狐の座敷牢

アクセスカウンタ

zoom RSS 狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女 第四十七夜

<<   作成日時 : 2015/11/24 12:33   >>

トラックバック 0 / コメント 0

正直だんだんプロットが膨れ上がってもうすぐには終わらない気しかしないが大丈夫だ、元々問題しかない(ダメじゃん

というか前回も触れましたが道中のボス攻略は終わってるわ、ストーリーの展開についてもなから触れ終わってるので、ここでは茶番重点となります。一応解説はします。
メインストーリーどころか世界樹本編ともいろいろ食い違ってきたりしてますが気にしないでやってください。もっともこんなところに好き好んで居座っている人がいるならそれなりに研修済みの事かと思いますが(←何様だ

先に述べておきますと、本編ではフロなんとかさんもお亡くなりになってるので、キマイラの話は触れられないというか触れにくいというか、そんなところですね。橋もみとりちゃんがどうにかしてるというか勝手に直ってるというか。

ああそうそう、上の方でもリンクはってますが、四十五夜までを色々加筆修正したりしたものが狐野郎サイトの駄文庫に全て収まりました。
二十六夜のてーさんのイケメン兎詐欺っぷりが無駄にkskしてたり、金竜戦のめうめう回想周りの内容が変わっていたりするのでブログ連載分の表現クソだろ何とかしろよ!!というエツランシャ=サンにもあんしんのないようです(


というわけでまだまだ序盤戦ですが色々もう書くのも面倒くさいぐらい注意満載なので、DRS(デンリュウリアリティショック)を恐れないボウケンシャーだけ先に進んでみてください(((



















〜狐尾紅茶館〜


「ふぅん…任務、ねえ。
しかし、帰るのも慌ただしくしてったと思ったら、戻って来るのも本当に唐突だな。
…まあ、知った顔がまた店に来てくれることは、私としても嬉しく思うよ」
「ごめんなさい、折角のお休みなのに」
「気にするな。
結局私も、休みと言われてもフライパンを振っていないと落ち着かないからな」

注文された料理をつぐみの前へ置き、何処か嬉しそうなレジィナ。

つぐみ達が不在の三ヶ月の間にも、店は変わることなく盛況で、最近は給仕の者(ウェイター)を雇ったり、あるいはその料理に惚れ込んで弟子入りしてきた見習いのシェフが増えたりもして、レジィナも忙しくも充実した日々を送っているようだった。
この日は本来なら定休日だったのだが、マリオンから知らせを受けたレジィナはわざわざ店を開き、三人を迎え入れてくれたのだ。

「事前に連絡は貰っていたし、ギルドハウスの方はいつでも使えるようにはしてあるよ。
装備品以外にも、狐尾の連中が血眼になってかき集めていたグリモアもある。
かごめ達ならきっと、遠慮せずに好きに使えと言うだろう

「えっ?
ここにもグリモアあるんですか?

驚いたように目を丸くするフラヴィオ。
しばらく、食欲をそそる湯気を立てる玉菜包み(サルマーレ)を眺めていたアリアンナが、不思議そうな表情で小首を傾げる。

「グリモア…?
なんなのですか、それ?
こちらはレストランの様ですし、ハイ・ラガードの特産物か何かなのでしょうか?」
「うーん…特産物というかなんというか…」

そうじゃない、と言わんばかりの困ったような表情で頭を掻くフラヴィオ。
そこへ、何時の間に奥へ行っていたのだろう、つぐみがいくつかのグリモアをもってその場へ戻ってきた。

「これだよ、グリモア石」
「うわあなんだこれ!?
どれもこれもマスターレベルの高ランク技能が記録されてるじゃねえか!?」

そのうちの一つを取り上げて、フラヴィオは驚きの声を上げる。
成り行きを見守っていたレジィナも、呆れたように溜息を吐いて言う。

「なにしろ、連中のやることだ。
うちで出している料理の中には、この生成を助ける効果をもつ食材を用いたものも多くあってな…来るたびに双葉茶を馬鹿の一つ覚えみたいに飲んでは、その後一週間十日と樹海に籠って、戻ってくるたびにまた大量のグリモアを持ってくるなんてのも見慣れた光景だよ。
樹海探索に必要なツールだというのは解るが、まあ、かごめ達の場合はある意味、作成することそのものが常軌を逸していたというかだな」
「うーん…否定できないのが哀しいところだね。
お陰で助かった局面も多かったのは確かだけどさ」

