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zoom RSS 狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女 第五十一夜

<<   作成日時 : 2015/12/16 15:00   >>

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実は今回のお話ここがクライマックスです(ぇ


今更かもしれませんが、狐野郎ログでは事あるごとに「ダイの大冒険」の要素を引っぱり出したりまるまるパクったりしていますが今回のベルさんは立ち位置がかなりバランっぽくなる方へ頑張ってみました。まあ無理だったんだけどな!!!(ぉ
なんかアリアンナやフラヴィオの過去とかいろんなことが未消化のまま佳境にさしかかってるんですけどホントどうしましょうかね(知らねえよ

あと余談ですが、ストーリー自体は既に終わっていたりします。
だいたいどんな感じで進めたのかは次回、静葉様が解説してくださるでしょうが、まあ特別な事は何もしてないんですけどね。


君はこの先を読み進めてもよいし、原作よりキナ臭さがマシマシになったカレドニア情勢を恐れて引き返してもかまわない()















♪BGM 「迷宮V 天ノ磐座」♪


「ジェルヴェーズ…?
確か…ジェルヴェーズの家は、百年前に当主が謎の死を遂げ、世継ぎの方も出奔し没落したはずでは…」

アリアンナが僅かに眉をひそめ、ベルトランはゆっくりと頷く。

「…その世継ぎになるはずだったのが、俺だ。
最も、俺も元々本家の人間じゃない…当主…俺の義父(おやじ)にも勿論子もいたが…事情はわからねえが、夫人諸共幼くして死んじまったらしい。
間の悪いというか、当時縁者周りでも本家を継げるような男児が俺しかいなかった、ということで、俺は本家へ引き取られることとなった。
それまで田舎貴族の子供でしかなかった俺が、いきなり「カレドニア七騎士」の一角を継ぐって話になったわけだ」

彼は溜息をつき、さらに続ける。

「義父は厳格だったが、いい人だった。
俺は数年間、騎士として必要な教養、武芸、学問の類を一通り叩きこまれて、正式な継嗣として登殿するようになった頃、義父は親戚筋の未亡人と再婚することになった。
血の繋がりは直接なかったが、何年か過ごすうちに義母や、その連れ児だった義妹とも打ち解けるようになった。国でもトップクラスの貴族にしちゃ、異質なくらい穏やかに日常は進んでいった。
そんなある日だった」

彼は僅かに表情を曇らせ、視線を下ろす。

「義父が、宮廷に出仕してる最中、急死したという知らせが入った。
俺はわけもわからないまま、出仕することになったが…丁度、その年の「ファフニールの騎士」を選ぶ会合があり…本来、七騎士の家で持ち回りをするこの年の騎士も、本来は別の家から出すはずだったのを「今回は是非に、武名高いジェスヴェーズの家から」という話になりやがった。
俺も、義父からさわりだけ聞いていたから、騎士を出した家には報奨金として途方もない額の金が出る事も知っていた…だから、義父を亡くし途方に暮れる義母を安心させるため、俺はその命を受けて試練に出向くことになったんだ」
「ふうん、キナ臭い話だな。
他の六騎士とかいう連中、あんたの家には他に継嗣できる奴がいないことは知らなかったのかね?」

スマキになったままのヤマメが、そうやって混ぜっ返そうとするが…否、彼女は何処か、それを確信したかのように棘のある含みを、言葉に潜めていた。

「…そうだな、あとから考えればそうとしか思えない事だらけだったぐらいは、馬鹿の俺でもわかる。
それでも当時の俺達は、儀式を進めることだけを考え、儀式の大詰めまで来た…しかし、そこで国元から伝令が来やがった。
…義母と義妹が流行り病にやられ、義母はそれで死んだっていうんだ。
俺は儀式を終わらせるべきかすぐ国元へ帰るべきか悩んだが…悩んだ末、ヴィオレッタの勧めで国元へ戻った…そしたらだ…!」

ベルトランは悔しそうに歯がみし、拳を震わせた。

「待ちうけていたのは、俺が六騎士の連中と交わした制約を、一方的に破棄したという背信の罪状だった…!
俺は、妹を連れてほうほうの体で都を脱し、信用できる家に事情を話して妹を匿わせると、取って返すようにギンヌンガへと戻った…だが、ヴィオレッタの姿は、何処にも見当たらなかった…!!」

