないのか、階段じゃねえから」
かごめ「多分そういうことなんじゃないかと。
   で、実はゲームが止まるわけではないが、ゲームバランスを著しく崩壊させるバグが二つある。
   そのうちひとつが、以前触れたグリモア枠数のコピーバグ」
諏訪子「グリモアそのものやそのスキルをコピーできるってのに比べれば十分可愛いレベルだと思うしな。それに、合成条件が合わなければ結局合成できねえわけだし。バグって言うか裏技だろこれ」
かごめ「まあそうなんだけどさ。
   その意味では、今回紹介するネタの方が本気でヤバい代物だな。
   戦闘中使用できるアイテムに限られるが…アイテムが増殖する裏技だ」
諏訪子「………はい?」
かごめ「だから、アイテムが増殖するんだよ。
   前提条件を満たす必要はあるけど、ソーマプライムやネクタルⅡ、絶耐ミスト、アムリタⅡ、テリアカ系、戦功の角笛、聖なる贈物とかが使い放題になる
諏訪子「なんだよそれ…該当するアイテム一個手持ちに入れておけば買い替える必要ないってか」
かごめ「そう言いかえてもいいな。
   ただ、元々持ってないアイテムや、うっかり使いきっちゃったアイテムに関してはその限りじゃないから、当然だけど。
   そしてこの系統のアイテムで一番高値で売れるのが四つ葉のクローバー。あとは言わなくても解ると思うが」
諏訪子「つまりクローバーを増殖させまくって売ったと」
かごめ「1時間あればミリオンも難しくないよ。
   ただこんなのは、この裏技の真価じゃあない。もっと恐ろしい効果を発揮するのは各種オイル系、各種ミスト、轟音弾との組み合わせだな。オイルとミストを常にストックできることと、常に轟音弾で相手をハメる体勢が用意できる。当然、ネクタルやアムリタとの組み合わせは言わずもがな」
諏訪子「そんなの使いまくってればいくらエキスパートでもそんなに怖くないのも確かだよな…アイテム枠数を逼迫しないで、十全過ぎる対応を取れるって酷過ぎるわ。
   周回引き継ぎのオーパーツ満載なうえにそんなバグも使ってれば、そりゃあhageからは遠くなるわな」
かごめ「だからやり方はここでは記載しないよ。純粋にサクサク進めたい奴だけ使えばいいし、攻略wikiでも閲覧自己責任って事で隠し状態にしてある。
   まああれだ、ミンサガの「竜人障壁」よりももっと手軽に難易度だけ下がっていくというとんでもねえバグだ。
   因みに今回は四つ葉のクローバー増殖による金稼ぎの他、角笛増殖によるグリモアマラソンも同時進行した。術式マスターとかも実はその時に作ったモノなんだけど…その際にちょっとしたことも判明してだな」
諏訪子「なんかそれも今更って気がしなくもない様な事の気がするが…なんだよ?」
かごめ「まず四つ葉のクローバーは他人の作ったグリモアには影響しないって事と、習得してるスキルレベルを超えたそのスキルのグリモアは出ないということ…
諏訪子「∑( ̄□ ̄;)お前アイテムの説明文ぐらいちゃんと読めよ!!
   四つ葉のクローバーはあくまで対象自分やぞ!?」
かごめ「あと敵グリモアを持ってるとそれに記録された敵技が優先されちゃうってのも解りました><」
諏訪子「もう何をかいわんや(´Д`)
   となると、アイテムバグを活用してるってことは」
かごめ「手持ちにはネクタルⅡ、アムリタⅡ、ソーマプライム、水溶液、角笛、クローバー、贈り物、テリアカαとβ、絶耐ミスト、轟音弾は常に1個ずつ入っているということだな。
   多分二層になればここにラウダナムとウニコウルが加わるが…特性上、迷宮突入直後の緊急回避には全く使えないのが唯一の欠点だな」
諏訪子「糸も増やせないしな。
   ただ今回は糸が本当に必須かと言われると疑問な仕様もあるが」
かごめ「フロアジャンプですな。
   その階層の大部分を踏破して、階段を見つけると地図の階段の色が変わって、タッチパネルのマッピング画面で一瞬のうちに移動できるっていう」
諏訪子「踏破して解禁した階層にしか移動できないのが難点だが、階段単位で移動ができるってのが酷い。
   もっとも、階段単位でしか解放されないから、フロア全部の階段を解禁して回るのが面倒くさくはあるが」
かごめ「別階層の解禁済み階段を指定することもできるから、どの階層にいてもB1Fの階段を指定すれば実質糸と同じ効果になるしな。
   糸よりひどいのは攻略中の階層に近い場所に移動して探索を続けられるっていうことか」
諏訪子「ほとんどスキマ移動だよなこれ。
   アイテムバグも酷いが、これ公式で正規に用意された仕様だからな」