困ったように笑うつぐみ。
不思議そうにそれを手に取り、眺めているアリアンナへそれを指さしながら、つぐみは説明を始める。

「簡単に言えば、冒険者の技能を記録するツール、ってところかな。
技能が記録されたグリモアを持っていると、本来自分が使えない「技能」を使えるようになるよ。
さっきもレジィナさんがちょっと触れてたけど、持ってると時々、持ってる人の技能を写し取った新しいグリモアが生まれるんだよ」
「元々グリモアは、ミズガルズで開発されたものなんだ。
最初は、七つぐらいまでの技能をひと塊りにするのが主流だったんだけど、今はひとつのグリモアにひとつの技能、それに加えて体力を自然回復しやすくしたりとかいうちょっとした付加効果があるようにしたのが主流だな。
熟練した冒険者で、おおよそ5つか6つまで一度に持つことはできるけど…俺やアリアンナは、まだ「冒険者」としては駆け出しだから、1個しか持てないな

フラヴィオ達の説明に、そうなのですか…と、解ったような解らないようなという風に反対側に首を傾げるアリアンナ。


ここまでの道中で、アリアンナの方から「私も呼び捨てにしてもらって構いません、むしろしてください」と、呼び方に遠慮するふたりにあまりにも食いさがってくるので、つぐみ達もそれに倣うことにした。
フラヴィオが「だったら俺達も呼び捨てにしてくれよ」と茶化すも、どうもアリアンナは巧く言いにくいと見え、それをフラヴィオがひとしきりからかった後に、二人からは呼び捨てで、アリアンナはそのまま「様」つけで呼ぶということで決着がついた。

なんのかんので、アリアンナの持つ生来のふんわりとした雰囲気もあってなのだろうか、この短い間にも三人はずいぶん打ち解けることができたようだ。


「まあ、私も今回そこまで危険はないかも、ってことだし、皆に足並みをそろえていく感じになるかな。
と言っても、ここにあるのは一個でもわりとバランスブレイカーもいいところの性能のが揃ってるから」
「だよなー。マスターレベルのグリモアなんて俺、初めて見たよ。
それに俺のもらったこの弓やベストだって、レンジャーの装具としては最高レベルのものなんだろ?
本当にこんなの、使ってもいいのか?」
「いいのいいの、理不尽に全滅するよりいいから
「うわ、怖いそれは怖いぞつぐみ。
…そう言えば、お前のクラスって何なんだぜ?」
「私が「プリンセス」、フラヴィオ様が「レンジャー」というのはお聞きしましたけど、そう言えば」

ああ、と今更みたいにつぐみは返す。

私の本職は、実はあまり決まってないんだ。
今はアリアンナと同じ「プリンセス」をベースにして、銃でも剣でも一通り扱えるよ。

パーティ的には多分、私が前衛に立つ形になるんじゃないかな」
「マジで!?
うちにも、剣の方が得意なメディックの先輩が居たけど…基本プリンセスって後衛向きだって聞いたし…バランスとしてはどうなのかなあ」
「いざとなったらフラヴィオも前衛(まえ)だから、おーけー?」
「ま、まあそうなるよなあ」

樹海料理を楽しみながら、和気藹々と食事を楽しむ三人。


この時までは…これから起こる、大変な出来事を予期することなど…まして、その先に待ち受けるあまりに過酷な運命を、誰が予測し得るだろうか。
それは、つぐみの危惧をはるかに超えるものだという事すらも。



「狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女」
第四十七夜 アンコンヴェンショナル・ライトニング