その衝撃的な事実に、誰も言葉を発せずにいる。
やがて、沈黙ののちに、ベルトランは自嘲気味に笑い、口を開く。

「…俺は、妹を預けた家…今のクロエの一族のところに身を寄せながら、身の振り方を考えることにした。
10年も過ぎる頃、俺の身体に明らかな変異があることが自分でも解った…四十路を過ぎてもまったく老けやしねえわ、大して腹も減らねえから水か酒ぐらいしか喉を通らねえわ…止めに、この右腕だ。
俺が「人間でないナニカ」になって…しかも、それからさらに五十年経って妹が老いて死んでも、まったく年を取らない自分が居たのに気付いた時、俺は次の儀式が行われるのを待つことにした。
俺自身に何が起きたのか、ヴィオレッタはどうなってしまったのか、その手がかりを見つけ出すために…!
「じゃあ…あなたは最初から、この遺跡の事を知っていて!?」

つぐみの問いに、そうだ、と頷くベルトラン。

「嬢ちゃん。
俺達が初めて出逢ったあの日、お前さんが告げた真実は、俺にとっちゃ受け入れ難いものだったさ。
だがな…お前さんが嘘を言ってないことも、知ってたんだよ…なぜならな」

そして、彼は背後を振り返る。


「俺にも「声」が聞こえていたからな…!
忘れるはずもねえ…百年経っても、俺は絶対に!
そうだろう…君が、俺の代わりに「護り手」になっちまってたんだからな…ヴィオレッタ!!


慟哭するよう様なベルトランの声が、フロアに響き渡る。
その声に応えるかのように、俄かにフロアの壁が発光し…そして、燐光を纏った影が姿を見せる。


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-そうね。
私もこんな形で、もう一度あなたに会えるなんて…思ってもみなかった-

哀しげな表情を浮かべる、美しい女性の影。
その声は、つぐみが聞いた「護り手」の声だった。



「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第五十一夜 紡がれしは絆か、呪いか



静葉「ドーモ、秋神の紅葉の方です」
レティ「いよいよストーリーも中盤の佳境になってきたわね。
   ベルトランの過去については思いっきし狐補正であらぬ方向にアレンジがされてるけど、概ね変わらないわ」
静葉「………あれっ、文は」
レティ「なんか自分も下手な事言ったらあんたに後で何されるかわかんない、とか言って逃げて行ったわよ」
静葉「失礼ね、今のところ何もされてないからするつもりもないのに」
レティ「あんたのルナサいびりも最近有名だからねえ」
静葉「正当防衛よ、あなただって正直腹の一つは立つところあるんじゃなくて?」
レティ「…………そう言えば、DDR初めてやった時、あいつのせいでいきなりSP激CHAOSをやらされて、バーにしこたま頭ぶつけたことがあったかしらね(#^ω^)
   やっぱあいつ今度思いっきりしばきましょう」
静葉「(やっば、それ言い出しっぺ私だって事黙っておかなきゃ)」

静葉「この辺りの展開も前に説明したから省きましょうか。
  今回は非常に楽だったわね、具体的に言えばアホロートルの仕様も解ってたわけだし」
レティ「けど元々ギンヌンガはエンカウント率そんな高くないし、結果的に回復の欲しいタイミングでアホロートルが出てこないなんてのも日常茶飯事なのよね」
静葉「というか、マップがあるわけだから何処に圧壊者が潜んでるか丸解りだっていうのがね。
  最後のフロア、圧壊者が3匹いるところは1匹通路をふさいでやがるから、そいつを狩るかうまく誘導して退かすかしないといけないのがね。
  相変わらず押しつぶしの威力がハンパないので、狩るにしても一苦労なんだけど」
レティ「そういうえばこの辺りの解説だってかなりのミスリードあったしね。
   実際B3Fはベルトランを含めた5人での探索で、境の扉のところでベルトランの正体判明かーらーの主人公離脱って展開があるじゃない」
静葉「そーね。4人での行動を強いられるのはB4Fで、しかも主人公と合流すればその時点からハイ・ラガードの街との行き来が可能なのよねえ。
  あとB4FのカボチャFOEは力の流れを1個止めるたびに1体ずつ追加されてくわね、どうでもいいことかもしれないけど」
レティ「無印2の第二階層でいきなりステルス乱入祭りしてくる青カボチャどもと違って、単純に巡回型だから無視して進めるしね。
   ただ壁を透過して巡回してることに注意しなければならないけど」
静葉「こぼれ話もこのくらいしかないわね。
  とりあえずデミファフニール戦のグリモア装備とスキル構成でも紹介しましょうか」