かごめ「というわけで馬鹿話はまとめて次に触れることにしましてー」
諏訪子「予告なんて当てにならなかった(迫真
   むしろ今回進行の速さが本気でしょっぱいからな。攻略そのものはもう大した問題じゃねえ気がする」
かごめ「そ、それでもケルヌンさんなら…ケルヌンさんならなんとか(震え声」
諏訪子「その前に熊どうしたんだ、熊」
かごめ「実はのりこめー^^直後に稀少種を狩りまして(しろめ
諏訪子「∑( ̄□ ̄;)おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?
   いやもうアレだろ、どっかおかしいだろこれ!? どう考えてもこれピクニックのプレイだよな!?」
かごめ「いやぁピクニックならヤマメが稀少熊の通常で即死しないだろ…
諏訪子「あ、それはしたのか…」
かごめ「全員は一発で誰かしら落ちるんだけど、キバガミが意外と生き残るんだよね」
諏訪子「一寸の見切りがあれば「落ちないようにする」のは難しくはないからな。
   あと後衛でどれだけ火力が出せるかだろうが…アクトブーストからのチャージサンダーに術式もあるしなあ、しかもマスタリマスターのおまけつきで」
かごめ「そもそもレベル21でゾウの突進でも生存者出てますしね(´・ω・`)
   流石に逃げたけど」
諏訪子「とりあえずここまでやったんだったらhageない方向性を目指せばよくね?('A`)」
かごめ「今更だけど世界樹のリプレイでそれってどうなんだ…。
   まあ、今回はこの辺りで。
   あとギルドハウスに泊れればいいのにって誰もが思ったよね(しろめ
諏訪子「宿屋の糸目ざまあwwwだな、それ実現したら。
   ストーリーでは結局触れないで終わったけど、報酬5エンクエスト一応あるからね?」








♪BGM 「街景 時を失くした王」(SQ3)♪


ギルドハウス「狐の集積場」。
エトリアの街で「狐尾」の面々が根城とする、そのリビングでひとり…ヤマメは杯を傾けている。

「私…自分の事は解らないの…。
でも、樹海にいかなけらばならない事だけは覚えていて…だから、樹海を一緒に旅ができる人たちが必要だったの…」


メリーのその言葉に戸惑いを覚えた「狐尾」の面々の間で僅かに悶着はあったものの、最終的にはつぐみの「メリーの記憶のカギが樹海にあるなら、目指すところは一緒なんだ」という言葉で、一応の決着を見たが…当然というか、納得いかないパルスィは部屋を飛び出して行ってしまい…という有様だった。
結局、パルスィもキバガミの説得に折れて戻っては来たものの…納得はしてないだろう事は態度からも明白だ。

しかし、ヤマメの手酌を進めているのはそんな理由ではなかった。


「メリー、か」

ふと、呟いてみる。

彼女とて全く聞き覚えがない名前ではない。
知っている顔が、最近ある人物を指して、ときどきそう呼ぶようになった。
そして、別の知り合いと共に行動をするようになった少女が、そう呼ばれているのを知っている。