さとり「ドーモ、古明地さとりです」
諏訪子「ドーモ、さとり=サン、洩矢諏訪子です」
さとり「相変わらず目が死んでますね諏訪子さん
諏訪子「お前今の自分の顔鏡で見てみろよ。多分私と同じ眼してんぞ
さとり「…諏訪子さん、ヒカゲシビレタケかなんか持ってませんか(しろめ」
諏訪子「それはやめろいろんな意味でアカンから。
   まあいいや、とりあえず前回触れ忘れてた引き継ぎ要素なんだが、一応オンオフが可能な項目があるのは従来通りだ。
   モンスター図鑑やアイテム図鑑、マップ、キャラクター、店在庫、グリモアといったお決まりのものに加え、今回は食材やレシピ解禁状況も選択で引き継げるかどうか決められる。
   当然の如く、私達はフルで引き継ぎしてるが、お陰で食材もレシピ解禁状況も最初からクライマックスになってるわけで…」
さとり「ちょっと先のネタばらしすると、第三階層で洋の三章のレシピを解禁させるクエストあるじゃないですか。
   あれをクリアして何度かレストランを訪れると、その時点でレストランのイベント全部終わってしまうという」
諏訪子「何気に、ストーリーモードだと開発の時にも色々な会話イベントが入るわけでさ。
   全部のレシピを引き継ぐと、それを見ないで終わっちまうわけだ。
   正直食材だけは引き継いで、レシピの進捗状況だけは封印しておけばよかったなと」
さとり「中華四章のクモの姿揚げ開発の時のフラヴィオが傑作なんですけどね。
   因みに、レシピ完成の時の一枚絵イベントの時に、その名残を見ることになります」
諏訪子「まあその件はアラクネーの時にでも触れようか。
   なお、都市の開発段階だきゃ引き継げないから、また一から開発をやりなおすことになる。もっとも、処分した装備とか、それまでの宣伝で稼いだ資金が、アリアンナやこれから加入するベルトランとかの装備を一通りそろえた後でも何故か200万エン近い莫大な金額で残ったもんだから、あっという間に都市開発終わったんだけどな」
さとり「おや? 確か私達は除名して消えてしまいましたが、装備品はすべて外してあったので買い直す必要ないのでは?」
諏訪子「レンジャーとマグスは一式残してあったから、フラヴィオとクロエは問題ないな。
   だが実は、レティもいなくなった枠は、実は別の奴がパラになったんで残らなかった。聖騎士の盾は腐るほど残ってたが、鎧の方はな。
   あと、文中でちょっと触れてるが、本編で残ったつぐみの枠実はプリンセスだ。だからレミリアが居なくなっても、その装備はつぐみがもってったわけであって」
さとり「アリアンナの分のロイヤルバーニーは買い足す必要があった、と」
諏訪子「そゆことだ。
   あとファフニールの装備も一式そろえたし、クロエに使わせる用途で、ニューゲーム開始前に態々ワイバーンのレアドロ取りに行ったしな。
   ベルトランに持たせた真竜の剣は穣子の、ファフニールに持たせたドラグヴァンディルは静葉が持っていたものだけど」
さとり「えっケリケイオン持たせたんですか?
   ケリケイオンなら、スキル的にアリアンナの方に持たせたい気もしますが…もしくは杖マスタリーとセットでベルトランにでも」
諏訪子「ただ、クロエもガス欠すると死ねるからな。
   あとファフはHPTP共に低く、特にTPの少なさは致命的ですらある。フォースエナジーは取りに行く気ないみたいだったし、真竜の剣よりHPTPに補正がかかるドラグヴァンディルの方が相性が良いという事で」
さとり「クロエもですけどいずれ巫剣マスタリーつけるんでしょう? 刀だと恩恵受けれないですし」
諏訪子「まぁね。
   まあ実はグリモアが解禁されるのは、ベル達が参加した後なんだけど…こまけえことだしいいな」
さとり「通常でも2Fに到達してからですしね、グリモア解禁。
   ストーリーはまず、地図描きが終わったらギンヌンガ行って主人公がファフニールに覚醒、そのあと橋の先に行けないから、橋に詳しい兵士を探しに行くついでにレストランの話出て、って流れですし
諏訪子「この「橋に詳しい兵士」がそのまんま「ブリッジ」って名前なのもアレだが、またこのブリッジって奴が相当の変わり者なんだよな。
   女や酒よりも橋を見てる方が癒されるという、わけのわからない性癖の持ち主だ。
   シナリオ上では、3Fでクソ恐竜どもに追い散らされた兵士団で、仲間を助けるために身を呈して奮闘した男気のある奴として最初登場するんだけど…まあ、なんというかな」
さとり「いいじゃないですか、どこぞの罪袋に比べれば無害そうですし(しろめ」