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つぐみ(スラッシュ)
ソニックレイド1 フレイムセイバー1 フリーズセイバー1 ショックセイバー1 ディレイチェイス1 オーバーキラー1
レゾナンスソード1 フォースシールド1 フォースリセット6 アブソーブ★
刀剣マスタリー★ フォースマスタリ★ 属性攻撃ブースト1 限界突破★

レティ「あら、限界突破なんて伸ばしたの?
   正直そんなに重要なスキルのようには思えないんだけど…フォースエナジー取りに行った方が良かったんじゃ
静葉「まさしくその通りね。
  ついでに言うと、フォースリセットは振りミスよ。限界突破の前提が5だし」
レティ「しかもフォースチャージと零距離も両方持ってる意味余りない様な」
静葉「零距離はウェイヴ系とフォースブレイクにしか乗らないし、それ以外は再変身のフォース稼ぎも兼ねてフォースチャージね。
  けどここも普通に属性セイバー伸ばしに行っても良かったような」
レティ「実際フォースエナジーの回復量だって馬鹿にならないわよ。
   ここから以降は、むしろ変身している時間のほうが長くなるわけだし」
静葉「しつこい、と一蹴するのは簡単だけど、腹立つことにその通りなのよね。
  一応スコーピオンの伝説グリモアもレベルHのあるから、限界突破したぶん残して戦闘終了すれば、次の戦闘を一回逃げてその次の戦闘でまたすぐ変身できるのがおいしいんだけど」
レティ「そういう意味でも早めに高レベルをさえておきたかったところね。
   他にもアルケミや巫剣マグスあたりとも相性いいしね」
静葉「まあそれに気づいたから、その後レベル50で全員引退というか修行させているんだけど、そこからはすぐにフォースエナジーを取りに行ってるわね」


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アリアンナ
攻撃の号令★ 防御の号令1 予防の号令★ ホーリークラウン1 エクスチェンジ1 リセットウェポン1 リンクオーダー1
号令ブースト★ HPブースト5 TPブースト1 ロイヤルベール★ レイズモラル1

レティ「なんか露骨に装備変わってるわね」
静葉「この頃からもっぱら、アリアンナは主人公の後ろにいたわね。
  因みにこの子だけレベルが低いの、実は炎の魔人とスキュレーでこの子だけが一回休みしてたせいね」
レティ「後列でも死ぬときゃ死ぬわね(真顔
静葉「ただねえ、クロエが結界を張る都合上、無理して予防の号令を伸ばすメリットってそんなにないのよねえ。
  基本的にピンポイントのタイミングでしか使わないから、TPが安くなる4止めでいいと思うのよね。
  あればあったで結構役には立つし」
レティ「その代わり攻撃の号令は限界突破で最高補正率かけてきてるのね」
静葉「地味に忘れがちだけど、★★だと6ターンも持続するのよねこれ。
  ブラッドウェポンには流石に負けるけど、140%補正を6ターンだからかなりでかいわ」
レティ「アグネアはアグネヤストラないから妥協した感じだけど、あってもなくても変わらないところよねえ」
静葉「実際そんな殴り行く機会ないから、この時ベルトランに持たせてたケリケイオンでぶっちゃけいいのよね。
  ベルトランには花杖持たせとけばいいわけだし、HP補正入るからパラとも相性いい」
レティ「パラディンもそこまでLUC高いわけじゃないけど、時々眠りが入るのはおまけとしては十分よね」


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フラヴィオ
フランクショット1 ブラインドアロー1 スリープアロー1 パライズアロー1 ドロップショット1 ダブルショット1
トリックステップ★
弓マスタリー★ 素早さブースト★ 抑制ブースト8 エイミングフット1 野生の勘1