「…妖怪だから眠らぬ、というわけではないようだな」

そこに、キバガミが姿を現す。
驚いた風もなく、ヤマメは「なんだ、あんたか」と、キバガミにもそれとなく杯を勧め…彼もそれを受け取り、対面へ腰掛ける。

「そうだな、私だって納得行ってないと言ったらウソにはなるけど…そういうんじゃないんだ。
…私さ…もっともっと別のところで、メリーを知ってる気がするんだ
「命蓮寺に戻る前、ナズーリン殿が言っておられたな。
自分とお主と、お空…別の世界で、彼女と共に過ごした記憶がある、と

うん、とヤマメは頷く。

「おかしな話だと思うけどね。
私は、生まれは日本の畿内、土蜘蛛の名門黒谷家の生き残りの筈なんだ。
私が物心ついてからの千年近い中で、一度も会った記憶がないのに…私の中には、あの子と過ごした記憶が残ってる。
あの子を「災厄」から逃がす為に…ナズーの野郎にあの子を託して」
「…お主は…「今ここにいるメリー」を、どう思っておる?」
「どう…って」

キバガミの問いに言葉を詰まらせるヤマメ。
キバガミは続ける。

「確かに、胡散臭く感じる話ではある。
だが、拙者にはメリーが嘘を吐いているようには思えん…拙者達を欺き、名声のみを求めて随行しているなら、何時でも拙者達を置き去りにして逃げ去る機会はあったはずだ。
だが…」
「解ってるよ、そんなこと。
あの子はつぐみを助けるために、精一杯勇気を振り絞ってあのグリモアの力を引きだしたんだ。
パルスィだって本当は解ってるんだよ…でも」

ヤマメは杯の酒を一息に飲み干す。


「あの時のメリーは…一緒なんだ。
ナズーが連れて逃げた時の「メリー」と…おんなじに見えた」



何処か寂しそうに笑うその手の杯に、キバガミはふっと口元を緩め、酒を注ぐ。

「…正直、何故つぐみがこの樹海の先を目指す事になったのか…その理由も実はまだ拙者は知らぬ。
かごめ殿から、つぐみが樹海を旅したがってるから、ついていってやってくれと…いい修行になるだろうからと、そう言われてな」
「つぐみが?」

うむ、と頷くキバガミ。

「よくよく考えれば、拙者達の旅路は謎だらけだ。
一体この先で何が明らかになっていくのか、見当もつかぬ…そもそも、ローザ殿の話を聞く限りではこの樹海の底に何があるのか、もうほとんどが明らかにされているとも聞き及んでいる。
そんな所に一体何を求めようと言うのか…それを、見定めてみるのも一興に思えてきた」
「…さとりの野郎からも聞いたけど…イクサビトはシンプルでいいね。
そうなれば、この旅の目的なんて、みんなてんでバラバラなんだね。
そもそも、私やパルスィにそんなもんなかった気もしなくもないけど」

ヤマメは何処か得心の行った表情で、杯を置く。

「私のこの記憶が何なのか、メリーの正体を追い掛けながら考えてみる…そんな目的を持っても、良いってことなのかな?」
「…理由はどうあれ、目的が定まったのならそれに殉じてみるのも善かろう。
拙者の武を振るう理由は、それだけあれば十分よ」
「私もそんな四の五の考えてから動き回るのは性に合わないからね。
ま…目的が見つかったところで」

そして再び杯を持ち、差し出されたそこにキバガミが酒を注ぐ。

「改めて、よろしく頼むよ大将」
「うむ。
…パスルィ殿、そこに立っていないでお主も混ざるか?」

キバガミは振り向かずに、背後の気配に呼び掛ける。
ふん、と鼻を鳴らす声だけ残し、つかつかという足跡を残して去っていくのに、ふたりは苦笑を隠せなかった。



~翌朝~



「いいわね!?
私はまだあんたを認めたわけじゃない…あんたがヘンな真似をして、つぐみを危ないような目に遭わせるようなら私が容赦しないわ。
その為に私はどうあってもこの旅に同行させてもらうからね!!」