〜ギンヌンガ〜


「それでは…ギルド「狐の児(フォックスパップ)」、いざ参りましょう!」

切りたった渓谷の中腹に口をあけるその遺跡の入口に立ち、アリアンナは大仰に宣言する。
そんな彼女の姿に苦笑の隠せないつぐみ達も、その後へと続いて、禁足の遺跡へと足を踏み入れていく。


食事の合間「しばらくは同じギルドの仲間として行動するのだから、せっかくなので私達もギルドになりませんか?」というアリアンナの提案で、レジィナすらも巻き込んでああでもないこうでもないと意見を交わした末に「ある意味「狐尾」の世話になってるのだから」というフラヴィオの案により、仮のギルド名としてその名で行動したいという旨をマリオンに告げ、認可を得たものだった。


アリアンナは余程気に入ったと見えて、道中も幸せそうに笑いながら何度も、その名を口にしていた。
王宮で何不自由ない生活をしてきたように見える彼女であるが、身の上話を聞いているうちに、彼女も過去に色々と辛い経験をしていることを、つぐみは知ることになる。

彼女は「幼少の頃、誰か大切な存在が居たのかもしれない事を漠然とは覚えているけど、その頃の数カ月分の記憶が残っていない」と、そう言った。
アリアンナはその「空白の記憶」に起因するものなのか、これまで親しい、同年代の友達と呼べるものがいなかったのだと…どうしても、無意識に避けてしまうのだという。

「でも、お二人と一緒に居ると、不思議なくらい自然にお話ができるんです」と、そうも言った。
事実、二人に対して笑いかけてくるアリアンナは、無理をしているようには見えなかった。
むしろ彼女の方から積極的に話題を持ちかけてきて、釣られるようにして話に乗っかってしまう。つぐみも、恐らくフラヴィオも、悪い気分ではなかった…が、つぐみは時折、フラヴィオが何処か悲しそうな目でアリアンナを見ていることにも、気がついていた…。


禁足の地として封印される直前「せめてもの置土産だ」とばかりに、かごめは諏訪子、さとり、ヤマメ、静葉といったいつも通りのメンバーを引き連れ、徹底的に遺跡内部の魔物達を片っ端から「掃除」し、それを恐れた猪人間(ワーボア)や悪精(バグベア)の類は、かごめ達に恐れをなしてこの遺跡へ近づくことはなくなった。
それでも、世界樹の根の空洞内に住みつくものと同じ、一部の強力な魔物は最下層内に残ってはいるものの…「境の扉」より上の区画に魔物の侵入はなく、比較的安全な場所であると言えた。


「本当に、まったくなんの気配も感じないな。
地図描きの時に出会った角鹿よりも強い魔物がいたら、正直どうしようかと思ってたんだけど。
っていうか…確か、狐尾のギルドマスターって」
「うん。私のお母さんなんだ。
さっきもレジィナさんがちょっと触れてたけど…娘の私から見ても、やることなすことが常識外れで支離滅裂。
なのに…なんか気づいたら、起こったことの全てが、みんなお母さんの考えた通りに進んでるんじゃないかって、そんなところのあるひと…そうだね、私が言うのもなんだけど、私の母親ながらわけのわかんないひとだよ
「だよなあ。
つぐみには悪いけど、多分相当の魔物がここを根城にしてたんだろ?
それを全部追っ払って、しかも近づけさせないとか人間業とは思えないよなあ

フラヴィオは感心半分、呆れ半分といった風に天井を仰いで嘆息する。


実のところ「狐尾」が「異世界から来た人間ではない存在の結成したギルド」ということは、それなりに良く知られていることである。
といっても、そこまでメジャーな情報ではない。現にフラヴィオはそのことを知らないようであるし、アリアンナはその言動から、冒険者ギルドというものがそもそもどんなものなのかの知識も、然程持っていないだろうことは明らかだ。