静葉「相変わらず歪みねぇフラヴィオね」
レティ「それちょっとあんかけチャーハンの匂いしかしないんだけど」
静葉「気にしない気にしない。
  なんだかんだPT最速なんで、概ねサポートに回ることが多いから、スキルもそっち重視になるわね。
  序曲はこの頃からほぼ雷で固定されてるわ」
レティ「ここからは雑魚もボスも雷が一貫するからねえ。
   効かないのはイエローゼラチンとゼラチンキングぐらい?」
静葉「枠に余裕があったら、次に通りやすい炎も入れたいところなんだけどね。
  ああ、先に言っておくけどこの後は一気にセルまで飛ばすんで道中のポイントだけ触れるけど、第四階層全員レベル50で引退した後、これに加えてエイミングフットとアザステ、あとブラインドアローを伸ばしに行ってるわね。
  エイミングは突UP3のグリモアがあるから攻撃力補助の目的もあったんだけど、抑制★★からエイミング★★をぶっ放すから、フランクショットを打つと雑魚はほぼ確定で足を縛られてなかなか爽快だったわよ」
レティ「地味さに定評のあるレンジャーだけど、この場合はいぶし銀の活躍ぶりといったところかしらね。
   サポートに回ると目立たないながらも生存率殲滅力共に底上げしてくれるし」
静葉「人数必要だけど残影チェイスの主役もレンジャーですものね。
  それと、第四階層では暴風の翼の高レベルを粘って取ったけど、本編では結局活かさずに終わった巫剣とのコンビネーションが大活躍だったわ。
  盲目入る相手なら多少レベル上でも霊防衰斬からのごり押しが効くからね」
レティ「てゐは火力重視にし過ぎた感もあるからねえ、あいつメインで殴りに行くというアプローチが結構不味かったんじゃ
静葉「そこは否定できないところねー」


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クロエ
巫術:再生5 再生帯1 鬼力化1 皮硬化1 脈動1 乱疫3 転移3 結界★ 反魂1
巫剣:霊攻衰斬1 霊防衰斬1 霊封頭斬1 霊封腕斬1 霊封脚斬1 霊攻大斬1
巫術マスタリー★ 巫剣マスタリー★ HPブースト1

静葉「ここからほぼ前衛に立ち続けてるクロエね。
  ここからは一応巫剣マスタリーでTPの底上げ、でもって、サポート重視の為に鬼力化のマスター、再生陣と呼応の取得、ついで霊防衰斬を伸ばしに行ってるわ」
レティ「今更だけど呼応が本当にどっかおかしいスキルだものね。
   結界は必須事項としても、兎に角FOEやボス相手にまず呼応をかけるところから始めれば事故率が大幅に減らせるわね」
静葉「ってもこっちが一撃で沈んでしまうとあまり意味はないんだけどね。
  とはいえ、後列まで攻撃浴びないか呼応の回復範囲内だったら、ロイヤルベールとの相性も非常にいいわよ。前衛がズタボロになるようなダメージでも、呼応とロイヤルベールだけでわりとなんとかなる感じで」
レティ「ってもこの時点では取ってないけどね。
   前提スキルの脈動はむしろどんなものなのか」
静葉「呼応→脈動でやると、効果のあるターン中は即死しない限り常にHPが満タンになってることもザラね。
  実際かなり強力よ。その分こいつが頭封じ食らったり異常食らったりするとその時点でかなりきついことになるから、グリモアでカバーするんでないなら結界と予防の号令をうまく活用していかないと。
  戦闘中に反魂を使うタイミングが難しいのも難点だし、アリアンナ辺りに反魂持たせてもいいのかしらね。伝説グリモア持ってるし」


静葉「こんなところね。
  しばらくは茶番の合間に、おハルからバーロー()までの流れもちょくちょく説明しながら進行するわね」
レティ「あ、ギンヌンガでこの話完結させるのね」
静葉「そゆこと。
  それじゃ、解説はここまで」