開口一番、パルスィはメリーを指さしてそう宣言する。
キョトンとした顔でメリーが目をぱちくりさせるのを見て、鼻を鳴らして大げさにそっぽを向くパルスィに、キバガミもヤマメも、こいしも笑いをこらえている。

「ったく水の字は…」
「まあ、良いではないか。
安心せい、彼女はお主につぐみを取られたとおもって、嫉妬(やきもち)を焼いておるだけよ」

キバガミはメリーをそう諭す。
メリーはまだよく事情を飲み込めてないと見えて、はあ、と生返事を返す。

「もーパルスィさんは…メリーだって大変なのに。
メリー、メリーの記憶のヒントがきっと、この樹海の先を目指せば見つかるかもしれないなら…目指す先は一緒だよ。
…キバガミさん、ヤマメさん…パルスィさんもみんな聞いて」

つぐみは表情を改めて、集った面々に向き直る。


「まだ話してなかったよね、私の旅の目的。
私…お母さんが知ってる世界を…知っていたかもしれない世界で、お母さんたちがやり残したことをしたいって思ったんだ。
エトリアの先にある「遺都」…「秘封倶楽部」の名で、かつてお母さんと紫さんが過ごしていたかもしれないその場所で」


顔を見合わせる面々。


「雲上域の金鹿図書館で…お母さん言ってたんだ。
同じ図書館に来たことが、あるかも知れないって。
もしかしたら、お母さんや紫さんがいた世界は…「永遠」に飲まれたと思っていた世界は、この世界に形を変えて残っていたのかもって…もしそうなら、どうしてもやり残したことがあるって、そう言ってたんだ。
でも…お母さんはもう、紫さんと同じ時間を過ごしていた存在じゃないから…きっとそれはもうできないって」


「だから、私がそれをやりたいんだ。
「秘封倶楽部」がやろうとして、果たせぬまま終わった夢を…私がその謎を解き明かしたい。
シンジュクと呼ばれたその地の何処かにある、「幻想との境目」を見つける…それが、私のこの旅の目的



顔を見合わせる面々。
つぐみは僅かに眼を伏せる。


「…解ってるよ、きっとそれは命を秤にかけるほどのことじゃないって。
でも、きっとそこには、もっと大切な何かがある様な気がしてならないんだ。
…納得がいかないっていうなら、私はメリーと二人でも行く。だから」
「そんな事を言うでない、つぐみよ。
母御の成せなかった事を成そうとする、それは十分に意味のある理由ではないか。
拙者はついてゆくぞ。あのかごめ殿が諦めてしまわれた事を、拙者達の手でなしてみようではないか!」
「そいつはおもしれえ、いっぺんあの黒髪ぎゃふんと言わせてみたかったんだ。
…やってやろうじゃん! 私も行くよ、道中退屈もしなさそうだしね!」

キバガミとヤマメの手が、つぐみとメリーの手を押し抱く。
そこへ、憮然とした表情のパルスィも手を置く。

「妬ましいけど、面白そうな理由だわ。
…それに、さっきも言った通りよ。嫌だとぬかしてもついていくわ」

そこにリリカ達の手も重なる。

「メインはあなた達かもだけど、折角だから私達も乗っかってみたくなったわ。
…少しでも弱音吐くようなら、誰を蹴落としてでも私達がメインはらさせてもらうからね!」
「久しぶりの樹海探検でわくわくが止まらないよー♪
よろしくね、みんな!」
「バカンスの余興としては十分面白そうだもんね。
装備も充実してるし、私も本気で暴れさせてもらおうかしら!」
「もーアンナさんは…。
私達の力が必要になったら言ってくださいね、何時でも探索に行けるようにはしておきますんで!」


顔を見合わせて頷くつぐみとメリー。


「行こう!
「狐尾」エトリアチーム、もとい新生「秘封倶楽部」…樹海最奥の謎を目指して!」



少女達の気合のこもった声が、エトリアの青空に響く。



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