特別隠す理由もないが、説明すると色々長くなることであるのは間違いない。
「儀式」がいかな手順で進むのかは知らないが、恐らく一日二日で終わるようなシロモノではないだろう事は、出がけにかごめから聞いてきた話や、あるいはかつて「境の扉」の世界でかごめと死闘を演じる前などに聞いた「護り手」の言葉から類推しても、想像に難くはない。
いずれ、この遺跡内で何が過去起きたのか、話さなければいけない時も出てくる…その時に、一緒に説明すればいいだろう。そう、つぐみは結論付けた。


しかし、懸念材料が別にもう一つある。
アリアンナが「儀式」の内容を、ほとんど知らないという事だ。


彼女の知る情報は、遺跡の深部にある「儀式の間」において、決めたれた祝詞を唱え、後はそれに応える「声」に従って、必要な行動をとるというもの。
つぐみは、そこに一抹の不安を覚える。
彼女の「祝詞」に応える「声」が、つぐみの知る「護り手」であるとするならば…今現在この遺跡に、応える筈の「声」の主は存在しない、ということになる。

勿論、つぐみは「護り手」と呼ばれる存在がどうなったかを知らないし、それを知る術もなかった。
彼女が確認し得た事実は、「禍」を討った後、美結達と幾度かこの遺跡を訪れた際に、その存在も感じ取れなかったという事だけ。
状況判断から類推すれば、「禍」を封じるという役割を終えた「彼女」は、もう消えてしまったか…百歩譲っても、この遺跡の底で永劫の眠りについたか、と考えるのが妥当なところだろう。


自分がこの「遺跡」で、かつて体験したことを、現時点で包み隠さず明かすべきなのだろうか?

彼女が行うべき「儀式」が、つぐみ達の体験と無関係なものだったのならば、話す方が簡単だ。
この遺跡がかつてそれだけ危険な場所であることを伝え、「儀式」を安全かつ滞りなく行って終えられれば、それで済む話なのだから。
だが…もし関係の深い要素であるとしたなら…どうなる。

かごめは、アリアンナがおそらくカレドニア政争の渦中にあるだろうという事を話していた。
もし、彼女の存在が全くの無価値なもの、という事にでもなれば…この少女は国元へ帰った時、一体どうなってしまうのか。


逡巡するつぐみの思索を打ち破ったのは、かすかに聞こえる足跡だった。
彼女は即座に、思考を切り替え、警戒の体勢に入る。

背後から、ふたつ。
一人は恐らく男性、もう一人は自分と同じくらいか、それよりも背の低い女性…おそらく、同い年くらいの少女であろう。
男性の足音は、フラヴィオのものとは全く違う。聖騎士の纏う全身鎧(フルプレートアーマー)特有の、具足の金属がこすれる音が混ざっている。


「…つぐみ、気づいてるか?」

何時の間にか、フラヴィオが真横に立っている。

つぐみは僅かに驚いた表情で、視線だけ彼の方へ向ける。
マリオンは彼に「優れたレンジャーの素質がある」と評していたが、彼もその注意力で、背後から近づく足音を察知していたのだ。
おおらかに見えるが、樹海入口でノリツッコミをかました自分とアリアンナへ反射的にツッコミを入れようとしてたあたり、生来は生真面目で繊細なところもあるのだろう…つぐみは、彼に対する第一印象から得たその人物像を訂正し、神妙な表情で頷く。

「魔物じゃない。
多分だけど、冒険者の二人組…一人は多分、聖騎士(パラディン)だと思う。結構、歳とってる感じだね
「ああ。うちの先輩にも、貴族の出なのにすっげえ飲兵衛で気さくな聖騎士の先輩が居たから、あの足音は間違いねえな。
けど、この遺跡は特別な許可がないと入れない筈」
「なんとなくだけど、敵意はないと思う。
「入国」出来なかった流れ者が来るにしても、そういう人たちの気配って、異種独特だから」
「…………今更だけど、改めて「狐尾」ってギルドがすげえ冒険者の集まりだって思い知ったぜ。
どうする? 追い払うべきか?」