「どういう…ことなのです!?
姫将軍と言われたあなたが…何故…」

戸惑いの隠せないまま、戦慄く様なアリアンナの言葉に…ヴィオレッタは哀しげに微笑んで返す。

-アリアンナ…当代の「印の娘」。
何も知らされず…知らぬが故の残酷な事実を告げねばなりません。
私は、ベルトランが他の「六騎士」の罠に嵌められたことも承知の上で、彼を騎士として選んでしまった…私もまた、ジェルヴェーズの家と同じく、六騎士たちにとっては目の上のコブに過ぎなかったのです。
彼らは「儀式」にかこつけ、公家と…公家に絶対の忠誠を誓う武門の家・ジェルヴェーズ一族を除こうと目論んでいた-

「成程な。
「封印の楔」となってしまった「ファフニールの騎士」なんて、実質死んだも同然だって、そいつら知っててやってたってことなんだろ。
そこのおっちゃんの義母さんも、本当に流行り病だったのかね」
「おいッ…!」

何処か憮然と言い放つヤマメのあんまりな言葉に、食ってかかろうとするフラヴィオ。
だが彼女の険しい視線に、フラヴィオが口を噤む。

「私もこんな見た目だが、さっきも云った通りかれこれ千年以上生きていてな。
基本的に人間社会には悪さする方じゃあったけど、外から見ててもあいつらのやることなんざ千年前からその繰り返しで、正直反吐が出るよ。
権力の甘い蜜に群がり、それを占有しようとして、なおかつ自分のメンツを保ったままこそこそと、邪魔者を体よく始末することしか考えちゃいねえ。
…私達妖怪もな、そういうクズ共同士の後始末に利用され続けてきたんだからよ…んで、用がなくなれば私らも因縁つけられて始末されちまう。そういうもんだ」

有無を言わさぬ迫力があったものの、彼女の眼は悲しみに満ちていた。
彼女が一族を人間に討伐され、行き場を失って幻想郷へ移り住んでいたことをつぐみも知っていたが…常に明るく振る舞う彼女が抱える悲しみを、この時初めて知ったような気がしていた。

-けれど…私も、そのことを知りながらベルトランに知らせず…彼を中途半端に「不老」としたことで、彼を苦しめてしまった…そればかりではない。
私は、本来この忌まわしき因縁に巻き込むべきではないつぐみ達まで、この呪いに巻き込んでしまった。
これまで連綿と続いてきた「儀式」のシステムを崩壊させたのは、私の責任でもあるのです-

「待って…待ってください、ヴィオレッタ様!
もし、もしあなたが、そのまま「儀式」を完遂していたのなら、ベルトラン様は…!」

-彼はこれまでの騎士がそうであったように…そして、私がその身代わりでそうしたように…強靭な「ファフニールの騎士」の生命力を持って、大いなる禍「フォレスト・セル」を封じる「封印」の一部となり果てる。
そして、あなたが選ぶだろう「騎士」に全ての力と役目を引き継ぎ、死を迎えるでしょう-

「そん…な…」

-「騎士」ではない私の生命力では足りず、結果的に「ギンヌンガの儀式を続ける力」まで使い果たしてしまった。
私も、偶然的に精神のみの存在となって遺跡に残りましたが…それは、どうしても伝えなければならぬ事があったからです。
…それもまた…あってはならぬ事なのですから-

「どういうことなの…?
ねえ、教えて!
一体何故、私に力の継承がされたの!? この遺跡で、何が起ころうとしているの!?」

つぐみの言葉に、ヴィオレッタは悲痛に歪む表情で目を閉じ…その恐るべき事実を告げる。


-フォレスト・セルは…まだ滅びてなどいないのです。
その強靭な生命力は、爆散した自身のカケラで遺跡の残っていたエネルギーにとり憑き…今再び、復活を遂げようとしている。
このギンヌンガそのものが、フォレスト・セルに化しつつあるのです…!-


つぐみの表情が凍る。
そして、彼女はその場にへたりこんだ。

「そん…な。
そんなのって…あの戦いは…全部無駄な事だったっていうの…?
私が…美結ちゃんや…めうめうが…とーこ先輩が死力を尽くして成し遂げたことが…ぜんぶッ…!!」

流れ出した大粒の涙が、冷たい石の床へと落ちていく。

-もはや、「封印」を成すことも…それを生み出すことはできない。
セルが活動を始めれば、ハイ・ラガードだけではない…この世界が、終わりを迎えるでしょう。
従来の「封印」が仮に使えたとしても、今までほどの効力も見込めない…打つ手は、ほぼありません-

「だったら。
俺の持つ本来の「騎士」の力に…嬢ちゃんが受け継いだ分を加えればどうなる?」
「ベル…!?」

それまでじっと、難しい顔のまま腕組みをして沈黙を守っていたベルトランが問いかける。
何かを予感したクロエが、近づこうとするのを制し、彼はさらに問う。

「俺が、完全な「護り手」となりゃ…俺の力で封じることは出来ねえのか!?
…こいつは…君に百年も、本来俺がやるはずだった「役目」を背負わせちまった…俺が取らなきゃならない責任だ!違うか!!

-ベルトラン…あなたは…!-

「そうだ…俺はきっと、この為に今までのうのうと生き続けてきたんだろうよ…!
もう俺に、思い残すことはねえ。
ヴィオレッタ…君なら知ってるだろ…継承された力を次の「護り手」へ継承するやり方を。
嬢ちゃんに受け継がれた力を、全て、俺に引き継がせることだって可能なはずだ…!!
「ベル!!」

クロエは覚ってしまったのだ。
ベルトランがこれからやろうとしていることを…自ら、その「呪い」の全てを引き受け…道連れにしてでもフォレスト・セルを倒そうとしていることを。
だが…彼一人で勝てるような相手ではないだろう事も。

「来るなッ!!」

駆け寄ろうとするクロエを、ベルトランは一喝する。

「待ってください、ベルトラン様!
そうなれば、あなたは!」
「…姫さん、ここからはあんたといえども、部外者みてえなもんだ。
だから、あんたも下がっていてくれ」
「いいえ!
部外者というなら…私以外の全員が、部外者です!

悲痛な表情のまま、アリアンナが言い放つ。


画像


「みんなは、私の「儀式」について来てくださっただけ!
儀式を担うのは!
当代の「印の娘」は、私なのですッ!!
ですから…「印の娘」として!カレドニアの娘として!私が命を捧げます!!」



これまで、見せたことのない剣幕で叫ぶアリアンナの瞳に、じわじわと涙があふれ出していく。

「だって…だってそうじゃないですか…!
ヴィオレッタ様がそうなさったように…!
私が…全てを知った今、私が、そうしなきゃ…」
「アリアンナ…もういいんだ」

涙に濡れた顔のまま、つぐみはよろよろと立ちあがり…ゆっくりと、その傍らに歩み寄る。

今、「騎士」に選ばれたのは、私なんだ。
悪いけど…他の誰の出る幕でもない。

…それに、解る気がするんだ。今こうして、ベルさんがこの遺跡に再びやってきたのも」
「つぐみ…さま、なにを」
「…そうだぜ…お前、一体何をしようっていうんだ…?」

つぐみはフラヴィオに、アリアンナの肩を預けると…静かにファフニールの力を解放し始める。

「ベルさん。
あなたが儀式を百年待ち続けたのは、ヴィオレッタさんを護ることができなかった…その罪の意識からだったんじゃないのかな?
「…何が、言いてえんだ…?」
「確かに、普通の人間がいきなり、年もとらずに何十年も変わらない姿でいることは、周りから奇異の目で見られ続けることになる。
それが、どれだけ苦痛な事なのかだって、知ってる。
でも、それだけの理由だったんだったら、あの時私が真実を明かした時点で、私達と共に行動する理由はなかった筈だよ。
あなたが知りたかったのが…儀式の真相であるのなら、それだけの理由なら」

ベルトランは、これまで彼が見せたことのない様な、鬼気迫る表情でつぐみと対峙している。
つぐは怯む素振りすら見せず、なおも続ける。


「あなたはただ、死に場所を求めているだけ…!
かつて…過去からの呪いを身に宿して、それと諸共に消滅することだけを考えて生きていた私のお母さんと一緒だよ!!
そんなの…そんなこと、私が絶対許さない!!」