つぐみは小さく頭を振る。

「フラヴィオはこの辺りで隠れて。
私が、背後をとる。
…もし、こっちに応戦してくる気配を見せたら、その瞬間に足を止めて。殺さないように
「レベルのたけぇ要求だな…まあ、やるだけやってみる!」

お互いに頷くと、フラヴィオは物陰にするりと入りこむ。
つぐみはその所作に感心したように口を鳴らすが、彼女も気配を完全に断って、足音の主へと音もなく間合いを詰めていく…そして。

「動かないで!」

聖騎士と思しき男の、大きく見える方の影…その胴体に照準を合わせ、銃を構えたつぐみが威圧するように叫ぶ。


「どぅあああああああああ!!??」


画像


余程驚いたのだろう、つぐみが見立てた通り、中年というよりも壮年の、無精髭を生やし薄いブロンドを無造作に短く切った髪型の聖騎士の男が、情けない声と共に大仰に飛びのいた。
もっとも、暗がりからいきなり銃を突き付けられでもしたら大概の人間は驚くだろう。聖騎士のプレートアーマーとはいえ、銃士の放つ強力な特殊弾を十全に防げるほど頑丈ではないのだ。

「ベル、驚き過ぎ」

反して、男の傍らにいた少女が、無表情を崩さすしれっと告げる。
それは、無駄に大きなとんがり帽子の為にそこそこの背丈に見えたものの、わりと小柄のつぐみよりもさらに目線ひとつ背の低い、くすんだ桃色の髪をもつ少女であった。

「なななななんでお前はそんなに落ちつき払ってやがるんだよ!?
おかしいだろ、誰もいない筈の遺跡でいきなり俺達ぁ銃を突きつけられてんだぞ!?」
だいじょうぶ、その為にベルがいる
「明らかに今お役に立ててねえじゃねえかよ…」

ベル、と呼ばれた聖騎士の男がげんなりとした表情で肩を落とす。
まるで、漫才コンビの様なこの二人の言動に呆気にとられながらも、出るタイミングを完全に失ってしまったフラヴィオに対し、つぐみは油断なく男に銃口を向けたまま誰何する。

「ここは禁足地のはずよ。
私達は特別に許可もらって入ってるけど、あなた達はなにしに来たの?
…場合によっては、抵抗できないようにその足を撃ち抜いてから、冒険者ギルドへ連れ帰るよ」
「お…おい、そんな物騒なこと言わないでくれよ。
別にアヤシイもんじゃねえ、見ての通り、ふたりだけの貧乏パーティだ。
概ね社会的には害のない方だと思うぜ?」
「どうだかな。
この遺跡は流れ者がいきなり入ってくるような場所ではない、俺はそう聞いたぜ

ようやくというか、フラヴィオも威嚇するように、聖騎士の男へ鏃を向けながら姿を現す。
男は溜息を吐いた。

「とがってるねえ少年…まあ、確かにここが禁足地なのは知ってるさ。
とあるギルドが専属で調査にあたり、理由はわかんねえが大公宮の触れで「閉鎖」されたってくらいはさ。
だからこそ…ひょっとすれば樹海で「狐尾」や「エスバット」を筆頭とする強豪ギルドとお宝の奪い合いをしなくて済むかなー…なんて、な

肩を竦める男に、フラヴィオも表情をしかめて呆れたように言う。

「そんな単純な理由かよ…解らんでもないけど」
「だろう?
だから見逃してくれよ…一応、初犯だと思うんだがよ。なにしろ、入るの初めてだし」
この街に来て一か月、ずっと酒場にいて樹海にも行ったことない。
ベルはウソ言ってない。酒場のおじさん、クロエ達の顔を知ってるから、聞いてもらえばいい」

おそらく「クロエ」というのがその名前なのだろう少女は、淡々とした口調で、フラヴィオとつぐみを交互に見やりながら告げる。

その恰好から類推するに、彼女はてゐや、エスバットのアーテリンデ同様巫医(ドクトルマグス)であるか、あるいはパチュリー同様の錬金術師(アルケミスト)のどちらかなのだろう。
前者には霊攻大斬、後者には核熱術式を筆頭とした強力な決め技がある。ベルと呼ばれたその男が聖騎士であれば、彼が身を張って敵の攻撃を防ぎ、この少女がそのいずれかの技術で殲滅するスタイルのパーティなのだろう。また、前者であれば同時に回復技術のスペシャリストでもあり、もし戦闘になったら非常に面倒なことになる。