つぐみの手の中に握られた、髪飾りのブローチが空色の銃へと変化し、対峙するベルトランに照準を合わせる。
ベルトランは僅かに眉をひそめる。

「なんだ…?
死なねえ程度に俺を痛めつけ、止めるっていうのか?
嬢ちゃん自身解ってるだろ…「ファフニールの騎士」が、どれだけ強靭な肉体と生命力をもつか。
ましてや、俺の本業は聖騎士(パラディン)だ」
「ひとつだけ、みんなにまだ説明してない事があったよ。
別に、説明する必要もないと思ってたけど…私の持つ真の能力は「ありとあらゆる束縛から解放される程度の能力」。
…そして、私がこの「魔装」を用いた場合、それを他の人相手に使うことができる…!」

「どういうことだ…?
それに、あいつの髪飾り…」

フラヴィオとアリアンナは、後ろでスマキになっている筈のヤマメへと振り返る。
ヤマメは器用に口で糸を手繰っていたようだが…それは背後に伸びる糸と繋がっていたらしく、彼女を縛っていた荒縄が切れてその身体が解放された。
そして、溜息を吐いて立ち上がる。

「それがあいつの「能力」なんだよ。
そいつを取り巻く概念の類も、つぐみの銃弾に撃たれれば全部吹き飛ばされちまう。
…その気になりゃ、撃たれた奴が元々持ってた様な力もな…!」
「それで、おっさんの持つ「ファフニールの力」をふっ飛ばそうってのか!?
でも、それで吹き飛ばされた力ってのは」

-おそらく…宿る先はつぐみになるはずです。
解放されたファフニールの力は、より生命力の強い方へと流れるはず-

「そういうことかい。
だがよ…こっちにも意地ってモノがある…嬢ちゃん、あんたがその気なら!!」


画像


ベルトランの身体から、陽炎の様なオーラが立ち上っていく。
高まっていくファフニールの力が、彼の身体を先の様な姿とも違う、より機械的なフォルムを持つ緋色の身体へと変貌させていく…!

-いけない…その力をこれ以上使ってはダメよ、ベルトラン!
今のあなたの身体では、その力に耐えきれないのよ!!-

ヴィオレッタの悲痛な叫びに、クロエも顔色を変えた。

「…そんな!
ベル! つぐみもやめて! クロエは…二人が傷つけ合うとこなんて見たくないッ!!
「やめろ! 巻き込まれちまうだろ!!」

駆け出そうとするのを慌てて止めるヤマメに抱きとめられながら、悲痛な表情でクロエはなおも二人の名を叫ぶ。
同じようにして飛び出していこうとするアリアンナも、フラヴィオが制していた。

「ダメだ、あの二人を止めるのは…!」
「何故ですフラヴィオ様!?
どうしてお二人が戦わなくてはならないのです!? ベルトラン様だって、話せばきっと」
解んねえからこうなってんだろうがよ!!

それは、誰もが初めて見るようなフラヴィオの表情だった。

「俺は…あんたが忘れちまったことも…全部覚えてるんだ。
俺とあんたを庇って、さっきのおっさんみたいな姿になって、そのまま燃え尽きて居なくなっちまったあいつのことだって…!
今のおっさんは…あいつとおんなじだ…このままおっさんのやりたいようにさせちまったら…

「フラ…ヴィオ…?」

涙に濡れる顔のまま見上げるクロエに、フラヴィオは哀しそうな表情で笑う。

「つぐみは…まだ、一緒に過ごすようになって短いけど…つぐみなら、なんとかしてくれそうな気がするんだ。
あいつが死んじまったことも含めて、誰も俺の言うことなんか信じてくれなくなって…嘘吐きなんて言われるようになっちまった俺だけどさ…でも、だから解るんだ。
あいつは、つぐみの瞳は、何処までもまっすぐで…あいつがどんな奴でも、信じてやれるって

肩に手を置かれる感触がして、彼が振り返る先で、ヤマメが頷く。

「ありがとな、あいつのことを信じてくれて。
…大丈夫さ、必ず、うまくやってくれる」
「…ああ!!」

三人の少年少女と、ヤマメの見守る視線の先。


己の背負った業の清算が為。
未来を見据えて生きる信念を貫く為。
この世界で過去から受け継がれた「遺産」である竜(ファフニール)の騎士二人が、己の意地をかけた戦いの火蓋が、今切って落とされた。



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