この二人から、敵意の様なものはほぼ感じられないのも確かだ。
だが、つぐみにはわずかに引っ掛かるものが、聖騎士の男から感じ取れていた。

「な?
ここで冒険者同士で争っても利益はねえだろ。
俺らも大人しく引き下がるし…」

男がそこまで言った瞬間、不意に、道の先の方からアリアンナの悲鳴が聞こえる。
つぐみとフラヴィオは一瞬視線を見合わせ、もう一度二人組へと向きかえると…つぐみは、溜息を吐いて二人へともう一度諭すように告げる。

「あなた達に害意はないというのは解りました。
だったら、このまま大人しく街に帰ってください…そして、二度とこの地へきてはダメ。いいですね?」
「お、おい嬢ちゃん待ちな、あの悲鳴は」
「あなた達に関係ない。
行こう、フラヴィオ!」
「応っ!」

呼びとめる聖騎士の制止よりも早く、つぐみとフラヴィオは風を捲く勢いで奥へと駆ける。
そこに、呆然と立ち尽くす二人を残して。





「アリアンナ! どうしたんだ!?」

ひと際開けたフロアにかけ込んだフラヴィオは、次の瞬間そこに張りつめた殺気と、信じられないようなものを見て後ずさる。

そこには、四本の腕を持った、トカゲの様な異形の上半身と、蛇の様な下半身をもつ怪物…バジリスクが、暗がりに爛々と輝く瞳をぎらつかせ、恐怖にへたりこんで後ずさるアリアンナをじりじりを追い詰めている光景だった。

「そんな!
なんでこんな魔物がこんなところに…!?」

一拍遅れて駆け込んできたつぐみも、驚愕に目を見開き戦慄くように呟く。

だが、そんなことを考えている場合ではない。
射命丸文が残した「図鑑」にも、この魔物の情報は残っている…幻想界でも「蛇の巣」と呼ばれる危険地帯に、同じような能力を持つ危険なヘビが生息していることも。
逡巡している時間はない。


♪BGM 「血戦 身命を賭して」♪


フラヴィオ!
あいつの眼を見たらダメ、石にされる!

「な…どういうことだ!?」
「あいつはバジリスクって魔物なんだ!
体力を減退させる猛毒の霧と、その魔力で見たものを石に変える凝視を武器とする…かなり手強い魔物!

つぐみは叫ぶと同時に、ホルダーに差してあった、エトリアの探索の頃から愛用している迅雷銃を素早く抜き放ち、バジリスクの眼を狙って二度三度、その周囲の死角へ回り込むようにして雷の属性弾を撃つ。
この魔物が電撃に弱いことを知っているつぐみは、自分自身の持つ雷の魔力をも込め、放った弾丸の軌跡は視界に雷の射線を描く。

初めて見る強大な魔物に気押されるフラヴィオだったが、つぐみに遅れることワンテンポ、覚悟が決まったのかまずは動けぬままのアリアンナめがけて、彼女を助けるべく駆ける。
その彼の脳裏に、過去のある、哀しい出来事の記憶がフラッシュバックする。

(…あんなのは、二度と御免だ!
 俺は…今度こそ、何もできないまま…「嘘吐き」のまま終わりたくねえッ!!

割り込んでくるフラヴィオの影に、バジリスクは剣呑な表情でそれを睨むが、次の瞬間つぐみの放ったサンダーショットを受け、凄まじい苦悶の咆哮を上げる。
魔物が怯んだ隙に、フラヴィオは素早くアリアンナを抱きかかえると、そのまま安全な場所へ下がろうとする…が。

その巨体からは信じられないような素早い動きで、蠕動する下半身が滑らかに音もなくつぐみとの間合いを詰める。
怒りの咆哮を上げるバジリスクの腕が、またたく間につぐみの身体を捉え、四本腕の圧力でつぐみは苦悶の表情でうめく。

「つぐみ様ッ!?」

ようやく我に返ったアリアンナが、顔面蒼白のまま叫んだ。


-…ますか…!
聞こえますか…つぐみ…!!-


握り潰そうとする圧力で呼吸ができなくなり、意識が飛ばされそうになるつぐみの脳裏に、何時か聞いた「護り手」の声が、何処からともなく響く。
つぐみはうっすらと、瞼を開ける。

-今は、説明している暇はありません。
あなたが宿してしまったその「ファフニール」の力を、使うのです!-


(あなた…は…。
 ちからをつかう…って…どうやって…)

-今の私には、こうやって話していられる時間も僅か…簡潔にお伝えします。
あなたが持つ、特別な石…それに、あなたの中に眠る力が共鳴するはず。
迷っている暇はない、早く!-


つぐみは、それがなんのことを差しているのかすぐに理解した。
世界軸の違うこの世界では、本来、なんの力も持たないそれに…何故か、その行動をとるためのエネルギーが満ちている。
つぐみはその力を迷うことなく解放した。


画像


凄まじい雷の力が、バジリスクの掌へと収束し、次の瞬間爆裂する。
血飛沫を残して爆散するその肉の雨の中から降り立ったつぐみの姿は…黄と黒の縞をもつ小さな角を有し、首元と腰の後ろから白く棚引く雲の様な毛で覆われたたてがみと尾を、白い紋様の腹部をもつ黄色いボディースーツをまとった姿に変化していた。


「な…つぐみ…なのか!?」

その変貌ぶりに驚くフラヴィオ。
つぐみは振り向くことなく、二人を護るように立ちはだかって宣言する。


「説明はあと!
フラヴィオはアリアンナを守って! こいつは私が倒す!」







さとり「( ̄□ ̄;)アイエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!??
   メガシンカ!?メガシンカナンデ!!??」
諏訪子「おおおお落ちつくんださとり者メガデンリュウはドラゴンタイプがあるから実際何ら問題はオゴーッ!!(しめやかに嘔吐」
さとり「( ̄□ ̄;)っていうかあんたがもっとダメだああああああああああ!!!
   はあはあ…まま、まさかファフニールの変身をこんな形で置き換えるなどと…こんなのリハクは当然カクセンセーでも予測なんて出来てたまるもんですか!!!><」
諏訪子「ア…アバーッ…こ、この為につぐみだたのか…(瀕死
静葉「うわあ、思ったより凄惨な光景が広がってるわねえ…予想は出来てたんだけど。
  まあ、お察しのとおりね。
  因みに本来の覚醒ポイントはギンヌンガ入ってすぐ、ベルトランとクロエの加入したその場所で、さすらいの剣猪とすでに変身した状態で戦闘に突入するわね」
さとり「アイエエエエエエアキガミ=ニンジャのアンブッシュグワーッ!!??( ̄□ ̄;)」
文「(さとりの頭に10tハンマー)あーはいはいニューロン限界なんでしょちょっと休んでなさい。
 まあ、こんなトンチキな展開用意されてたんじゃこの二人じゃこれ以上無理よね。
 まさかこうして全員ニューロン焼かれるたびに、抹消組入れ替えて話進める気かしら」
静葉「あら、私とあなたとか珍しいというか、初めての組み合わせよね何気に。
  まあ…私は大体のプロット知ってるから、あなたのSANチェックだけ進めてく形になるんじゃない?
文「えちょこの清く正しい鴉天狗だけがやたらファンブル率の高いチェックやらされまくるとかおかしくない?
 …というか、ぶっちゃけると私もかなり後半で絡むことにはなってるみたいよ。まあ、確かに第三階層の辺りは最初聞いた時には私も正直アバりかけたのは認めるわ…」
静葉「やりたい放題ですものねあの設定は。
  その話はその時に触れる事にして、今回は尺ももうないのでこの辺にしておきましょう。
  私達で色々解説していくのは次回からね」
文「(さとりの足を掴んで運搬中)不安要素しかないわねえ…」



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
狐尾幻想樹海紀行 緋翼の小皇女 第四十七夜 狐の座敷牢/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる